東京・足立区の寺の納骨堂で練炭に火をつけたまま放置し、70歳の住職を一酸化炭素中毒に陥らせて殺害したとして、警視庁が、石材店の社長ら男女2人を逮捕する方針を固めたことがわかりました。
捜査関係者によりますと、警視庁が殺人などの疑いできょう逮捕する方針を固めたのは、石材店の社長の男(50代)と取締役の女(60代)の2人です。
男らは今年7月下旬、東京・足立区入谷の源証寺にある霊園の地下納骨堂に侵入し、火をつけた練炭を放置し、翌日の朝、納骨堂に入った住職の大谷忍昌さん(70)を一酸化炭素中毒に陥らせて殺害した疑いがもたれています。
大谷さんは死亡した日の朝、納骨堂で床に倒れた状態の卒塔婆2つの上に、焼け跡のある練炭28個が並べられているのに気付き、練炭を片付けるために妻(当時60代)を呼んだ後、意識を失って倒れたということです。
大谷さんを助けようとした妻と次女(40代)、孫(10代)も体調不良を訴え、大谷さんとともに病院に搬送されましたが、大谷さんはその後、死亡が確認され、ほかの3人は命に別状ありませんでした。
事件の前夜、現場付近の防犯カメラに寺の敷地内を照らす不審な灯りと、周辺を行き来する乗用車が写っていたことから、男らの関与が浮上。その後の捜査で、男らが事件前に大量の練炭を入手していたことが判明したということです。
HPによりますと、男の会社は源証寺の指定石材店で、2020年に完成した、寺が管理する霊園の開発にも携わっていて、死亡した大谷さんと仕事上の付き合いがあったとみられています。
警視庁は、男らが大谷さんと何らかのトラブルを抱え強い殺意を持って計画的に犯行に及んだとみていて、手口を詳しく調べ、動機を追及する方針です。