ファミリー向けと呼ばれるような釣り場でも、意外にも毒を有する魚はたくさん生息している。
【画像】漁師が「サメよりも怖い」と語る身近な“危険生物”を画像で見る また、毒を有していなくても、噛まれたり刺されたりすると命を落としてしまうほど危険な魚も珍しくない。今回は釣れた時点で超リスキーな「危険魚」7種とそれらが釣れてしまったときの正しい対処法を紹介する。さらに中には安全に処理をすれば食べることもできるほどの食味を持ち合わせる危険魚もいるので、調理法も合わせて紹介したい。

猛毒を有するヒガンフグ。テトロドトキシンという神経毒を体内に含み、食することで中毒症状を引き起こす釣り味は最高、でも危険! ゲスト魚の代表格「アイゴ」 スズキ目ニザダイ亜目アイゴ科に属する「アイゴ」。内臓がアンモニア臭いことからバリ(尿)や寝しょんべんなどと気の毒な俗称を持つ魚でもある。 磯釣りではメジナやクロダイに混じって良く釣れる定番のゲスト魚だが、堤防や海釣り公園でも手のひらサイズから30cmを越える大型まで釣れることがある。ウキを一気に消し込み力強い引き味で楽しませてくれる一方で、鰭(ひれ)は鋭く尖っており刺されれば毒により釣り続行不可能なほど痛みを伴う場合がある。 背鰭、腹鰭、臀鰭(しりびれ)に棘があるため死角がなく素手で触るのは大変危険である。 リリースする場合は魚掴み、プライヤー、ハサミが必須だ。まずは暴れないように魚掴みで挟んだのちプライヤーでハリを外す。25cmを越えるようなサイズだと抵抗も強く魚掴みから飛び出して刺される恐れがあるため、グリップ力のあるものでしっかり掴んで固定させたい。環境負荷を考えると望ましくはないが、想定外に釣れてしまってリリースアイテムがない場合は素手で触らず、ハリス(釣り糸)をカットして優しく海に帰そう。 一方、アイゴは西日本では食文化があるほど美味しい魚。持ち帰る場合は生きたまま鰭をカットせず一度エラを切って血抜きをして動かなくなったことを確認し、フィッシュグリップで掴んで毒棘をハサミでカットしよう。カットした毒棘を陸上に放置するのは大変危険だ。 万が一刺されてしまった場合は患部を火傷しない程度のお湯(45℃くらい)に浸けることで、タンパク毒の広がりが抑えられ、痛みが和らぐ。呼吸に支障がでるような症状があれば、すぐさま病院で診察する。実は美味しいアイゴ料理 アンモニア臭の根源は内臓。食べない場合はその場で取り除いておきたい。しかし、ゼンマイと呼ばれる内臓の煮つけは瀬戸内では珍重され、濃厚でお酒のあてとしても最高の一品だ。 また、捌いた時点で腹身に脂が乗っていればお刺身でいただくのをおすすめしたい。脂の旨味とシャキッとした身の歯ごたえを堪能できる。 特に秋の脂が乗った個体はリリースするのがもったいないほど美味だ。ただし、食道や胃袋は食べて間もない未消化物があるため取り除いた方が良い。見た目は可愛い! でも死に至る危険性もある魚 ナマズ目の魚で見た目もマナマズを手のひらサイズに縮小したようなゴンズイ。 尾鰭をひらひらと左右に振りながら泳ぐ姿はアクアリウムの一員にもなるほど癒し系だが、ひとたび刺されるとアイドルの仮面を被った危険な魚だと察するだろう。堤防での投げ釣りや足元に垂らした胴突き仕掛け、ウキ釣りでも釣れるため、実は遭遇率の高い有毒魚である。 ゴンズイの毒棘は胸鰭と背鰭にあるため素手で掴むのは大変危険。エラをカットして血を抜くか頭を落として絶命させてから鰭をカットすると安全だ。 釣れるサイズは10~20cmと小型であるものの、グリップ力の弱い魚掴みだと体表のヌメリで滑りやすく、暴れたタイミングですっぽ抜ける恐れがあるため、がっしり握れるものが良い。 