一昨年5月、石川県能登町で鉄塔を建て替える工事をしていた作業員が作業中に左手の親指を切断したにも関わらず届け出をしなかったとして、穴水労働基準監督署は5日、京都市の「テックヤマダ」と代表取締役の男性ら3人を金沢地検に書類送致しました。
労働安全衛生法違反の疑いで書類送検されたのは、送電線工事などを行う京都市の「テックヤマダ」と、代表取締役の男性(45)、それに工事現場の責任者の男性(36)と副責任者の男性(62)の3人です。
3人は一昨年5月、能登町の山中で鉄塔の建て替え工事をしていた20代の男性作業員が作業中に左手の親指を切断する事故があったにもかかわらず、必要な報告書類を期限内に労働基準監督署に届け出なかった「労災かくし」の疑いが持たれています。
男性作業員から今年4月に入り、労働基準監督署に電話で相談が寄せられ、被害が発覚。その後、捜査が進んだ今年6月下旬になって会社から必要な書類の提出があったということです。
石川県内では2019年4月以降「労災かくし」が7件確認されていて、石川労働局は今後も労災かくしが明らかになった場合には送検などの司法処分を含め厳正に対処するとしています。