〈《普通じゃない恋》出会ったきっかけは「荒野行動」…小6男児に恋心を抱いてしまった「22歳シングルマザーの末路」(2019年の事件)〉から続く
「アンタら、いい加減にしなよ。警察に通報したらすぐパクられるよ」…小6男児と交際し、強制性交容疑で逮捕された22歳のシングルマザー。なぜ一度は「自分のやっていることはおかしいんじゃないか」と思ったにもかかわらず、交際を止められなかったのか? ノンフィクションライターの諸岡宏樹氏の著書『実録 女の性犯罪事件簿』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。なお本書の登場人物はすべて仮名であり、情報は初出誌掲載当時のものである。(全2回の2回目/前編を読む)
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写真はイメージ getty
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髪を黒くして、ショートカットにした佑香は、いっそう“いい女”になっていた。だが、公判では2人の生々しいLINEのやり取りなどが公開され、佑香がいかにして拓也を籠絡していったかの一部始終が明らかにされた。
〈佑香みたいな大人が僕みたいな子供とセックスしてもいいの?〉
〈私は拓也のことが大好き。好きな人とそういう関係になるのは、ごく自然なことだと思う〉
〈僕はチューしたことないんだよ〉
〈全部私が初めてなのか。そして、全部私が最初で最後になる〉
2人は拓也が18歳になったら、結婚することまで約束していた。毎日電話するうちに、会いたくなるのも当然のことだった。佑香は拓也の求めに応じて、拓也の地元まで会いに行くことにした。
佑香は〈今まで会っていなかった時間も付き合っていたようなもんだから、会ったらすぐにホテルへ行こうか〉などと誘惑していた。拓也は様々な妄想を膨らませ、興奮して眠れないほどになった。
初めて会った日、2人は挨拶もそこそこにラブホテルにしけ込んだ。お互いの体をむさぼり合い、拓也は夢のような時間を過ごし、佑香の手ほどきで正常位、バック、騎乗位と一通りこなした。
佑香は拓也とのツーショット写真を掲載し、〈童貞狩り〉などとツイッターに投稿した。〈拓也くん、子作りにハマっています〉ともツイートした。
これ以降、拓也は佑香にメロメロになり、『たくやのゆうか』というアカウント名でツイッターを始め、〈他の女と関わる気は一切ない〉〈ずっと佑香のとなり〉〈物欲はない。佑香が欲しい〉といったツイートを繰り返すようになった。
佑香は「冬休みに遊びに来てほしい」と拓也に新幹線のチケットを送った。拓也は年末年始にかけて、11日間も佑香と過ごした。拓也の家族から安否を心配するメールが届くと、佑香が「このように返事すればいい」とアドバイスしていた。
さらに佑香は恥ずかしげもなく、拓也とキスしている写真などを平気でツイッター上に上げていたため、ネットでは有名な“バカップル”になっていた。
〈アンタら、いい加減にしなよ。警察に通報したらすぐパクられるよ〉
〈ネットに拡散して、今さら画像を消せないことは分かっているよね?〉
こんな“警告”が届き、いったん拓也が地元に帰ると、佑香は冷静になって、「自分のやっていることはおかしいんじゃないか」とようやく気付いた。
だが、拓也に別れ話を切り出すと、拓也はしょげ返った。
「僕のどこが悪かったの…。どうして別れなくちゃいけないの?」
拓也は2日にわたってLINEを送り続け、「食事も喉を通らない」と訴えてきた。何をする元気もなくなり、「学校へ行く気力もなくなった」と言われ、佑香は「やっぱり私が付いていないと生きていけない子なんだ」と思い直した。
これからも付き合い続けることを約束すると、不安でたまらなくなった拓也が「ずっと佑香と一緒にいたい。離れたくない」と言って、家出を決行。わずか2週間後には、また佑香の家に舞い戻った。
佑香に言われていたように、家族宛に置き手紙を残し、保険証のコピーを持ってきた。
佑香は泣きながら乳房に吸い付いてくる拓也が可愛くて、その様子をスマホで撮影した。それが児童ポルノ製造に当たるという意識は佑香にはなく、佑香は拓也との愛の営みの一部始終をスマホに保存していた。
その結果、これが犯罪の“証拠”になった。拓也と佑香の2度目の同棲生活は、通報によって3日で打ち切られることになった。

佑香は保釈後、拓也の母親に謝罪に行ったが、面会を断られ、弁護士を通じて「もう2度と拓也に会わない」という条件付きで、慰謝料150万円を支払い、示談書を交わした。
医師からは小児性虐待者(チャイルド・マイスター)と診断され、1年かけて性障害専門医療センターに通うことになった。
佑香自身が法廷で語った恋愛遍歴も驚くべきものだった。
「私はこれまでひどい恋愛をしてきました。交際相手に浮気やDVを何度もされ、アザができたり、歯が欠けたり、唇が腫れたりして、大ケガをしたこともありました。自分のことを理解してくれる人と付き合ったことがなかった。でも、彼はこれまで付き合った誰よりも大人に見えました。お互いに真剣でしたし、結婚できる年齢まで付き合って、結婚しようと思っていました。でも、もう会いません。『荒野行動』はもちろんですが、SNSもしません。子供が2人いるので、これからはしっかり子育てをして、いいお母さんになります」
裁判所は「判断能力や性的知識が乏しい小学生につけこみ、自己の欲望を優先した身勝手な犯行」と断罪し、佑香に懲役3年執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。
だが、拓也は今も「佑香に会いたい。結婚したい」と言って、ノイローゼ気味になっているという。まぎれもなく児童の心身に有害な影響を与えたのは事実だろう。
(諸岡 宏樹/Webオリジナル(外部転載))