また、どの魚にもいえることだが、大人しくなったように見えても触った瞬間に暴れだして手を引く前に刺されてしまう。実際に、このパターンで私は一度ゴンズイに刺されたことがある。まず、刺された瞬間に注射とは比較にならない激痛が走った。一瞬のことで何が起こったか分からないほど。 そして、実はゴンズイの毒棘はノコギリのようなカエシが付いているため、引き抜く際に皮膚をえぐるので傷痕が広くなる。すぐさま刺された指が腫れてきてズキズキとした疼痛が続く。数時間で肘まで腫れあがり、腕全体が鈍い痛みに襲われる。プライヤーを使わなかったことを後悔するまで時間はかからなかった……。 ゴンズイの毒は、アイゴ同様にタンパク毒なのでお湯に患部を浸けることで痛みが緩和する。とはいえ、釣り場でお湯が手に入るほうが珍しい。自動販売機のホットドリンクを当てるなどの応急処置を施すのも一手だ。 刺された体験を聞いた後にゴンズイを食べようなんて思う人はいないと思うが(私も刺されて以来ゴンズイを食べていない……)、実は高級魚に匹敵するほど、身に味わいがある。 一番おすすめする調理は煮つけ。脂が乗っているので、煮たてた身はマアナゴのようにふわっとした白身で軟らかく、タレとの馴染みが良い。また、鼻から抜ける独特な香りがゴンズイの旨さの真髄でもある。当然、天ぷらにしてもその旨さは健在で芳醇な香りを楽しめる。皆様には痛い思いをしないように食卓まで運んでほしい。刺されると酷い後遺症が残ることも… 狙って釣る人は少ないが、小魚の泳がせ釣りや魚の切り身などを使ったブッコミ釣りのゲストとして釣れてしまう非常に厄介な魚であるアカエイ。 生息域も広く、内湾、外洋はもちろん汽水域まで遡上するほど生命力が高いことでも知られる。私の経験では房総半島の先端から隅田川の中流域まで釣れたことがあるため、釣れない場所を見つける方が難しい。 そんなアカエイの毒棘は尻尾にあるのだが、尻尾全体が棘になっているわけではなく、表を向けて真ん中あたりから10cmほど尾棘が伸びている。 これまで紹介した魚とは違い、棘が長い。そして、アカエイの尾棘もゴンズイ同様にノコギリのようなカエシがあるため、かすめただけでも深刻なダメージを受けやすい。特に刺傷の場合は後遺症が残った症例もあるので、釣れた場合は尾棘の射程圏内に近づかずリリースしたい。アカエイが釣れたときの注意点 アカエイが釣れてしまったときに注意すべき点は2つ。(1)タモでランディングするとき タモですくって陸に上げる瞬間が、最もアカエイの尾棘に手や身体が近づくタイミングなので、アカエイがネットを破って尾棘を振り回すことを想定した距離感でランディングを行おう。(2)仕掛けを外すとき エサ釣りの場合は口に針がかかっていることがほとんどなので、尾棘から遠いところで針を外すことになるが、アカエイは危険を察知すると長い尻尾を振り回したり反り返って抵抗するため油断は禁物。環境負荷を考えると望ましくはないが、無理に針を外さずハリスをカットしてリリースするといった判断も重要になる。 なお、毒魚に刺されてしまった場合は痛みを我慢せず、すぐに釣りを終えて適切な対処をしよう。病院に向かうことも一つの選択肢である。 私自身も、釣りの最中に知人がアカエイに刺されてしまった経験があり、病院まで付き添ったことがある。数センチの切傷でも我慢できない痛みに悶絶しており、とても自力で運転できる状態ではなかった。刺された瞬間はアドレナリンで興奮状態になり、大丈夫な気がすることもあろうが、時間と共に身動きが取れなくなる可能性も低くない。手遅れになる前に救急車を呼ぶ勇気も必要だろう。首に突き刺さり死亡した事例も…矢の如く人を襲う脅威の魚 ダツはこれまで紹介した魚と違い、毒棘を持っているわけではない。