小林製薬の紅麹サプリをめぐる、はじめての損賠訴訟です。小林製薬(本社:大阪市)製造の「紅麹コレステヘルプ」を服用し、腎臓の機能障害を発症したとして、大阪府内の男性が同社を相手に、約500万円の賠償を求めて民事訴訟を起こしていたことが分かりました。◆「薬剤性急性腎障害」と診断大阪地裁に訴えを起こしたのは、府内に住む40代の男性です(提訴は今年7月12日付け)。訴状によりますと原告男性は今年1月、小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」60粒(20日分)を6つ、インターネットで購入し、服用を始めました。

しかし、報道で同サプリをめぐる健康被害の問題を知り、病院で受診したところ、男性はもともと持病はありませんでしたが、血液検査で腎臓の数値が異常を示していることが判明。薬剤性急性腎障害と診断されたということです。腎臓の機能障害はいまだ完全に回復していないといいます。◆「発表が早ければサプリ服用しなかった」男性は「サプリを服用したことで腎障害が発症した」「将来人工透析をしなければならないかもしれない恐怖を体験し、治療通院のために少なくとも2カ月近く、まともな就職活動ができなかった」「事態が明らかになったのは(初めて自主回収を発表した)今年3月で、報道発表が早ければサプリを購入・服用せず、健康被害が発生しなかった可能性が高い」として、小林製薬に対し約495万円の賠償を求めています。原告側の代理人弁護士によりますと、男性から別件の訴訟を引き受けており、やり取りの中で「会社からの公表が早ければ、サプリを買わなかった」などと相談があったということです。◆補償前に提訴した理由は…代理人は、小林製薬の補償がはじまる前に提訴した理由については、「生活を振り返ったところ、サプリ以外に心当たりはなく、確信をもって損害賠償請求は成り立ちうると判断した」などと述べました。一方、小林製薬側は「対象製品の摂取と原告の症状の間に、相応の因果関係があると判断できた場合、誠実かつ適切な補償を行う予定だ」として、請求の棄却を求めています。小林製薬によりますと、紅麹サプリの健康被害問題をめぐり損害賠償を求める訴訟が起こされたのは、今回が全国初だということです。