宮内庁は1月22日、天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが4月から日本赤十字社に就職されると発表した。新年度からはご公務も本格化し、ご多忙な“二刀流生活”が始まることになるのだが、将来において最大の節目である「ご結婚」は、いかが相成るのだろうか。
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学習院大学文学部日本語日本文学科に在籍される愛子さまは、これまで「源氏物語」や「新古今和歌集」、「奥の細道」などを学ばれてきたという。
「卒論は『中世の和歌』をテーマに執筆されました。1月19日に催された歌会始の儀でも、和歌が千年の時を経て受け継がれていることへの感銘を詠まれており、ご卒業後はそのまま大学院へ進学なさるのが“既定路線”とみられていたため、突然の発表は驚きをもって受け止められました。愛子さまは日頃から福祉活動全般にご関心がおありで、『少しでも社会に貢献することができれば』とのお考えに至られたといいます」(宮内庁担当記者)
今回の就職内定を受けて愛子さまは、
〈身の引き締まる思い〉
〈一社会人としての自覚を持って仕事に励む〉
といったお気持ちを公表なさっており、
「皇族方では、これまで三笠宮家の瑶子さまが2006年から12年まで日赤に勤務されていますが、天皇家の内親王が、研究機関以外の組織に“社員”に準じる形で勤務されるのは初めてのことです。愛子さまは嘱託の非常勤職員として週に数日、本社のある港区で勤務される予定で、給与も支払われます」(同)
とのことである。
さて、門出の4月を迎えられる愛子さまにとって、次なる人生の節目となるのは「ご結婚」であろう。政府の有識者会議がまとめた「皇位継承策」が国会に提示されたのは22年1月。が、議論は遅々として進まず、昨年秋にようやく自民党が「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」を立ち上げ、皇室典範の改正も視野に入れつつ検討がなされている。さる皇室ジャーナリストが言う。
「有識者会議がまとめた報告書では『女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する』『旧宮家出身の男系男子を養子縁組で皇族に迎える』の2案が示され、これに基づいて懇談会も議論を進めています。前者については保守派が“女性・女系天皇の容認につながりかねない”と危惧してきましたが、有識者会議の報告書は、皇位継承順位を変更しないことを前提としており、引き続き2案が並行して協議されることになっています」
とはいえ、愛子さまの将来は依然、不透明のままである。制度いかんでは結婚後のご身分が一変してしまう可能性もあるわけだが、そんな中で取り沙汰されてきたのは、1947年に皇籍離脱した11宮家の一つ「賀陽(かや)家」である。
現在の当主である賀陽正憲氏(64)は天皇陛下と学習院初等科以来のご学友で、自身も紀宮さま(黒田清子さん)の“お相手候補”に挙げられたことがある。
「旧11宮家のうち、独身の若い男系男子を有するのは賀陽家、久邇家、東久邇家、竹田家の4家で、あわせて10人前後。うち賀陽家には28歳と26歳のご子息がおり、年齢的にも愛子さまと近い。加えて賀陽家の男子は、いまの皇室に最も近いといえるのです」(同)
というのも、
「21年に開かれていた有識者会議では、事務局である内閣官房の皇室典範改正準備室が作成した資料に、47年当時の『皇位継承順位系図』が示されました。7番目にあたる山階宮武彦王に男子がなかったため、8番目の賀陽宮恆憲王の6人の男子らに順位がつけられていった。それを現在の系図に当てはめると、賀陽家の男子は皇位継承順位が旧宮家の中で最上位となるのです」(同)
11番の章憲氏の長男にあたる正憲氏は外務省儀典官室に勤務しており、
「二人のご子息もまた学習院高等科のOBです。お兄さんは早大政経学部を卒業して大手鉄鋼メーカーに入り、弟さんは早大理工学部を卒業。首都圏で勤務しているとのことで、ご兄弟はいずれも幼い頃から愛子さまと面識があったと聞いています」
かつて11年、正憲氏はご子息らが将来、愛子さまのお相手候補になる可能性があることについて、
〈縁談などとは、立場が違いすぎ、恐れ多いことです〉
〈皇室様へのお婿入りなど考えること自体、失礼と思います〉
そう本誌(「週刊新潮」)に答えていたのだが、21年の有識者会議のヒアリングに応じた麗澤大学の八木秀次教授は、
「賀陽正憲さんは、息子さんたちが愛子さまのお相手に擬せられることを“もったいないお話”と考えているのかもしれませんが、正憲さんが『うちはそういう家ですから』と漏らしたという話も聞きました。少なくとも、息子さんなど家族が皇室に戻る可能性を考えながら暮らしてきたということでしょう」
むろん愛子さまのご意思が最重要であり、またそもそも検討されているのは既存の宮家への養子入りであって、独身の女性皇族との縁組ではない。それでも八木教授は、
