舌打ちし「何が悪いか分かるか」…「瞬間湯沸かし器」斎藤元彦知事にエレベーターを開けておく係

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兵庫県の斎藤元彦知事が内部告発された問題を巡り、県議会の百条委員会が実施した職員アンケートの中間報告では、自由記述欄に新たなパワハラ疑惑が数多く寄せられたことが明らかになった。
「瞬間湯沸かし器」「暴君」……。斎藤知事が陰でこう呼ばれていたと明かす職員もいた。
「お前はエレベーターのボタンも押せないのか」
ある職員は、斎藤知事が神戸市内のイベント候補地を訪れた際、職員をこんな言葉で叱責(しっせき)したという話を聞いた、と記した。斎藤知事が施設のエレベーターに乗り込むタイミングで扉が閉まり、乗り損ねたことに激高したという。
エレベーターを巡る記述は複数あり、「(県庁内の)知事室を出たときにエレベーターが来ていないと激怒される」「待たせると知事の機嫌を損ねるため、知事が来るまでエレベーターを開けておく係が配置された」との記載もあった。
こうした動線を巡る指摘は、前県西播磨県民局長の男性職員(7月に死亡)も、3月中旬に報道機関などに送付した告発文書で、「出張先で公用車を降りて20メートル歩かされ、職員をどなり散らした」などの疑惑を指摘していた。
アンケートでは、斎藤知事が職員から「瞬間湯沸かし器」「暴君」などと呼ばれていたとの記載もあった。
公用車で移動中の斎藤知事が後部座席からカーナビをのぞき込み、到着予定時刻が遅れそうになると同乗者を叱責して助手席のシートを後ろから蹴ったと聞いた、などの記述があった。
男性職員が告発文書で指摘した「(知事が)気に入らないことがあると机をたたいて激怒する」との疑惑についても、関連する回答があった。ある職員は、昨年4月の知事レクで、斎藤知事が内容について「聞いていない」と発言し、持っていたペンを机の上に放り投げたと明かし、「場の空気が凍り付いた」とした。
チラシやポスター、ホームページなど広報物に自身の写真やメッセージを掲載することへの、斎藤知事のこだわりを指摘する回答もあった。
昨年7月、県独自のプレミアム付きデジタル商品券「はばタンPay+(プラス)」についての知事レクの際、資料を見た斎藤知事は舌打ちし、大きなため息をついたという。「何が悪いか分かるか」と職員に尋ね、「知事の肝いり事業なのに、写真やメッセージがない」と指摘。商品券をPRするうちわには、知事の顔写真が入ることになったという。
知事の写真が掲載されていないと不機嫌になり、「印刷済みのものを再発注した」といった事例は、他の複数の職員からも報告された。
一方で、斎藤知事の言動については、「常識の範囲内で、パワハラには当たらない」「具体的な話は聞いていない」という意見もあった。
アンケート回答には伝聞や無記名のものも多く含まれており、百条委は今後、事実関係を精査する方針。

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