田中真紀子元外相が8日、国会内で開かれた「今こそ政治改革~政治とカネ」で、夫の田中直紀元防衛相と一緒に出席し講演を行った。
11年ぶりに政界の土を踏んだという真紀子氏は冒頭で、父の田中角栄氏が1972年に出版した「日本列島改造論」の復刻版を51年ぶりに出したと明かした。
「出版社の社長さんから『出しましょう!と世間からの要求がありますよ』という話が合ったんですが、私は『今さら田中角栄ではなかろうと』と思っていたんですが、この10年間の政治状況をみていて日本の政治、国民政治に対する意識、投票率の低さ、世界がこれだけ複雑に動いていて、その中で日本は立ちすくんでいる。これは大変なことになると思い、こちらからお願いして51年前の本を復刻しました。初版から行くと、100万部になると聞きました。みんなが政治に飢えているからなんだと思います」
真紀子氏は政界を揺るがす政治資金パーティー券問題にも言及。自民党最大派閥の「清和政策研究会」(安倍派)で事務総長を務めた松野博一官房長官が、1000万円を超える「裏金」のキックバッグを政治資金収支報告書に記載していない疑惑についても発言した。
「(政治家は)民主主義が言論ですから、言葉でもってどれだけわかりやすく命がけでしゃべるかなんですよ。しゃべらないで『答弁を差し控えさせていただきます』と。差し控えるのは、やましいから答えられないってことでしょう。国民はバカじゃないです。そんなすっとぼけた言葉を使っちゃダメ!」
久しぶりに公の場に姿を見せた理由は、政界の狎治とカネ瓩量簑蠅鮗けてのことなのか、それとも12月16日に角栄氏の没後30年に合わせたタイミングで会見を開いたのか。
真紀子氏は「父の命日が19日にありますけども関係ありません。主権者たる国民がみんな選挙したくないという声が多いんです。自民で世襲の問題が起こってもなんにしても、野党がだらしないから(選挙で)自民党に入れる。これがダメなんです。私は何党の応援をしているわけではないんですよ。野党を育てるのは国民なんです。有権者が『最後は自民党』ということに私はガッカリします」と語った。