体調不良で休養している「EXILE」のATSUSHIさんが9月27日、「ライム病」に罹っていることを、Instagramのライブ配信で明かした。ATSUSHIさんは3月の会食後に不調を感じ、一酸化炭素中毒の疑いからくる体調不良で休養中。配信では後遺症として、めまい、吐き気、頭痛に悩まされ、メニエール病も誘発していたことを語った。その後、クリニックで複数の検査を受けたところ「ライム病」や「ピロリ菌」などに感染していたことが判明。体調不良の原因となっている可能性があることがわかったという。

「体調の波がすごいあって。気分で言っているわけではなくて、本当にやるぞって覚悟を決めているのに体調が落ちてしまうことが何度もあって…」(ATSUSHIさん)現在は服薬での治療を開始しているといい「温かく見守っていただけるとうれしい」とメッセージを送っていたが、ライム病はどのような病気なのだろうか。武蔵小山皮フ科形成外科(東京・品川区)の田代絢亮院長に聞いた。体長3mmほどのマダニを媒介して感染――ライム病はどんな病気?病名の由来は?マダニに刺されることで発症する、人獣共通の感染症です。インフルエンザのような症状にはじまり、神経症状や心疾患、目の異常、関節炎や筋炎といった症状が時間とともに全身に広がっていきます。病名は1975年、アメリカのコネチカット州ライムで初めて報告されたことに由来します。北アメリカやヨーロッパでの報告が多い疾患ですが、中国や日本でも感染者が出ています。――感染源はどんなものになるの?ライム病ボレリアという菌になります。ノネズミや小鳥などが保菌し、ヒトにはマダニを媒介して感染します。日本でライム病を媒介するのは、シュルツェマダニという種類です。体長は3mmほどで北日本や山間部に多く生息しているとされています。登山や森林を歩く際は、注意してください。――症状はどんなものが出る?感染時期で症状が変わり、適切な治療を受けないと症状が進行していきます。感染初期(数日後~2週間ほど)は刺された部分が赤くふくらんできます。赤いふくらみは拡大し、10cmを超えることもあります。これは「遊走性紅斑」と呼ばれ、特徴的な初期症状です。筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、倦怠感といったインフルエンザのような症状がでることもあります。適切な治療を受けないと、播種期(数週~数カ月後)に移行することがあります。皮膚で増殖したライム病ボレリアがリンパや血液の流れに乗り、全身に広がっていきます。到達した先の臓器で、以下のような症状を引き起こすことがあります。(1)皮膚:二次性遊走性紅斑やボレリアリンパ球腫(2)神経:髄膜炎や脳神経炎、神経根炎、顔面神経麻痺といった神経症状(3)心臓:不整脈や心筋炎などの心疾患(4)目:結膜炎や角膜炎(5)骨や筋肉:関節炎、筋炎感染後期(数カ月~数年後)になると、播種期の症状に加え、慢性萎縮性肢端皮膚炎(四肢の外側の皮膚がひだ状になる病気)などの皮膚症状、慢性脳脊髄炎、慢性髄膜炎、ひどい腫れや痛みを伴う慢性関節炎が起こることもあります。――二次的な感染が起きることはあるの?ヒトからヒトへうつることはありません。早期の発見と治療が重要――ライム病はどのように診断されるの?問診や検査によって行われます。マダニとの接触が判明し、特徴的な遊走性紅斑がみられる場合には、ライム病と考えて治療を開始します。確定診断には、保健所を通じて検査を依頼し、国立感染症研究所で検査を実施する必要があります。そのため、時間がかかります。――治療はどのように進めるの?感染初期には抗生物質による治療を行います。治療が遅れると重症化や後遺症が残る場合があるので、早期発見・早期治療が重要です。感染中期~後期の中枢神経症状や心筋炎、関節炎などの症状には、それぞれの専門科の治療が必要になります。――ライム病の感染を防ぐためのポイントは?マダニに刺されないことが何よりの予防法です。野山に出かける際は虫除け剤を使用し、草原や森林地帯を避けましょう。服装も重要です。長袖長ズボンで皮膚の露出を避ける、服のすそをズボンや靴に入れる、首にタオルを巻くなどして、マダニの付着を防ぎましょう。――感染が疑われたら感じたらどうすればいい?マダニに噛まれたら、まずは皮膚科クリニックの受診をしてください。ライム病が疑われるケースでは、それぞれの専門科が揃った大きな病院への紹介が行われることが多いです。ライム病はマダニが感染源で、適切な治療をしなければ症状が進行する可能性もあるという。なお個人差があるため、治療で症状が治まる人もいれば長年苦しんでいる人もいるとのことだ。あまり馴染みのない病気だと思うが、もし似たような症状があり気になる方は診察を受けてみてもいいかもしれない。
体調不良で休養している「EXILE」のATSUSHIさんが9月27日、「ライム病」に罹っていることを、Instagramのライブ配信で明かした。
ATSUSHIさんは3月の会食後に不調を感じ、一酸化炭素中毒の疑いからくる体調不良で休養中。配信では後遺症として、めまい、吐き気、頭痛に悩まされ、メニエール病も誘発していたことを語った。
その後、クリニックで複数の検査を受けたところ「ライム病」や「ピロリ菌」などに感染していたことが判明。体調不良の原因となっている可能性があることがわかったという。
「体調の波がすごいあって。気分で言っているわけではなくて、本当にやるぞって覚悟を決めているのに体調が落ちてしまうことが何度もあって…」(ATSUSHIさん)
現在は服薬での治療を開始しているといい「温かく見守っていただけるとうれしい」とメッセージを送っていたが、ライム病はどのような病気なのだろうか。武蔵小山皮フ科形成外科(東京・品川区)の田代絢亮院長に聞いた。
――ライム病はどんな病気?病名の由来は?
