日本では当たり前だと思っていることが、意外と海外では常識ではなかったということがありませんか? 今回は、日本と違う海外の食事事情をまとめて紹介します。
結婚、子育て、離婚、病気の発症を経て、昨年53歳でスペインへの単身留学を楽しんでいるRitaさん。美食大国スペインの食事情について教えてくれました。●スペイン人は「1日に5食」食べる「スペイン人は1日に5食を食べる」と言われています。たとえば1日はこのようなサイクルです。8:00 朝食1回目 パン類+コーヒー類(サラダや卵などはなし)11:00 朝食2回目 ボカディージョ、ドーナツ、果物

14:30 昼食 しっかりした食事、コース料理も多く一日のメイン18:00 夕食1回目 生ハム、チーズ、果物21:30 夕食2回目 オムレツ、コロッケ、肉・魚料理日本人のスケジュールを伝えると必ず「12時にお昼を食べて19時頃までなにも食べないの?」と驚かれます。数時間ごとにおいしいものを求めて過ごすのがスペイン流なんですね。なおレストランは16時過ぎに一旦閉まり、20時頃再オープンする店舗が多く、不慣れな頃は18時過ぎに訪ねて、お休みと勘違いしたことがよくありました。●スペインの朝食は甘味たっぷり朝食で人気なのは「チョコラテ・コン・チュロス」。チュロスといえばテーマパークで食べる“おやつ”のイメージがありましたが、スペインは朝食の定番です。カウンターで新聞を読みながら、チョコラテに浸したチュロスを楽しむ…そんな年配男性の姿もよく見かけます。以前のホームステイ先のママは、留学生が帰国する度に朝からたくさんのチュロスを手づくりしてくれました。チュロスは地域ごとに味・硬さ・形に違いがあり、各地を訪ねる度に食べ比べすることも楽しみの一つです。グルメの国フランスの「夕食事情」日本とフランスの夕食事情はどう違うのか、フランス生活文化研究・翻訳者のペレ信子さんが教えてくれました。フランス人の毎日のごはんはフルコースなのか? いいえ、じつは意外に質素なのです。一汁三菜が和食の基本と言われますが、毎日たくさんのおかずを考えるのもつくるのも大変なもの。最近では土井善晴さんの「一汁一菜」という提案で救われた気持ちになった人も多いはず。グルメな国、フランスの人たちは、レストランのようなフルコースを毎日食べているのでしょうか? フランスのおかず事情を紹介します。●平日はワンプレート、ごちそうは週末日本では今日は和食、明日は中華、そしてその次の日は洋食、などとバラエティに富んだ食生活をしていますが、フランスは少し違います。基本的には平日は変わり映えしない料理が毎日並び、ごちそうは週末に、というスタンスです。なので、基本ワンプレート。平日の平均的な夜ごはんは、伝統的な家庭の場合は野菜スープにチーズとハムやサラミ。もう少し若い家庭なら、ソーセージや肉を焼いたものに野菜のつけ合わせやエスニックな一皿。もしくは、冷凍食品を利用したキッシュにサラダ、魚料理に野菜を添えて、という感じ。冷凍食品に対する後ろめたさはまったくありません。つけ合わせの野菜だって1種類! インゲン豆の季節だったら、インゲン豆をこれでもか、というほど食べるのです。1週間を通していろんなものを食べればOKという考え。かつて日本で1日30品目と推奨されていましたが、それも今はなるべくいろんな種類を食べようというところで落ち着いたみたいですね。●毎日の食卓のバラエティよりも夜の時間を楽しくが大切私もフランスに住んでいるときは、月~木は同じものを食べていました。そして金曜日の夜から少しがんばっておいしいものをつくりました。献立に頭を悩まして、消耗するよりも、毎日変わり映えしない食事でも夜の時間をゆったりと過ごす方に重きをおく。こんな考え方を今日のおかずに悩む人に贈ります。手の込んだおかずは必要ない、アメリカの「お弁当事情」アメリカ・シアトルに住んで20年、子育てに奮闘するライターのNorikoさんに、「アメリカのお弁当事情」について教えてもらいました。地域で異なりますが、私の住むシアトルの公立校では、給食を買うか、弁当を持参するかは選択制。小学校の給食は1食3.25ドル(約430円)で、料金は前払いしてあるお金から引かれます。現金を持っていくと新たにチャージすることもできます。日替わりのピザやベーグル、パスタなど2、3種類から選べ、牛乳やフルーツつき。ちなみに低所得家庭の子どもは給食が無料で、コロナ禍の2年間は全家庭の子どもが無料となっていました。