2023年、岐阜県岐阜市の岐山高校は、髪の毛の色や化粧についての校則を試験的に廃止し、話題になりました。その後、生徒にアンケートをして「撤廃してもいいと思う校則1位」だったのが「頭髪」だったといいます。中学生や高校生の髪型について、具体的な調査やプロの視点をもとに見直す動きが広がっています。
2023年、岐阜県岐阜市の県立岐山高校は、髪の毛の色や化粧についての校則を試験的に廃止しました。2024年1月、岐山高校ではアンケートで生徒に「撤廃してもいいと思う校則」を聞いたところ、「頭髪」が1位でした。
この「頭髪」に関する校則について2022年、改革に挑んだのが岡山県岡山市の県立興陽(こうよう)高校です。
校則で禁止されている髪形の見直しを求め、生徒会で139の企業へのアンケートを実施しました。
また、地元のロータリークラブなどにもヒアリングして先生たちと議論を重ね、校則で許容できるボーダーラインを探って、最終的に職員会議で議決され、2023年4月から、校則が変更されたということです。
ポイントとなったのは、生徒たちが自ら企業に調査したということです。当初、校則で禁止されていた髪形は12種類ありました。
男子生徒は耳が出る髪形に、女子生徒は肩より長い場合は結ぶという決まりでした。そして、男子のツーブロックや刈り上げ、女子のポニーテールやお団子ヘアなどの髪形も「就職の際に企業からの印象が悪くなるから」という理由で禁止されていたということです。こうした髪型は本当に「印象が悪くなる」のか、生徒たちは実際に企業に「印象が悪く感じる可能性がある髪型」を聞きました。結果は、刈り上げ部分と上の部分のコントラストが強いデザイン、前髪が目にかかるマッシュルームヘア、ツインテールは「印象を悪く感じる」数値が高い結果でしたが、ツーブロック、三つ編み、ハーフアップは9割以上の企業が「印象を悪く感じない」と回答しました。
この結果をもとに、12の髪形のうち、9つが禁止から除外されたということです。
髪形については、校則違反かどうかの線引きがあいまいな部分がありますが、静岡県の理容組合が2023年12月に発行した中高生向けのヘアスタイル冊子「中学生好感度アップヘアセレクション」が話題になっています。
冊子には、ツーブロックやボブスタイル、モヒカンなど、12種類の髪形が載っています。
静岡県理容組合の理事長、林敏也さんは校則で許される自由の幅が分からなくて戸惑っている生徒たちを助けたかったと言います。静岡県理容組合の理事長 林敏也さん:「中学校や高校の校則が見直されているなかでヘアスタイルについて、好感度があがるヘアスタイルをプロの目線で、何か参考になればと」
反響は大きく、発行から数カ月後、取材した2024年2月の時点でも、全国から問い合わせがあると話していました。林さん:「市営の図書館などで置かしてくださいということだったり、ご来店いただいた中学生さんがこの冊子を見て、相談をしてくれるような形になってきてるみたいです」掲載されているヘアスタイルについて、名古屋の街で冊子を見せて印象を聞いてみました。Q参考になりますか?女子高校生:「はい、思います。清潔感あるね」
別の女子高校生:「自分に似合うのが分かっていると、結構やりやすいかな」現役高校生たちには、髪形の参考になると、好評でした。“好感度があがる”ことを目指したヘアスタイル、大人にも印象を聞きました。20代の男子大学生:「いいですね、さわやかなのは大事だと思いますよ」70代女性:「可愛くていいと思いますよ、不潔じゃなきゃね、青春だし」60代男性:「もうちょっと『おでこ』を出した方がいいんじゃないの、と俺は思う」概ね、悪くない反応でした。林さん:「春夏だったり、秋冬バージョンという形で展開できればなと思っています」2024年2月23日放送