「安定的な皇位継承を考えた時、できれば賀陽家をはじめとする旧宮家の男性とご一緒になられるのが望ましいと思います。お相手が皇族になるのと同時に愛子さまもそのまま皇室に残られ、男子が生まれれば皇統がつながっていくことになるのです」
そう期待を寄せるのだ。
一方で昨年は、華道家元池坊の次期家元・池坊由紀氏(58)の子息で写真家でもある池坊専宗氏(32)の名もクローズアップされた。
「由紀氏の両親は家元・専永氏と元文部科学副大臣の保子氏。初等科から大学まで学習院に通った保子氏は元子爵・梅溪(うめたに)通虎氏の三女で、母親が香淳皇后のいとこという家柄です。それもあって旧華族の親睦団体『霞会館』関係者の間で、専宗氏は“お相手候補”として注目を集めているというのです。専宗氏の父親は元大蔵官僚で、ご本人も慶大に入学後、東大に入り直して法学部を卒業しています」(前出ジャーナリスト)
続いて、こう明かすのだ。
「旧宮家や旧華族といった家柄の人々とは別に、ご学友の中にも注目すべき“候補”はいます」
まずは学習院幼稚園・初等科を通じて同級生だったAさんが挙げられるといい、
「西日本に本社のある大手造船会社の重役を父に持つ彼はこれまで、夏休みに両陛下と愛子さまが那須で静養される際、現地で合流してご一緒する姿がたびたび目撃されています。小学生の頃は愛子さまと茶臼岳に登山し、また『那須どうぶつ王国』で行われる鳥のショーも一緒に観賞していました」(同)
当時はAさんも母親や姉に付き添われており、
「那須には他のご学友の家族も招かれていましたが、ほとんどが女子児童で、男子はAさんだけ。いわば両陛下もご公認の“特別なご交流”というわけです。初等科時代のAさんは眼鏡をかけ、風貌から記者たちの間では『のび太君』などと呼ばれていましたね」(同)
それが19年、愛子さまが高3になられた夏には、
「やはり那須でご学友らと合流されましたが、そこに現われたAさんは180センチを超す長身に成長しており、女性誌には『東出昌大似のイケメン』『偏差値74』などと報じられました。Aさんは学習院中等科から外部受験で練馬にある早大高等学院に進学。中学は水泳、高校ではヨット競技に打ち込んできました。現在は早大の文系学部の4年生で、今春卒業予定だと聞いています」(同)
17年には皇太子時代の陛下が、Aさんの父親が役員を務める造船会社を視察なさっている。
「『水問題』をライフワークとされている陛下は学習院大時代、卒論で瀬戸内海の水運史をテーマになさっており、船舶にもご関心がおありでした」
とは、先の記者。ご視察当日、説明役を務めた同社の社長に聞くと、
「皇太子さま(当時)がお見えになる半年前に宮内庁から連絡があり、警察も交えて何十回もやり取りしながら準備しました。ご視察の理由は伺っていませんが、『バラストタンク(傾斜などを調節する船内の水槽)はどこにあるのですか』とお尋ねになるなど、相当お詳しい印象を受けました」
とのことで、Aさんについては、
「私のいとこの子にあたります。愛子さまと仲良くさせていただいているというのは雑誌記事で読んだだけで、本人から聞いたことはありません。まして私たちと天皇家の方々に特別なつながりがあるなど、そんなことは決してありません」
こうした“特別なご学友”は、Aさんだけではないという。先のジャーナリストが続けて、
「初等科時代に同じクラスで、高等科では野球部で活躍したBさんもまた知られています。高1だった17年10月には、秋季都大会の試合が神宮第二球場で行われ、野球好きの愛子さまは女子高等科のご学友と観戦に訪れられています。この日、得点に絡む活躍をした彼のプレーに、愛子さまはスタンドで大喜びされていたというのです」
愛子さまは、バッターボックスに立ったBさんの姿をデジカメでしきりに撮られていたという。内野手のBさんは3年間レギュラーを務め、高3の夏の東東京予選初戦では、二塁打を2本放つなどチームをコールド勝ちに導いている。
さる学習院関係者によれば、
「女子高等科時代の愛子さまは年に数回、お友達と一緒に野球部の試合を見に来られていました。B君のお父さんは医師で、B君も現在、スポーツの強豪として知られる都内私大の医学部に在籍しています」
皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は、
「現行の制度のままであれば、愛子さまはご結婚と同時に皇室を離れなくてはならず、そのご心労は計り知れません。愛子さまの苦悩に寄り添い、理解を示すという点では、旧宮家の男性より、小さな頃からお顔を合わせられてなじんでこられたご学友がふさわしいのではないでしょうか。また生活の面からは、結婚後も皇室のサポートを必要とする、秋篠宮家の眞子さんのお相手のような男性を選ばないということも大切でしょう。やはり経済的にも、一緒になって将来安泰の人が好ましいとは思います」
としながら、
「両陛下は恋愛結婚で結ばれ、お幸せそうなご様子がうかがえます。今後、愛子さまは、職場で生涯の伴侶となる男性と知り合う可能性もある。ご就職はやはり、一つのターニングポイントになるでしょう」
新年度は“ご縁”のスタートでもあるというのだ。
「週刊新潮」2024年2月15日号 掲載