●アメリカの小学生の“理想のお弁当”給食、お弁当、どちらにしても日本の学校のように教室では食べず、カフェテリアに移動して好きな席に座り、それぞれ友だちと一緒にランチを取ります。日本の大学の学食や社員食堂のスタイルと同じですね。給食は専属スタッフが用意したものを受け取るだけなので、給食当番もありません。日本の学校とは、かなり違うなぁと感じるのが、そのランチ時間の短さです。教室、カフェテリア間の移動もあり、食べてすぐに昼休みの外遊びが始まるため、実質15分くらいしかありません。しかも、小学低学年まではスナックタイムと呼ばれるおやつの時間(これは持参したおやつを教室で食べる)が午前中にあり、子どもがそんなにすぐおなかがすくはずもなく…。そう、子どもは食べたいものだけ先に食べ、苦手なものをあと回しにすることで「時間がなくて食べられなかった」と残してしまう大問題が発生! 給食もお弁当も、残ったらゴミ箱に捨てられてしまうので、親はその事実を知るよしもありません。というわけで、手の込んだおかずをいろいろつめた「愛情弁当」は、そもそも全部味わって、ゆっくり食べている時間がないのです。手づかみ上等、シンプルイズベスト。これが食品ロスもない、親の手間暇も無駄にならない、アメリカの小学生に求められている理想のお弁当と言えます。●家にあるものをつめるだけ!それでは、アメリカではお弁当になにを持って行けばいいのでしょうか? 園児から小学生、さらに中高生、そして大人も、基本はサンドイッチでOKのようです。アメリカでのサンドイッチは、日本のおにぎり的存在と言えるかもしれません。たしかにおにぎり同様、具材はなんでも、その日に家にあるものを入れられますしね。昔からの定番は、「PB&J」と呼ばれるピーナツバターとジェリー(ゼリータイプのジャム)を塗ったサンドイッチ。日本のジャムバターサンド的なものですね。ただ、最近は子どものアレルギー対策からナッツ禁止の小学校が増えており、甘いものはよろしくないという昨今の健康志向もあって、その姿を消しつつあります。フィンランドの「おやつ事情」北欧好きが高じ、いつかフィンランドに移住したいと会社員を続けながら寿司修業を始めた、週末北欧部 chikaさん。フィンランドのおやつ事情をお聞きしました。●パンケーキはだれかと一緒にフィンランドでも、パンケーキは家庭おやつの定番です。生地は薄く、ベリーやはちみつ、ジャムなどをのせるのが定番です。
結婚、子育て、離婚、病気の発症を経て、昨年53歳でスペインへの単身留学を楽しんでいるRitaさん。美食大国スペインの食事情について教えてくれました。
「スペイン人は1日に5食を食べる」と言われています。たとえば1日はこのようなサイクルです。8:00 朝食1回目 パン類+コーヒー類(サラダや卵などはなし)11:00 朝食2回目 ボカディージョ、ドーナツ、果物
14:30 昼食 しっかりした食事、コース料理も多く一日のメイン18:00 夕食1回目 生ハム、チーズ、果物21:30 夕食2回目 オムレツ、コロッケ、肉・魚料理
日本人のスケジュールを伝えると必ず「12時にお昼を食べて19時頃までなにも食べないの?」と驚かれます。数時間ごとにおいしいものを求めて過ごすのがスペイン流なんですね。
なおレストランは16時過ぎに一旦閉まり、20時頃再オープンする店舗が多く、不慣れな頃は18時過ぎに訪ねて、お休みと勘違いしたことがよくありました。
朝食で人気なのは「チョコラテ・コン・チュロス」。チュロスといえばテーマパークで食べる“おやつ”のイメージがありましたが、スペインは朝食の定番です。カウンターで新聞を読みながら、チョコラテに浸したチュロスを楽しむ…そんな年配男性の姿もよく見かけます。
以前のホームステイ先のママは、留学生が帰国する度に朝からたくさんのチュロスを手づくりしてくれました。チュロスは地域ごとに味・硬さ・形に違いがあり、各地を訪ねる度に食べ比べすることも楽しみの一つです。
日本とフランスの夕食事情はどう違うのか、フランス生活文化研究・翻訳者のペレ信子さんが教えてくれました。
フランス人の毎日のごはんはフルコースなのか? いいえ、じつは意外に質素なのです。一汁三菜が和食の基本と言われますが、毎日たくさんのおかずを考えるのもつくるのも大変なもの。最近では土井善晴さんの「一汁一菜」という提案で救われた気持ちになった人も多いはず。
