隣の家から投げ込まれていたのは「生卵」だった。
2024年7月に複数の生卵を投げて嫌がらせをしたとして、岐阜県迷惑行為防止条例違反の疑いで、無職の各務良子容疑者(53)が逮捕・送検された。
岐阜・川辺町にある被害者の家を取材すると、想像を超える事態になっていた。
「こちらが被害を受けた壁になります。主にこのボックスの裏でありますとか。気持ち悪……」
被害の状況について説明してくれたのは、住人の50代の女性。
「エアコンの裏がいま一番たまっているところですね。お勝手口もすごく狙われてて、嫌がらせが私にはっきり分かるように、必ず目に付くところに……」
被害者宅の壁には、生卵がこびりつき、室外機の裏にまで残骸が大量にあった。
「特に梅雨のころですよね。リビングから一歩も外に出られないような強烈な臭いでした」
嫌がらせは、隣人が引っ越してきた約19年前から始まったという。
「私の方からは、何もしたことはなくって……」。トラブルになるようなことはなかったが、なぜか、ごみの不法投棄が始まったという。女性は2013年に防犯カメラを設置し、被害の記録をノートに残し始めた。
「生卵が当家の壁とサッシのすき間に投げられ壁が汚れる(2コぶつけられた)」(被害記録より)
記録によれば、生卵を投げつけられたのは、2019年が初めて。以降、何度も被害に遭うことになってしまった。
防犯カメラは、各務容疑者が卵を投げる瞬間をしっかりと捉えていた。
7月9日の防犯カメラ映像には、窓から投げたものの各務容疑者宅の敷地内に落下した卵を各務容疑者が拾い、再び被害者宅へ投げ入れる姿も記録されていた。
「(一日に)平均10個ぐらいですかね。多かったころは2パックぐらい投げてました、毎日」
8月2日に撮影された防犯カメラの映像を確認すると、少しだけ開かれた窓からまず卵が3個投げ入れられ、その1分後、さらに4個目、5個目と投げ入れられ、その後、映像で確認できただけでも、合計16個の卵が投げられていた。
被害に遭った女性は、「今の音は壁直撃とか、今のは出窓を狙ったとか。見ていなくても、どこに当たったのか分かるぐらいになりました」と話す。
約5年続く“生卵の投げつけ”。黒ずんだ壁の塗装や複数の防犯カメラなど、その費用は少なくとも200万円以上はかかっているという。
「私もびっくりしたんですけど。これ、はっ水加工も強いものを塗装したんですけど、卵にくっついて剥がれてしまって。ものすごくショックです」
8月7日、逮捕される際に「クソババァ!!覚えとけよ!!」と逆恨みの言葉を吐き捨てていった各務容疑者。調べに対し、「やっていません」と容疑を否認していて、警察が詳しい経緯を調べている。(「Mr.サンデー」8月18日放送より)