若い感性とひらめきで人気商品を作り続ける、一人の社長にお会いしました。その社長は13歳の中学生。いったいどんな社長なのか、取材しました。
【写真を見る】自作のアクセサリーで特許も取得した13歳の女子中学生社長 幼い頃の闘病を乗り越えて描く夢
名古屋にお住まいの社長ご一家、水野さん。会社経営を手がけるのは父親の敬さんでも、母親の至保さんでもなく、中学1年の娘・舞さん(13)です。
(夏目みな美アナウンサー)「あだ名って何ですか?」(舞さん)「学校で普通に『社長』と呼ばれることもあります」
これが、舞社長が手がけるオリジナルアクセサリー。小学6年生の時に会社を立ち上げ「あるアイデア」で特許も取得しています。
一見、イヤリングですが、実はヘアピンに既製品のチャームを組み合わせた装飾品。正面からみるとイヤリングに見えます。
(夏目みな美アナウンサー)「これ、どうやって思いついたんですか?」(舞さん)「(母の)ピアスに憧れて私も着けたいと思ったけど、イヤリングやピアスは(耳が)痛いと思うので。小学5年の時に、このヘアピンなら(装着)できると思った」
耳への負担がない新しいアクセサリー。私も試着させてもらいました。
(舞さん)「着け方は耳の真後ろの所にへアピンを縦にして着けていただくっていう」(夏目アナ)「すごーい、前から見たらイヤリングだ。全く耳への負担がない!耳よりも少し上に支点があるので、揺れ方も素敵!!」
イメージが定まったら、まずは試作。200種類以上のパーツから選んで組み合わせていきます。
(舞さん)「本日は新商品についての会議で、よろしくお願いします」この日はネット会議でスタッフと新作の打ち合わせ。
(舞さん)「さっき作ったんですけど、ダイヤっぽい感じで…」(女性スタッフ)「可愛らしい」(男性スタッフ)「新作の原価率は?」(舞さん)「コストは、きちんと抑えてます。ご安心ください」
(男性スタッフ)「パーツ的には変わらないのね」(舞さん)「元々使っているパーツも実はあって、チャームの方が大きいものもあるので。あまり変わらずという感じです」
舞さんの部屋も見せてもらいました。
(夏目アナ)「今時の漫画もあるけど、デザイン系の勉強の(本)?」(舞さん)「私は色が好きなので、色の勉強をしたいなと思った。洋服の色合いを一番考えている」
(夏目アナ)「化粧用パレットも、すごい色を持っていますね」(舞さん)「集めるだけ集めています」
アクセサリー作りを始めたきっかけは、幼い頃の闘病経験でした。
生後間もないころから入退院の繰り返しだった舞さん。(母の至保さん)「生後に胆道閉鎖症という病気で手術しました」「胆道閉鎖症」は胆道が炎症を起こして胆汁がつまり、肝臓を壊してしまう新生児の難病です。つらい入院生活が続く中、同じ病室の友達から教えてもらった楽しみがマスキングテープや色鉛筆を使った、お絵描きでした。
(舞さん)「私もやりたいと思い交ぜてもらったら、はまって。それが私のものづくりの原点になってます」4歳の時、母親の至保さんから肝臓の一部を移植することで病気は治り、小学校にも入学できました。
入院がきっかけで工作が好きになった舞さん。小学2年生のときにひらめいたのが…。(舞さん)「ものづくりが好きだったので。ストローで三角形を作ってビーズを通して毛糸でつけて。ヘアピンに巻きつけた感じです」
(父の敬さん)「面白い発想だと思いまして、新しいアクセサリーとして世に広めることができると思った。そこから始まりましたね」
大学教授の父親の勧めで特許を取って会社も作ってみると、最初に出した商品は1年ほどで約500セットが売れたのです。
購入者からは、こんな手紙も。(届いた手紙)「そのアイデアの素晴らしさと着け心地の良さに感動しました」「舞社長の若い、みずみずしい感性に拍手したいです」
(舞さん)「とてもありがたい話だと思います。大変ではあります。好きな事とか、やりたい事など。どんどん会社から気付く事が最近多いと思います。これからは子ども達だけで会社の活動やプロジェクトなどをやってみたい」自分が作るアクセサリーで、一人でも多くの人に笑顔になってほしい。きょうもピンセットを片手に、新作作りに取り組む舞さんです。