グルメな国、フランスの人たちは、レストランのようなフルコースを毎日食べているのでしょうか? フランスのおかず事情を紹介します。
日本では今日は和食、明日は中華、そしてその次の日は洋食、などとバラエティに富んだ食生活をしていますが、フランスは少し違います。基本的には平日は変わり映えしない料理が毎日並び、ごちそうは週末に、というスタンスです。なので、基本ワンプレート。
平日の平均的な夜ごはんは、伝統的な家庭の場合は野菜スープにチーズとハムやサラミ。もう少し若い家庭なら、ソーセージや肉を焼いたものに野菜のつけ合わせやエスニックな一皿。もしくは、冷凍食品を利用したキッシュにサラダ、魚料理に野菜を添えて、という感じ。
冷凍食品に対する後ろめたさはまったくありません。つけ合わせの野菜だって1種類! インゲン豆の季節だったら、インゲン豆をこれでもか、というほど食べるのです。1週間を通していろんなものを食べればOKという考え。かつて日本で1日30品目と推奨されていましたが、それも今はなるべくいろんな種類を食べようというところで落ち着いたみたいですね。
私もフランスに住んでいるときは、月~木は同じものを食べていました。そして金曜日の夜から少しがんばっておいしいものをつくりました。献立に頭を悩まして、消耗するよりも、毎日変わり映えしない食事でも夜の時間をゆったりと過ごす方に重きをおく。こんな考え方を今日のおかずに悩む人に贈ります。
アメリカ・シアトルに住んで20年、子育てに奮闘するライターのNorikoさんに、「アメリカのお弁当事情」について教えてもらいました。
地域で異なりますが、私の住むシアトルの公立校では、給食を買うか、弁当を持参するかは選択制。小学校の給食は1食3.25ドル(約430円)で、料金は前払いしてあるお金から引かれます。現金を持っていくと新たにチャージすることもできます。日替わりのピザやベーグル、パスタなど2、3種類から選べ、牛乳やフルーツつき。ちなみに低所得家庭の子どもは給食が無料で、コロナ禍の2年間は全家庭の子どもが無料となっていました。
給食、お弁当、どちらにしても日本の学校のように教室では食べず、カフェテリアに移動して好きな席に座り、それぞれ友だちと一緒にランチを取ります。日本の大学の学食や社員食堂のスタイルと同じですね。給食は専属スタッフが用意したものを受け取るだけなので、給食当番もありません。
日本の学校とは、かなり違うなぁと感じるのが、そのランチ時間の短さです。教室、カフェテリア間の移動もあり、食べてすぐに昼休みの外遊びが始まるため、実質15分くらいしかありません。しかも、小学低学年まではスナックタイムと呼ばれるおやつの時間(これは持参したおやつを教室で食べる)が午前中にあり、子どもがそんなにすぐおなかがすくはずもなく…。
そう、子どもは食べたいものだけ先に食べ、苦手なものをあと回しにすることで「時間がなくて食べられなかった」と残してしまう大問題が発生! 給食もお弁当も、残ったらゴミ箱に捨てられてしまうので、親はその事実を知るよしもありません。
というわけで、手の込んだおかずをいろいろつめた「愛情弁当」は、そもそも全部味わって、ゆっくり食べている時間がないのです。手づかみ上等、シンプルイズベスト。これが食品ロスもない、親の手間暇も無駄にならない、アメリカの小学生に求められている理想のお弁当と言えます。
それでは、アメリカではお弁当になにを持って行けばいいのでしょうか? 園児から小学生、さらに中高生、そして大人も、基本はサンドイッチでOKのようです。アメリカでのサンドイッチは、日本のおにぎり的存在と言えるかもしれません。たしかにおにぎり同様、具材はなんでも、その日に家にあるものを入れられますしね。
昔からの定番は、「PB&J」と呼ばれるピーナツバターとジェリー(ゼリータイプのジャム)を塗ったサンドイッチ。日本のジャムバターサンド的なものですね。ただ、最近は子どものアレルギー対策からナッツ禁止の小学校が増えており、甘いものはよろしくないという昨今の健康志向もあって、その姿を消しつつあります。
北欧好きが高じ、いつかフィンランドに移住したいと会社員を続けながら寿司修業を始めた、週末北欧部 chikaさん。フィンランドのおやつ事情をお聞きしました。
フィンランドでも、パンケーキは家庭おやつの定番です。
生地は薄く、ベリーやはちみつ、ジャムなどをのせるのが定番です。