宝塚歌劇団を傘下に収める阪急阪神ホールディングス(HD)の第186回定時株主総会が14日、大阪・梅田芸術劇場メインホールで開催され、昨年9月に上級生のハラスメントなどを苦に転落死した娘役Aさん(享年25)が所属する宙組について株主から厳しい追及があった。
宝塚市在住の男性は、Aさんの本名や、Aさんにヘアアイロンをあてて額にやけどをさせたり、罵倒した宙組上級生の芸名と本名を挙げて、問題の波紋で株価下落につながったと発言。「質問は6点ある」とし、主催側が途中で「他にも質問される方が…」と制したが、男性は引き下がらず、当該の上級生を「この場に呼んでほしい」と怒りを込めて発言した。宙組は20日に公演を約9か月半ぶりに再開する。
男性は、昨年12月に就任した村上浩爾理事長を「信頼に値しない」とも批判。角和夫HD会長にも「辞任してください」と迫り、会場から拍手も沸いた。
回答を任された大塚順一執行役員は、上級生のハラスメント事案に「基本的に悪意を持ってやっていないと考える。叱責(しっせき)がハラスメントにあたると気付きもしなかったのは劇団の責任。劇団員も反省している」といい、上級生は来場していないとした。
会場からブーイングも起きたが、後に歌劇団に精通しているとみられる別の女性株主は「(加害者とされる上級生の)名前を出すのは違うと思う」と発言した。
村上理事長の進退には角会長が「もう少し時間をいただきたい」。角会長は別の株主からも辞任を求められたが「私も75歳。まさに近々、辞任するが来年まではこれまでの体制で」と話した。