しかし、場合によっては身体に障害が残るほどの大けがをする危険が潜んでいる。というのも、ダツの両顎はくちばしのように鋭く伸びて、さらに硬いのでこれが矢のような殺傷能力を持つのだ。 さらに光源に向かって突進する習性があるため、ナイトダイビングや夜間の漁での事故も報告されている。漁師からは“サメよりも怖い存在”と言われ、過去には首や目に突き刺さって死亡した事例もある。 聞いただけでも恐ろしい魚だが、海のルアー釣りやコマセを使ったウキ釣りでも簡単に釣れてしまうほど近海を群れで回遊している。 明るい時間に釣り上げたダツなんてまるで陸に上がった河童のようだと、甘く見ていたら大間違いだ。ダツは素手で掴もうとすると大暴れして尖った顎を振り回すので、最悪の場合、陸でも目や身体に突き刺さる恐れがある。さらに、脅威は尖った顎だけでない。致命的なダメージを与えるため、噛みついた獲物を離さないよう、鋭い歯が顎に目いっぱい生え揃っているので、針を外す際も注意が必要だ。 リリースする際はタオルを被せて可動域を抑えたら魚掴みで頭を掴んで素早く逃がそう。牛肉をも喰らう海のギャングことウツボ 黄色を基調としたファンシーな柄が特徴的で、生活環境に溶け込むための保護色で身を隠す魚とは真逆の進化を遂げた魚。一般的なスーパーなどでは流通しないが、高知県や千葉県、和歌山県などの産地ではウツボを使った郷土料理や専門店、お土産があるほど食文化も発展している。 ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。ウツボが釣れたときはどうすればいい? 毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。 また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
また、毒を有していなくても、噛まれたり刺されたりすると命を落としてしまうほど危険な魚も珍しくない。今回は釣れた時点で超リスキーな「危険魚」7種とそれらが釣れてしまったときの正しい対処法を紹介する。さらに中には安全に処理をすれば食べることもできるほどの食味を持ち合わせる危険魚もいるので、調理法も合わせて紹介したい。
猛毒を有するヒガンフグ。テトロドトキシンという神経毒を体内に含み、食することで中毒症状を引き起こす
スズキ目ニザダイ亜目アイゴ科に属する「アイゴ」。内臓がアンモニア臭いことからバリ(尿)や寝しょんべんなどと気の毒な俗称を持つ魚でもある。
磯釣りではメジナやクロダイに混じって良く釣れる定番のゲスト魚だが、堤防や海釣り公園でも手のひらサイズから30cmを越える大型まで釣れることがある。ウキを一気に消し込み力強い引き味で楽しませてくれる一方で、鰭(ひれ)は鋭く尖っており刺されれば毒により釣り続行不可能なほど痛みを伴う場合がある。 背鰭、腹鰭、臀鰭(しりびれ)に棘があるため死角がなく素手で触るのは大変危険である。 リリースする場合は魚掴み、プライヤー、ハサミが必須だ。まずは暴れないように魚掴みで挟んだのちプライヤーでハリを外す。25cmを越えるようなサイズだと抵抗も強く魚掴みから飛び出して刺される恐れがあるため、グリップ力のあるものでしっかり掴んで固定させたい。環境負荷を考えると望ましくはないが、想定外に釣れてしまってリリースアイテムがない場合は素手で触らず、ハリス(釣り糸)をカットして優しく海に帰そう。 一方、アイゴは西日本では食文化があるほど美味しい魚。持ち帰る場合は生きたまま鰭をカットせず一度エラを切って血抜きをして動かなくなったことを確認し、フィッシュグリップで掴んで毒棘をハサミでカットしよう。カットした毒棘を陸上に放置するのは大変危険だ。 