富山県高岡市で市長ら6人がアメリカ出張を予定しています。座席が問題で、エコノミーからビジネスクラスに格上げされて、前回は1人およそ31万円だった旅費がおよそ183万円と実に6倍になり、批判の声が上がっています。
■31万円→183万円 旅費6倍に批判
富山県第2の都市・高岡市。市長ら6人によるアメリカ訪問を巡って、一部議員が疑問の声を上げています。
富山・高岡市 石須大雄市議:「ビジネスクラスを利用するということに市民の理解が得られるとは到底思えません」
エコノミークラスよりワンランク上のサービスが受けられ、ゆったりと座れるビジネスクラス。来月9日からアメリカの姉妹都市、フォートウェーン市を訪問する角田悠紀市長(40)らはそのビジネスクラスを利用するのですが…11年前、当時の市長ら15人が参加した前回の訪問では全員がエコノミークラスを利用し、旅費は1人あたりおよそ31万円だったのに対し、今回は人数が6人に減ったものの、そのうちの4人がビジネスクラスに格上げされた結果、旅費は1人あたりおよそ183万円。前回の6倍に跳ね上がっています。
石須市議によると、ビジネスクラスの場合、エコノミークラスより1人あたりおよそ100万円高くなるということです。
■財政難も市長ら“ビジネス格上げ”
高岡市 石須大雄市議:「ただでさえ高岡市は財政難ということで市民の皆さんのサービスを削っている部分が多くあって、また、不便をさせているなかで経費節減と言っている首長が、経費を節減するわけではなくてビジネスクラスに乗っていく。これはちょっとおかしいんじゃないか」
実は高岡市、北陸新幹線の開業に合わせた事業費がかさんだ影響で、2017年、およそ40億円の財政不足が判明し、コミュニティーバスを廃止するなど市民サービスも切り詰めて財政再建に取り組んできました。
現在、角田市長は「歳出超過を解消した」としていますが、ビジネスクラスを利用することについて市民は…。
市民:「ずっと『高岡市はお金はない』と言ってきて色々、公共施設とかも削減されて、お金がない状態なのにそういうところにお金を使うのは市民としてはちょっとなと」「税金を納めている者としてはちょっと納得いきかねる」
■体調考慮し“問題ない”市長が見解
なぜビジネスクラスに格上げされたのか、角田市長本人に聞きました。
富山・高岡市 角田悠紀市長:「11年前と比較されると、エコノミーだったのがなんでビジネスなんですか?となるんですけども、そもそも入り口が違うので。今回は遊びで行くわけではなくビジネスであると思っております」
前回の訪問目的が文化交流だったのに対し、今回は経済交流の促進を狙った戦略的な交渉を行うための、いわばビジネスだと強調。12時間を超えるフライト時間を考慮し、万全の体調で交渉に臨むためとしています。
富山・高岡市 角田悠紀市長:「物理的にどんなふうに時差(の影響)が出るか私自身分からない部分もやっぱりありますので、備えという部分…いわゆる公務に支障が出ないという備えの部分で、自分でできる体調管理はあの手この手でやっていきたい」