2023年 12月 の投稿一覧

今年8月、鳥取県米子市祇園町の荒川泰子さん（59）が自宅を出たまま行方不明になった。物の名前や意味がわからなくなる意味性認知症と診断され、夫の勉さん（64）が身の回りの世話をしていた。直後には島根県安来市や松江市で目撃情報があったが、それも途絶えてしまい、勉さんは顔写真を載せたチラシをコンビニやスーパーに持ち込み、捜索を続けている。
【写真】行方不明になっている荒川泰子さん 泰子さんがいなくなったのは8月8日（火）。勉さんが午前7時ごろに起きると姿はなく、靴もなくなっていた。毎週火曜は一緒にJR米子駅前に買い物に出かけていたので、「スーパーにでも行ったのかな」と思って待ったが昼になっても戻らず、県警米子署に届け出た。市の防災無線でも情報提供を呼びかけたが、手がかりはなかった。

泰子さんは2018年ごろから物忘れが激しくなり、21年に鳥取大病院で意味性認知症と診断された。最近は投薬治療を受ける一方、デイサービスに通っていた。勉さんは介護に専念しようと、食品製造工場を7月に辞めたばかりだった。 泰子さんは身長155センチ。当日の服装はTシャツに膝丈の黒色パンツ。黒色の革靴をはき、腕時計を身につけ、愛用のショルダーバッグを持って出たとみられる。 足取りについての情報はこれまでに数件あり、8月8日午前6時ごろ、自宅近くの国道9号沿いにある店舗など2カ所の防犯カメラに、西に向かって歩く姿が記録されていた。国道9号を西に約10キロの安来市上坂田町では、泰子さんに似た女性が民家の庭に入り込み、家人が声をかけると立ち去ったとの情報もある。 さらに8月11日午前2時ごろ、松江市嫁島町の宍道湖沿いで「似た女性が歩いていた」という情報が勉さんのX（旧ツイッター）に寄せられた。勉さんは「出身地で実家がある松江市を目指した可能性がある。松江までは30キロあり、普通なら歩かないが、距離もわからないまま歩いて行ったのかも」と推測する。 Xには、10月30日午後4時ごろ、松江市玉湯町林の国道9号を走っていた運転手から「似た女性が歩いていた」という投稿もあった。ドライブレコーダーの映像も添えられていた。宍道湖岸とJR山陰線の線路に挟まれた片側1車線の直線で、線路側には歩道があるが、女性が歩いていた湖岸側にはない。地元住民が「通学中の中学生が自転車で通るくらいで、歩行者は見かけない」という場所。映像で女性の顔ははっきりとわからないが、勉さんは「交通量も多く、危険な車道を通常ならわざわざ歩かない。本人の可能性がある」とみる。 時折、付近を訪れ、数時間ほど張り込みを続けている。「映像の女性が妻なのかを確かめたい。今はこれくらいしかできることがないので……」 米子市から松江市の国道9号沿いのスーパーやガソリンスタンド、タクシー会社などにチラシを持ち込み、掲示を依頼している。「一体どこでどうしているのやら。これから寒くなるので、早く見つけてやりたい。とにかく無事に帰ってきてほしい」と願う。【山田泰正】
泰子さんがいなくなったのは8月8日（火）。勉さんが午前7時ごろに起きると姿はなく、靴もなくなっていた。毎週火曜は一緒にJR米子駅前に買い物に出かけていたので、「スーパーにでも行ったのかな」と思って待ったが昼になっても戻らず、県警米子署に届け出た。市の防災無線でも情報提供を呼びかけたが、手がかりはなかった。
泰子さんは2018年ごろから物忘れが激しくなり、21年に鳥取大病院で意味性認知症と診断された。最近は投薬治療を受ける一方、デイサービスに通っていた。勉さんは介護に専念しようと、食品製造工場を7月に辞めたばかりだった。
泰子さんは身長155センチ。当日の服装はTシャツに膝丈の黒色パンツ。黒色の革靴をはき、腕時計を身につけ、愛用のショルダーバッグを持って出たとみられる。
足取りについての情報はこれまでに数件あり、8月8日午前6時ごろ、自宅近くの国道9号沿いにある店舗など2カ所の防犯カメラに、西に向かって歩く姿が記録されていた。国道9号を西に約10キロの安来市上坂田町では、泰子さんに似た女性が民家の庭に入り込み、家人が声をかけると立ち去ったとの情報もある。
さらに8月11日午前2時ごろ、松江市嫁島町の宍道湖沿いで「似た女性が歩いていた」という情報が勉さんのX（旧ツイッター）に寄せられた。勉さんは「出身地で実家がある松江市を目指した可能性がある。松江までは30キロあり、普通なら歩かないが、距離もわからないまま歩いて行ったのかも」と推測する。
Xには、10月30日午後4時ごろ、松江市玉湯町林の国道9号を走っていた運転手から「似た女性が歩いていた」という投稿もあった。ドライブレコーダーの映像も添えられていた。宍道湖岸とJR山陰線の線路に挟まれた片側1車線の直線で、線路側には歩道があるが、女性が歩いていた湖岸側にはない。地元住民が「通学中の中学生が自転車で通るくらいで、歩行者は見かけない」という場所。映像で女性の顔ははっきりとわからないが、勉さんは「交通量も多く、危険な車道を通常ならわざわざ歩かない。本人の可能性がある」とみる。
時折、付近を訪れ、数時間ほど張り込みを続けている。「映像の女性が妻なのかを確かめたい。今はこれくらいしかできることがないので……」
米子市から松江市の国道9号沿いのスーパーやガソリンスタンド、タクシー会社などにチラシを持ち込み、掲示を依頼している。「一体どこでどうしているのやら。これから寒くなるので、早く見つけてやりたい。とにかく無事に帰ってきてほしい」と願う。【山田泰正】