長野県は、国民健康保険中央会が要介護度を基準に算出した2022年の本県の健康寿命が男女ともに全国1位だったと明らかにした。
男性は2年連続、女性は7年連続の1位で、県は高齢者の就業率の高さや野菜摂取量の多さなどを要因に挙げている。
同会は介護保険制度で要介護2以上を「不健康」と定義。平均余命から不健康期間を差し引いたものを、「日常生活動作が自立している期間の平均」である健康寿命として毎年公表している。22年の本県は、男性が81・0歳(前年81・4歳)、女性は84・9歳(同85・1歳)だった。
健康寿命の長さについて県は、▽65歳以上の就業率が31・6%(2020年国勢調査)と全国1位の高水準であること▽野菜摂取量が全国平均より2割程度多いこと▽食生活改善などを担う健康ボランティアの活動が活発であること――などが理由だと分析する。
長野県の阿部知事は9日の記者会見で「長野県の健康長寿を示す重要な指標だ」とした上で、数値が前年から低下したことに言及。「コロナ禍では運動やコミュニケーションが難しく家に引きこもりがちになりかねなかったが、もう一回数値を伸ばす方向で県としても努力したい」と話した。
健康寿命は厚生労働省も3年ごとにまとめているが、19年の県の数値は女性が74・99歳(全国37位)、男性が72・55歳(同30位)。厚労省は「健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」との質問に対する自己認識の回答に基づき算定している。