万が一刺されてしまった場合は患部を火傷しない程度のお湯(45℃くらい)に浸けることで、タンパク毒の広がりが抑えられ、痛みが和らぐ。呼吸に支障がでるような症状があれば、すぐさま病院で診察する。実は美味しいアイゴ料理 アンモニア臭の根源は内臓。食べない場合はその場で取り除いておきたい。しかし、ゼンマイと呼ばれる内臓の煮つけは瀬戸内では珍重され、濃厚でお酒のあてとしても最高の一品だ。 また、捌いた時点で腹身に脂が乗っていればお刺身でいただくのをおすすめしたい。脂の旨味とシャキッとした身の歯ごたえを堪能できる。 特に秋の脂が乗った個体はリリースするのがもったいないほど美味だ。ただし、食道や胃袋は食べて間もない未消化物があるため取り除いた方が良い。見た目は可愛い! でも死に至る危険性もある魚 ナマズ目の魚で見た目もマナマズを手のひらサイズに縮小したようなゴンズイ。 尾鰭をひらひらと左右に振りながら泳ぐ姿はアクアリウムの一員にもなるほど癒し系だが、ひとたび刺されるとアイドルの仮面を被った危険な魚だと察するだろう。堤防での投げ釣りや足元に垂らした胴突き仕掛け、ウキ釣りでも釣れるため、実は遭遇率の高い有毒魚である。 ゴンズイの毒棘は胸鰭と背鰭にあるため素手で掴むのは大変危険。エラをカットして血を抜くか頭を落として絶命させてから鰭をカットすると安全だ。 釣れるサイズは10~20cmと小型であるものの、グリップ力の弱い魚掴みだと体表のヌメリで滑りやすく、暴れたタイミングですっぽ抜ける恐れがあるため、がっしり握れるものが良い。 また、どの魚にもいえることだが、大人しくなったように見えても触った瞬間に暴れだして手を引く前に刺されてしまう。実際に、このパターンで私は一度ゴンズイに刺されたことがある。まず、刺された瞬間に注射とは比較にならない激痛が走った。一瞬のことで何が起こったか分からないほど。 そして、実はゴンズイの毒棘はノコギリのようなカエシが付いているため、引き抜く際に皮膚をえぐるので傷痕が広くなる。すぐさま刺された指が腫れてきてズキズキとした疼痛が続く。数時間で肘まで腫れあがり、腕全体が鈍い痛みに襲われる。プライヤーを使わなかったことを後悔するまで時間はかからなかった……。 ゴンズイの毒は、アイゴ同様にタンパク毒なのでお湯に患部を浸けることで痛みが緩和する。とはいえ、釣り場でお湯が手に入るほうが珍しい。自動販売機のホットドリンクを当てるなどの応急処置を施すのも一手だ。 刺された体験を聞いた後にゴンズイを食べようなんて思う人はいないと思うが(私も刺されて以来ゴンズイを食べていない……)、実は高級魚に匹敵するほど、身に味わいがある。 一番おすすめする調理は煮つけ。脂が乗っているので、煮たてた身はマアナゴのようにふわっとした白身で軟らかく、タレとの馴染みが良い。また、鼻から抜ける独特な香りがゴンズイの旨さの真髄でもある。当然、天ぷらにしてもその旨さは健在で芳醇な香りを楽しめる。皆様には痛い思いをしないように食卓まで運んでほしい。刺されると酷い後遺症が残ることも… 狙って釣る人は少ないが、小魚の泳がせ釣りや魚の切り身などを使ったブッコミ釣りのゲストとして釣れてしまう非常に厄介な魚であるアカエイ。 生息域も広く、内湾、外洋はもちろん汽水域まで遡上するほど生命力が高いことでも知られる。私の経験では房総半島の先端から隅田川の中流域まで釣れたことがあるため、釣れない場所を見つける方が難しい。 そんなアカエイの毒棘は尻尾にあるのだが、尻尾全体が棘になっているわけではなく、表を向けて真ん中あたりから10cmほど尾棘が伸びている。 これまで紹介した魚とは違い、棘が長い。