夏休み取得に「罪悪感」約2割…世代別では20代が最多 6割以上「仕事しない」、2割「メールチェックする」 働く人の“本音”

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日本人の休暇意識に関する調査で、働く20代の約2割が夏休みを取ることに罪悪感があることが分かった。また全体の6割以上が「夏休み中に一切仕事を行わない」とした一方で、約2割がメールやLINEなどのメッセージをチェックすると答えた。
“絶賛夏休み中”という人も多いかも知れないが、休むことに罪悪感を持つか、街の人に聞いた。
営業(30代):(罪悪感を)持ちます。小売り系の営業なので、どうしてもそこに休んじゃうと。特に週末とか祝日は結構書き入れ時なので、それで罪悪感を感じちゃいます。
オンライン英会話レッスンなどを提供するPreply(プレプリー)の調査によると、ほぼ半数が罪悪感を「全く持たない」と答えた一方で、罪悪感を「持つ」「どちらかといえば持つ」と答えた人が2割近くいた。
年代別にみると、若い世代の方が罪悪感を持つ人が多くなっている。
IT系(20代):僕は、個人的に罪悪感はないですね。夏休みって家族とか予定決まっていると思うので、そこを仕事のためにずらすのは考えられない。
「日本人はいつも仕事のことを考えている」というのは昔のイメージなのだろうか。6割以上が、夏休み中に一切仕事を行わないと答えている。
一方で、メールやLINEなどのメッセージをチェックする人が21.3%、返信する人は16.2%いた。
――夏休み中に仕事の連絡が来たらどうする?IT系(20代):ぶっちしますね。IT系(20代):会社の端末を持って行かないので、会社の端末とか会社のスマホに連絡が来るので、返せない、返さない。
IT系(20代):電源オフにしてるので一切見ないですね。休みの前の仕事が終わったらもう見ないです。次に見るのは、仕事が始まる日の朝に見ます。
IT系(20代):基本は会社のメールを携帯で確認したりとか、急用が入っていたりとか、会社用の携帯に電話がかかってきたりしたら受け答えとかはします。休み明けに嫌な思いをしたくないとか、それをもう知っちゃった以上、残りの休みがすごく嫌な気持ちで過ごすことになるので、なるだけ今やっちゃうかって感じです。
「夏休み中の予定について、職場の人に伝えるか」という質問には、38.7%が「一切伝えない」で、2位は「聞かれたら誰でも」で、21.2%いた。
事務(30代):仲のいい人に「どこか行くの?」って聞かれたら答えるんですけど、それ以外は特に。みんなが働いている間に自分が出かけることなので、聞かれたらにしようと思っています。
IT系(20代):伝えるというか「この辺にはいないです」みたいな感じで一応言っておかないと、当日「来て」と言われても「行けない」となってしまうので、「多分、このあたりは関東にいないです」とは言います。
調査では、休暇中に仕事の関係者と一切コミュニケーションを取らないことで、「ストレスが軽減する」と回答した人が約6割に上ったが、こんな人もいた。
メーカー勤務(20代):職場の人が本当にみんな好きなので、久しぶりに会えてすごく嬉しいです。お土産とか買っていって配って、それをもとに会話したりします。
「Live News α」では、エコノミストの崔真淑(さい・ますみ)さんに話を聞いた。
堤礼実キャスター:夏休みの取得に罪悪感を持っている方がいるということですが、崔さんはどうご覧になりますか?
エコノミスト・崔真淑さん:すごく共感するところがあります。私も家族サービスデーと割り切っていても、仕事のメールが気になったりします。今回の結果は日本らしいと思う方も多いのではないでしょうか。
この背景には根本的な問題として、有給休暇を含めて休むことが当たり前になっていない、つまり、職場に「休みづらい」という雰囲気がある、これも原因の一つかなとは思います。
堤キャスター:有給休暇を取りづらいという方、多いかもしれませんね。
エコノミスト・崔真淑さん:大手旅行仲介サイトが世界11の国と地域で行った国際調査では、日本の有給休暇の取得率は62%とワースト・ワンでした。思うように有給休暇をとれないことは「日本の働きすぎ」というイメージにもつながるかと思いますが、これには誤解も含まれているあるように思います。
堤キャスター:「働きすぎ」が誤解とは、どういうことでしょうか。
エコノミスト・崔真淑さん:バブル期の1990年、OECD加盟国の中で、日本は年間の労働時間の長さが6位と、まさに「働きすぎ」のイメージそのものでした。それが今、労働時間が大きく減り、44か国の中で31位となっています。
この背景には、働き方改革に加えて、社会保険料の企業負担が増えるため、企業が残業時間を減らしているという経済学の研究もあります。
もう一つ、国際比較でいうと、日本は仕事や学校が休みとなる祝日は年間16日。一方、アメリカの祝日にあたるナショナルホリデーは11日となっているなど、世界の中で日本は、祝日が最も多い国の一つなんです。
夏休みや有給休暇など、仕事を休むことを当たり前にするには、社会保障、さらには祝日をどうするかなど、マクロな視点も必要になると思います。
堤キャスター:休暇の取得は労働者の持つ権利です。生活にメリハリをつけることは、心と体の健康のためにも必要なことですし、企業もまた、休暇を取りやすい環境づくりが求められているように思います。(「Live News α」8月12日放送分より)

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