動画の生配信をしていた男性が、路上で「寝落ち」してしまったところ、財布とスマートフォンを盗まれた。盗難被害にあった男性が取材に応じ、苦境を語った。【映像】スマホを盗んだ犯人たちの会話 横浜市内の路上で、生配信中に泥酔して寝てしまった男性。配信されているにもかかわらず、その目の前で財布が抜き取られた。さらに生配信中のスマホまで盗まれる。犯人は生配信されていることに気づかず、そのまま逃走した。
スマホが盗まれた後も生配信は続き、窃盗を働いた男と指示役と見られる男の「金入ってた?」「全然ない」といったやりとりも、顔が出たまま記録されていた。指示役が視聴者コメントに気づいたのか、「なに通報するって?」と口にしたところで、配信は止められた。赤裸々に映像に記録されていた窃盗グループの存在。 まるでドラマのような展開に、ネットでは「ニュースで見たけど出来過ぎじゃない?」「本当ならなぜ犯人たちは生配信に気づかない?」「自作自演だろ」と、やらせ疑惑も上がった。事件から約1カ月、被害男性に真相を聞いた。「『これやらせじゃないの?』と言ってくる人もいる。趣味で字幕入れたりしていて、ただ見やすくしただけっていう意識。キレイに犯人の顔が写っていて、どう見てもうまく撮れすぎている。僕が見ても驚いているくらい」(被害男性) やらせを疑う声のほか、「寝ているほうが悪い」といった反応もあるという。ではその日何が起きたのか、本人の証言をもとに振り返ってみる。 10月1日、友人と野球観戦した後の男性は、JR桜木町駅近くの路上で、酔った勢いで路上生配信を始めた。しかし開始7分後に寝落ち、それから12分後に財布を盗まれる。さらに、財布盗難から1時間15分後、スマホも奪われる。窃盗犯はすぐさま、運転役とみられる人物と合流した。
配信に気づかない実行犯は、スマホをのぞき込む。視聴者からは「生配信されてるよ?」とのコメントが入っていたが、犯行グループは焦っていたのか、デジタルに疎いのか、生配信されていることに気づかず、そのまま配信は続いた。 のちにパソコンで配信履歴を見た被害者は「どこまで続くのかなと思って、切るかなと思ったら切らない。配信画面なんで気づくはず。『ロックされてる』みたいなことを言っていたので、ロックされたままの状態で、奇跡的に配信が続いていたのかな」と推測する。盗まれたスマホは、指示役とみられる男が待つホテルに、財布が届けられるシーンもおさえていた。「映像を見る限り、犯人の年代が若く見積もっても40代くらい。40歳、50歳の人がこんなことをやらないとお金にならない。日本は本当に景気悪いんだなと感じた」(被害男性) 盗難されたのは、現金約2万円と免許証、キャッシュカード、マイナンバーカード、スマートフォン。スマホもまだ戻ってきていない。男性にその後の生活を聞いてみると、いまは住む家がないという。「盗まれる直後に引っ越し予定だったが、取りやめにした。個人情報を持っていかれている。捕まえたいと思って、顔をさらして情報に信憑性を持たせて動画を流していた。その手の組織の関係者に目をつけられて、何かされたら嫌だなっていう予感があった」(被害男性) 男性は引っ越しを断念した一方、当時の部屋は引き払う手続きをしていたことから、住む家がなくなってしまった。「寝袋やら何やらあるので、車で寝ようと思えば寝られる。ネットカフェ使ったりとか、ホテル使ったりとか、この2~3週間、僕の居所が把握されないように。大変は大変だけど、しょうがない。身を移して、そこがバレても嫌。『寝てるほうが悪い、盗るほうも悪い』百も承知の上で、それより早く根絶しないと増えるよ、というメッセージを流したい。だから全く後悔はない」(被害男性)(『ABEMA的ニュースショー』より)