そして、アカエイの尾棘もゴンズイ同様にノコギリのようなカエシがあるため、かすめただけでも深刻なダメージを受けやすい。特に刺傷の場合は後遺症が残った症例もあるので、釣れた場合は尾棘の射程圏内に近づかずリリースしたい。アカエイが釣れたときの注意点 アカエイが釣れてしまったときに注意すべき点は2つ。(1)タモでランディングするとき タモですくって陸に上げる瞬間が、最もアカエイの尾棘に手や身体が近づくタイミングなので、アカエイがネットを破って尾棘を振り回すことを想定した距離感でランディングを行おう。(2)仕掛けを外すとき エサ釣りの場合は口に針がかかっていることがほとんどなので、尾棘から遠いところで針を外すことになるが、アカエイは危険を察知すると長い尻尾を振り回したり反り返って抵抗するため油断は禁物。環境負荷を考えると望ましくはないが、無理に針を外さずハリスをカットしてリリースするといった判断も重要になる。 なお、毒魚に刺されてしまった場合は痛みを我慢せず、すぐに釣りを終えて適切な対処をしよう。病院に向かうことも一つの選択肢である。 私自身も、釣りの最中に知人がアカエイに刺されてしまった経験があり、病院まで付き添ったことがある。数センチの切傷でも我慢できない痛みに悶絶しており、とても自力で運転できる状態ではなかった。刺された瞬間はアドレナリンで興奮状態になり、大丈夫な気がすることもあろうが、時間と共に身動きが取れなくなる可能性も低くない。手遅れになる前に救急車を呼ぶ勇気も必要だろう。首に突き刺さり死亡した事例も…矢の如く人を襲う脅威の魚 ダツはこれまで紹介した魚と違い、毒棘を持っているわけではない。しかし、場合によっては身体に障害が残るほどの大けがをする危険が潜んでいる。というのも、ダツの両顎はくちばしのように鋭く伸びて、さらに硬いのでこれが矢のような殺傷能力を持つのだ。 さらに光源に向かって突進する習性があるため、ナイトダイビングや夜間の漁での事故も報告されている。漁師からは“サメよりも怖い存在”と言われ、過去には首や目に突き刺さって死亡した事例もある。 聞いただけでも恐ろしい魚だが、海のルアー釣りやコマセを使ったウキ釣りでも簡単に釣れてしまうほど近海を群れで回遊している。 明るい時間に釣り上げたダツなんてまるで陸に上がった河童のようだと、甘く見ていたら大間違いだ。ダツは素手で掴もうとすると大暴れして尖った顎を振り回すので、最悪の場合、陸でも目や身体に突き刺さる恐れがある。さらに、脅威は尖った顎だけでない。致命的なダメージを与えるため、噛みついた獲物を離さないよう、鋭い歯が顎に目いっぱい生え揃っているので、針を外す際も注意が必要だ。 リリースする際はタオルを被せて可動域を抑えたら魚掴みで頭を掴んで素早く逃がそう。牛肉をも喰らう海のギャングことウツボ 黄色を基調としたファンシーな柄が特徴的で、生活環境に溶け込むための保護色で身を隠す魚とは真逆の進化を遂げた魚。一般的なスーパーなどでは流通しないが、高知県や千葉県、和歌山県などの産地ではウツボを使った郷土料理や専門店、お土産があるほど食文化も発展している。 ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。ウツボが釣れたときはどうすればいい? 毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。 また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
磯釣りではメジナやクロダイに混じって良く釣れる定番のゲスト魚だが、堤防や海釣り公園でも手のひらサイズから30cmを越える大型まで釣れることがある。ウキを一気に消し込み力強い引き味で楽しませてくれる一方で、鰭(ひれ)は鋭く尖っており刺されれば毒により釣り続行不可能なほど痛みを伴う場合がある。
