11月1日からLINEの使用規約が変わり、ヤクザ業界がその対応に追われているという。実際、6代目山口組の本部からLINEに関する通達が出回っているようだ。
【写真を見る】銀座ホステスらと共に司忍組長の誕生日会を祝った高山若頭 LINEの月間利用者数は9500万人に達しており、電気ガス水道とまでは言わないが、それに準ずる存在と言ってよいだろう。 そのLINEの使用規約が11月1日から変わり、新しい規約には、「当社は、反社会的勢力の構成員(過去に構成員であった方を含みます。)およびその関係者の方や、当社サービスを悪用したり、第三者に迷惑をかけたりするようなお客様に対してはご利用をお断りしています」とある。要するに「反社は使うな」ということのようだ。これは昨今の情勢を踏まえれば企業としては当然の姿勢とみることもできるだろう。しかし利用する側のダメージは大きい。

6代目山口組の司忍組長「当然ヤクザの間でもLINEでやり取りすることが多く、今回の規約改定を受けて使用をストップする人も出てくるとは思います。何かのトラブルや犯罪に絡んで事情聴取を受ける際に携帯電話を捜査当局に提出し、そこでLINEの使用がバレたりしたら具合が悪いですからね」 と、担当記者。本部からの通達は? 6代目山口組からも動きがあったという。「本部から“LINEを使わないように”との通達があったと聞いています」 と、竹垣悟氏(元山口組系義竜会会長で、現在はNPO法人「五仁會」を主宰)。「LINEを使っているだけでただちに身柄を拘束されるというようなことはないでしょうが、使わないでいた方がよいし、代替アプリもあるのならそうした方がよいという判断でしょう。通信手段にまで通達が出るというのはこれまでもちろんありませんから、異例の事態に違いありません」(同) 特殊詐欺をめぐって「現場担当」をリクルートするための闇バイトをSNS経由で募集することが常態化していたのはすでに周知の事実だろう。「特殊詐欺グループはLINEとは違うアプリを使うことが多いようですが、今回のLINE案件とグループの暗躍とは無関係とは思えないですね」(先の記者)代わりに使うアプリは? 6代目傘下組織の対応はどういったものだろうか?「最中核組織の3代目弘道会はやはり動きが早く、3代目弘道会の中核を担う野内組と稲葉地一家は他に先んじてLINEの使用中止を傘下組員に呼びかけたと聞きました。LINEの代わりに“imo”というアプリを使っている組員もいるとのことです」(先の竹垣氏) いたちごっことまでは行かないが、使用を禁止されればそれだけ、別のアプリに使用者が逃げることは明らかだろう。「今回は当局による方策ではありませんが、引き締め強化によって、一部の組員は地下に潜ったり、抜け道をたどったりするはずです。それはそれで当局にとって大いに脅威となることでしょう」(先の記者) ヤクザの肩書きでホテルに泊まったりゴルフができなかったりする状況になって久しいが、今回のLINEにとどまらず、社会全体の規制は増えていくことになりそうだ。家族や身内とも「秘匿性が高いアプリ」でしかやり取りできないとなれば相当に不便なことだろう。それでもヤクザを続ける意味はどのあたりにあるのだろうか。デイリー新潮編集部
LINEの月間利用者数は9500万人に達しており、電気ガス水道とまでは言わないが、それに準ずる存在と言ってよいだろう。
そのLINEの使用規約が11月1日から変わり、新しい規約には、「当社は、反社会的勢力の構成員(過去に構成員であった方を含みます。)およびその関係者の方や、当社サービスを悪用したり、第三者に迷惑をかけたりするようなお客様に対してはご利用をお断りしています」とある。要するに「反社は使うな」ということのようだ。これは昨今の情勢を踏まえれば企業としては当然の姿勢とみることもできるだろう。しかし利用する側のダメージは大きい。
「当然ヤクザの間でもLINEでやり取りすることが多く、今回の規約改定を受けて使用をストップする人も出てくるとは思います。何かのトラブルや犯罪に絡んで事情聴取を受ける際に携帯電話を捜査当局に提出し、そこでLINEの使用がバレたりしたら具合が悪いですからね」
と、担当記者。
6代目山口組からも動きがあったという。
「本部から“LINEを使わないように”との通達があったと聞いています」
と、竹垣悟氏(元山口組系義竜会会長で、現在はNPO法人「五仁會」を主宰)。
「LINEを使っているだけでただちに身柄を拘束されるというようなことはないでしょうが、使わないでいた方がよいし、代替アプリもあるのならそうした方がよいという判断でしょう。通信手段にまで通達が出るというのはこれまでもちろんありませんから、異例の事態に違いありません」(同)
特殊詐欺をめぐって「現場担当」をリクルートするための闇バイトをSNS経由で募集することが常態化していたのはすでに周知の事実だろう。
「特殊詐欺グループはLINEとは違うアプリを使うことが多いようですが、今回のLINE案件とグループの暗躍とは無関係とは思えないですね」(先の記者)
6代目傘下組織の対応はどういったものだろうか?
「最中核組織の3代目弘道会はやはり動きが早く、3代目弘道会の中核を担う野内組と稲葉地一家は他に先んじてLINEの使用中止を傘下組員に呼びかけたと聞きました。LINEの代わりに“imo”というアプリを使っている組員もいるとのことです」(先の竹垣氏)
いたちごっことまでは行かないが、使用を禁止されればそれだけ、別のアプリに使用者が逃げることは明らかだろう。
「今回は当局による方策ではありませんが、引き締め強化によって、一部の組員は地下に潜ったり、抜け道をたどったりするはずです。それはそれで当局にとって大いに脅威となることでしょう」(先の記者)
ヤクザの肩書きでホテルに泊まったりゴルフができなかったりする状況になって久しいが、今回のLINEにとどまらず、社会全体の規制は増えていくことになりそうだ。家族や身内とも「秘匿性が高いアプリ」でしかやり取りできないとなれば相当に不便なことだろう。それでもヤクザを続ける意味はどのあたりにあるのだろうか。
デイリー新潮編集部