少子化が進むにつれ大学の興亡は激しさを増しており、かつての人気学部がいまや「お荷物」と言われることすらある。前編記事【上智の転落ぶりがヤバすぎる…もはや「早慶上智」とは言えない深刻な理由】では、上智の凋落ぶりが著しく、「JMARCH」と言われる日もそう遠くない実情を紹介した。
以下では引き続き、現在「GMARCH」と呼ばれる私大間でくり広げられている争いを明らかにしていこう。鼻高々に入学したあなたの学部も、もう「滑り止め」になっているかもしれない。
明治の後を追いかけるのが青山学院。伝統ある国際政治経済学部や文学部の英米文学科に加えて、さまざまな分野を学べる総合文化政策学部が支持を集めている。
「箱根駅伝で優勝するたびに、青学の知名度は高まってきました。この追い風に乗れれば、文武ともに明治を抜き去る可能性も否定できません」(追手門学院大学客員教授の西田浩史氏)
3番手の立教は、高い偏差値を誇る異文化コミュニケーション学部と経営学部を擁していて、上智はおろか早慶の下位学部と並ぶ。
「GMARCHの中でも、上位3校と下位3校の間には明らかな壁があります。たとえば立教と中央、法政に合格した場合、立教を蹴る人はまずいません」(西田氏)
4位の座に甘んじてきた中央だが、飛躍の兆しが見えてきている。2023年4月に法学部を茗荷谷キャンパスに移したことが功を奏しつつあるのだ。
「かつて中央の法学部は早慶以上のブランドがあり、東大よりも司法試験の合格者が多かったものの、1978年に多摩キャンパスに移転し偏差値が低迷したのです。都心に移ったことで、大学側も優秀な学生が集まるのを期待しているでしょう」(教育ジャーナリストの小林哲夫氏)
すでに上智の法学部などを蹴って中央法に進学する受験生も出てきており、これからさらなる躍進が期待できる。
それに続く法政は苦境にあえいでいて、グローバル教養学部はマーチトップクラスの難易度を誇るものの、それ以外は上位との差がじりじりと広がっている。法政経済学部OBの30代男性が自嘲気味に話す。
「そもそも第一志望で法政に入った人間なんて数えるほどしかいません。私も含めて早慶か明治に落ちてしまい、滑り止めで受かったから法政を選んだだけ。自宅から1時間半かけて多摩キャンパスまで通学するたびに、『もう少し受験勉強しておけばよかった』と後悔しましたね」
「週刊現代」2024年2月24日・3月2日合併号より
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