背鰭、腹鰭、臀鰭(しりびれ)に棘があるため死角がなく素手で触るのは大変危険である。
リリースする場合は魚掴み、プライヤー、ハサミが必須だ。まずは暴れないように魚掴みで挟んだのちプライヤーでハリを外す。25cmを越えるようなサイズだと抵抗も強く魚掴みから飛び出して刺される恐れがあるため、グリップ力のあるものでしっかり掴んで固定させたい。環境負荷を考えると望ましくはないが、想定外に釣れてしまってリリースアイテムがない場合は素手で触らず、ハリス(釣り糸)をカットして優しく海に帰そう。 一方、アイゴは西日本では食文化があるほど美味しい魚。持ち帰る場合は生きたまま鰭をカットせず一度エラを切って血抜きをして動かなくなったことを確認し、フィッシュグリップで掴んで毒棘をハサミでカットしよう。カットした毒棘を陸上に放置するのは大変危険だ。 万が一刺されてしまった場合は患部を火傷しない程度のお湯(45℃くらい)に浸けることで、タンパク毒の広がりが抑えられ、痛みが和らぐ。呼吸に支障がでるような症状があれば、すぐさま病院で診察する。実は美味しいアイゴ料理 アンモニア臭の根源は内臓。食べない場合はその場で取り除いておきたい。しかし、ゼンマイと呼ばれる内臓の煮つけは瀬戸内では珍重され、濃厚でお酒のあてとしても最高の一品だ。 また、捌いた時点で腹身に脂が乗っていればお刺身でいただくのをおすすめしたい。脂の旨味とシャキッとした身の歯ごたえを堪能できる。 特に秋の脂が乗った個体はリリースするのがもったいないほど美味だ。ただし、食道や胃袋は食べて間もない未消化物があるため取り除いた方が良い。見た目は可愛い! でも死に至る危険性もある魚 ナマズ目の魚で見た目もマナマズを手のひらサイズに縮小したようなゴンズイ。 尾鰭をひらひらと左右に振りながら泳ぐ姿はアクアリウムの一員にもなるほど癒し系だが、ひとたび刺されるとアイドルの仮面を被った危険な魚だと察するだろう。堤防での投げ釣りや足元に垂らした胴突き仕掛け、ウキ釣りでも釣れるため、実は遭遇率の高い有毒魚である。 ゴンズイの毒棘は胸鰭と背鰭にあるため素手で掴むのは大変危険。エラをカットして血を抜くか頭を落として絶命させてから鰭をカットすると安全だ。 釣れるサイズは10~20cmと小型であるものの、グリップ力の弱い魚掴みだと体表のヌメリで滑りやすく、暴れたタイミングですっぽ抜ける恐れがあるため、がっしり握れるものが良い。 また、どの魚にもいえることだが、大人しくなったように見えても触った瞬間に暴れだして手を引く前に刺されてしまう。実際に、このパターンで私は一度ゴンズイに刺されたことがある。まず、刺された瞬間に注射とは比較にならない激痛が走った。一瞬のことで何が起こったか分からないほど。 そして、実はゴンズイの毒棘はノコギリのようなカエシが付いているため、引き抜く際に皮膚をえぐるので傷痕が広くなる。すぐさま刺された指が腫れてきてズキズキとした疼痛が続く。数時間で肘まで腫れあがり、腕全体が鈍い痛みに襲われる。プライヤーを使わなかったことを後悔するまで時間はかからなかった……。 ゴンズイの毒は、アイゴ同様にタンパク毒なのでお湯に患部を浸けることで痛みが緩和する。とはいえ、釣り場でお湯が手に入るほうが珍しい。自動販売機のホットドリンクを当てるなどの応急処置を施すのも一手だ。 刺された体験を聞いた後にゴンズイを食べようなんて思う人はいないと思うが(私も刺されて以来ゴンズイを食べていない……)、実は高級魚に匹敵するほど、身に味わいがある。 一番おすすめする調理は煮つけ。