マダニに刺されることで発症する、人獣共通の感染症です。インフルエンザのような症状にはじまり、神経症状や心疾患、目の異常、関節炎や筋炎といった症状が時間とともに全身に広がっていきます。病名は1975年、アメリカのコネチカット州ライムで初めて報告されたことに由来します。北アメリカやヨーロッパでの報告が多い疾患ですが、中国や日本でも感染者が出ています。
――感染源はどんなものになるの?
ライム病ボレリアという菌になります。ノネズミや小鳥などが保菌し、ヒトにはマダニを媒介して感染します。日本でライム病を媒介するのは、シュルツェマダニという種類です。体長は3mmほどで北日本や山間部に多く生息しているとされています。登山や森林を歩く際は、注意してください。
――症状はどんなものが出る?
感染時期で症状が変わり、適切な治療を受けないと症状が進行していきます。感染初期(数日後~2週間ほど)は刺された部分が赤くふくらんできます。赤いふくらみは拡大し、10cmを超えることもあります。これは「遊走性紅斑」と呼ばれ、特徴的な初期症状です。筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、倦怠感といったインフルエンザのような症状がでることもあります。
適切な治療を受けないと、播種期(数週~数カ月後)に移行することがあります。皮膚で増殖したライム病ボレリアがリンパや血液の流れに乗り、全身に広がっていきます。到達した先の臓器で、以下のような症状を引き起こすことがあります。
(1)皮膚:二次性遊走性紅斑やボレリアリンパ球腫(2)神経:髄膜炎や脳神経炎、神経根炎、顔面神経麻痺といった神経症状(3)心臓:不整脈や心筋炎などの心疾患(4)目:結膜炎や角膜炎(5)骨や筋肉:関節炎、筋炎
感染後期(数カ月~数年後)になると、播種期の症状に加え、慢性萎縮性肢端皮膚炎(四肢の外側の皮膚がひだ状になる病気)などの皮膚症状、慢性脳脊髄炎、慢性髄膜炎、ひどい腫れや痛みを伴う慢性関節炎が起こることもあります。
――二次的な感染が起きることはあるの?
ヒトからヒトへうつることはありません。
――ライム病はどのように診断されるの?
問診や検査によって行われます。マダニとの接触が判明し、特徴的な遊走性紅斑がみられる場合には、ライム病と考えて治療を開始します。確定診断には、保健所を通じて検査を依頼し、国立感染症研究所で検査を実施する必要があります。そのため、時間がかかります。
――治療はどのように進めるの?
感染初期には抗生物質による治療を行います。治療が遅れると重症化や後遺症が残る場合があるので、早期発見・早期治療が重要です。感染中期~後期の中枢神経症状や心筋炎、関節炎などの症状には、それぞれの専門科の治療が必要になります。
――ライム病の感染を防ぐためのポイントは?
マダニに刺されないことが何よりの予防法です。野山に出かける際は虫除け剤を使用し、草原や森林地帯を避けましょう。服装も重要です。長袖長ズボンで皮膚の露出を避ける、服のすそをズボンや靴に入れる、首にタオルを巻くなどして、マダニの付着を防ぎましょう。
――感染が疑われたら感じたらどうすればいい?
マダニに噛まれたら、まずは皮膚科クリニックの受診をしてください。ライム病が疑われるケースでは、それぞれの専門科が揃った大きな病院への紹介が行われることが多いです。
ライム病はマダニが感染源で、適切な治療をしなければ症状が進行する可能性もあるという。なお個人差があるため、治療で症状が治まる人もいれば長年苦しんでいる人もいるとのことだ。あまり馴染みのない病気だと思うが、もし似たような症状があり気になる方は診察を受けてみてもいいかもしれない。
ライム病はマダニが感染源で、適切な治療をしなければ症状が進行する可能性もあるという。なお個人差があるため、治療で症状が治まる人もいれば長年苦しんでいる人もいるとのことだ。