不正やトラブルが次々と明らかになるビッグモーター。27日夕方、消費者庁がビッグモーターに関する最新の相談の件数を公表し、2022年度と比較して“倍増”していることがわかった。さらには、“購入していない車”の納税通知書が届くという新たなトラブルも発覚した。
2023年4月から8月までの間に寄せられたビッグモーターに関する消費生活相談は、1425件。
消費者庁の担当者は、27日の会見で「(相談の件数が)増えている、ペースが上がっているのは確かでございます」と説明。
2023年度の1425件という数字は、2022年度(2022年4月~2023年3月)の1年間で寄せられた1491件とほぼ同数の相談が半年足らずで寄せられていることになる。
消費者庁の担当者は、さらに「(多く)寄せられた情報というのは、報道が7月以降出たこともあり、過去のご自身の契約について不安であるとか、この会社と契約しているけど大丈夫ですかといった内容」と説明、ビッグモーターと契約している消費者が不安を抱えている現状も明らかになった。
こうした中、FNNのもとにビッグモーターの利用客から新たなトラブルの訴えが寄せられた。
「もうひどいの一言ですよね。腹が立つを通り越して、あきれるしかないぐらいだったので…」と語るのは、2022年の暮れにビッグモーターで車を購入しようとしたAさん。“信じられないトラブル”に、“何度も”見舞われたというのだ。
1つ目は、『未使用車のはずが傷だらけ』というトラブル。Aさんは「娘の車を探していて、ビッグモーターのサイトに“未使用車”があったので、購入しようかなということで」
Aさんは店にも問い合わせ、車体に目立つ傷がないことを確認したうえで、電話で購入の取り決めを交わした。
しかし、納車の日、娘のために用意されていた車は目を疑うありさまで、「もう全然傷もあるし、雨染みとかもすごくて、“未使用車”っていうと、新車とほぼ変わらないと思っていたのが、これはないわって感じでした」と、Aさんは振り返る。
不信感を抱いたAさんはキャンセルを決意したが、ここで2つめのトラブルが発生した。
「キャンセル料不要」のはずが、突然「3万円」を請求されたのだ。
「(店長から)当然うちの不手際、うちに非があるので、費用は一切かからないでキャンセルで結構ですと話をしたんですけど」と店長に直接言われていたAさんだったが、後日、まさかの事態が起きる。
「後日、“一応キャンセル料は3万円頂きます”ということを言われて、えっ?という感じになった」というAさんだったが、その後、“言った言わないという話”になり、ビッグモーター側は“キャンセル料不要とは言っていない”と、かたくなに主張したという。
Aさんは、トラブルが長引くことで嫌な思いはしたくないと、泣く泣く3万円を支払った。しかし…トラブルはこれで終わらなかった。
3つめのトラブルが起きたのは、“購入騒動”から数カ月がたった2023年5月のこと。
Aさんの家に“届くはずのない税金の納付書”が届いたのだ。
「家に納税の通知書が来ましたね。調べたら(キャンセルした)車が、まだ自分の名義になっていたらしくて…」Aさんは、キャンセルしたはずの車をなぜか所有していたことになっていたのだ。
ビッグモーター側に確認した結果、軽自動車税10800円を支払うはめにはならなかったが、「(その車に)何かあったらどうするんだよって…。全部自分に降りかかってくるので本当に怖いです。(ビッグモーター側は)『すいません』の一言も謝罪もなく、『じゃあ、紙を送ってください』みたいな対応でした。その後は、何の連絡もないです。たぶんお金お金しか考えていない」とあきれ果てた様子だった。
この件について、ビッグモーター側はFNNの取材に対し「お客様からのお問い合わせに関しましては、現在、専用の窓口を設けております」とコメントしている。(「イット!」 9月27日放送より)