今、東京都内で問題になっているのが、ウミネコの大群です。早朝からけたたましい鳴き声で飛び回り、フン害も頻発しています。
大都会・東京の上空を飛び回るのは、カモメの仲間・ウミネコです。
ミャーミャーと特徴的な鳴き声が聞こえます。くちばしの先が黒いように見えます。
全国の海沿いに生息し、親しまれてきた鳥ですが、住民たちを悩ませる「厄介者」になっていました。
江東区の住宅街には、毎年5月ごろからウミネコが大挙して飛来します。
マンションの屋根には、フンのあとが至る所にありました。
名前の由来にもなっているネコのような声は、夜が更けても聞こえてきます。
深夜1時、住宅街にウミネコの鳴き声が響き渡っています。5分ほどカメラを回していますが、10回以上、大きな鳴き声が聞こえてきています。
ウミネコの全長は50センチ弱ですが、羽を広げると1メートル以上にもなる大きさです。本来はその名の通り、海の近くで生活しています。
東京都によると、1990年代、台東区にある上野動物園が保護していたウミネコを園外に放ちました。97年には動物園につながる不忍池で繁殖したことが確認されていて、2010年代から区内だけでなく中央区、墨田区、江東区でマンションの上空を飛び回るようになったといいます。
時間を選ばずやって来る、ウミネコたち。午前6時すぎ、10羽ほどいるでしょうか、大きな鳴き声を上げています。
マンションのそばには、白い点々としたあとが道中に広がっています。すごい数のフンが落ちているのが分かります。
近くに住む人は、洗車に追われていました。
隅田川を挟んで向かいの台東区のマンションに住む人も、こう話します。
今から1年前に撮影された写真には、サッカーボールほどの大きさの巣の中に茶色い卵とヒナが見えます。同じような巣は全部で7つ確認できました。
なぜウミネコはマンションの上に巣をつくるのでしょうか?
東京都は条例で、1000平方メートル以上の建物には屋上緑化を義務付けていて、ウミネコが巣をつくりやすい環境になっているといいます。
ウミネコやその卵は、個人が勝手に駆除することは法令で禁止されていますが、都はおととし特定業者に限り、巣の駆除を認めました。
先ほどの台東区のマンションも一度、区の委託業者が巣を撤去しましたが…。
このマンションでは、管理組合が100万円ほど費用を負担。台東区によると、巣の撤去には1回分だけ助成金が出ますが、ネット設置に対しては「マンションの設備と考えているため助成金は設けていない」ということです。
(「グッド!モーニング」2024年6月14日放送分より)