政府が検討していたホタテ貝の殻むきを、刑務作業の一環として受刑者に担ってもらう案を見送ることが27日、分かった。
政府は中国による日本産水産物の全面輸入停止で、中国を経由せずに輸出できるよう国内の加工体制を強化する方針。しかし、米国やカナダなどでは人権上の配慮から刑務作業で造られた産品の輸入を禁じていることが判明したという。
宮下一郎農林水産相が同日、閣議後記者会見で「適切な輸出先の転換を推進する観点から困難という結論になった」と明らかにした。
ホタテは中国でむき身加工された後に米国に輸出されるケースも多かった。国内の加工体制強化に向け、殻むき作業の人員不足への対策として、法務省と農水省は受刑者の刑務作業に加える案を検討していた。