脂が乗っているので、煮たてた身はマアナゴのようにふわっとした白身で軟らかく、タレとの馴染みが良い。また、鼻から抜ける独特な香りがゴンズイの旨さの真髄でもある。当然、天ぷらにしてもその旨さは健在で芳醇な香りを楽しめる。皆様には痛い思いをしないように食卓まで運んでほしい。刺されると酷い後遺症が残ることも… 狙って釣る人は少ないが、小魚の泳がせ釣りや魚の切り身などを使ったブッコミ釣りのゲストとして釣れてしまう非常に厄介な魚であるアカエイ。 生息域も広く、内湾、外洋はもちろん汽水域まで遡上するほど生命力が高いことでも知られる。私の経験では房総半島の先端から隅田川の中流域まで釣れたことがあるため、釣れない場所を見つける方が難しい。 そんなアカエイの毒棘は尻尾にあるのだが、尻尾全体が棘になっているわけではなく、表を向けて真ん中あたりから10cmほど尾棘が伸びている。 これまで紹介した魚とは違い、棘が長い。そして、アカエイの尾棘もゴンズイ同様にノコギリのようなカエシがあるため、かすめただけでも深刻なダメージを受けやすい。特に刺傷の場合は後遺症が残った症例もあるので、釣れた場合は尾棘の射程圏内に近づかずリリースしたい。アカエイが釣れたときの注意点 アカエイが釣れてしまったときに注意すべき点は2つ。(1)タモでランディングするとき タモですくって陸に上げる瞬間が、最もアカエイの尾棘に手や身体が近づくタイミングなので、アカエイがネットを破って尾棘を振り回すことを想定した距離感でランディングを行おう。(2)仕掛けを外すとき エサ釣りの場合は口に針がかかっていることがほとんどなので、尾棘から遠いところで針を外すことになるが、アカエイは危険を察知すると長い尻尾を振り回したり反り返って抵抗するため油断は禁物。環境負荷を考えると望ましくはないが、無理に針を外さずハリスをカットしてリリースするといった判断も重要になる。 なお、毒魚に刺されてしまった場合は痛みを我慢せず、すぐに釣りを終えて適切な対処をしよう。病院に向かうことも一つの選択肢である。 私自身も、釣りの最中に知人がアカエイに刺されてしまった経験があり、病院まで付き添ったことがある。数センチの切傷でも我慢できない痛みに悶絶しており、とても自力で運転できる状態ではなかった。刺された瞬間はアドレナリンで興奮状態になり、大丈夫な気がすることもあろうが、時間と共に身動きが取れなくなる可能性も低くない。手遅れになる前に救急車を呼ぶ勇気も必要だろう。首に突き刺さり死亡した事例も…矢の如く人を襲う脅威の魚 ダツはこれまで紹介した魚と違い、毒棘を持っているわけではない。しかし、場合によっては身体に障害が残るほどの大けがをする危険が潜んでいる。というのも、ダツの両顎はくちばしのように鋭く伸びて、さらに硬いのでこれが矢のような殺傷能力を持つのだ。 さらに光源に向かって突進する習性があるため、ナイトダイビングや夜間の漁での事故も報告されている。漁師からは“サメよりも怖い存在”と言われ、過去には首や目に突き刺さって死亡した事例もある。 聞いただけでも恐ろしい魚だが、海のルアー釣りやコマセを使ったウキ釣りでも簡単に釣れてしまうほど近海を群れで回遊している。 明るい時間に釣り上げたダツなんてまるで陸に上がった河童のようだと、甘く見ていたら大間違いだ。ダツは素手で掴もうとすると大暴れして尖った顎を振り回すので、最悪の場合、陸でも目や身体に突き刺さる恐れがある。さらに、脅威は尖った顎だけでない。致命的なダメージを与えるため、噛みついた獲物を離さないよう、鋭い歯が顎に目いっぱい生え揃っているので、針を外す際も注意が必要だ。 リリースする際はタオルを被せて可動域を抑えたら魚掴みで頭を掴んで素早く逃がそう。牛肉をも喰らう海のギャングことウツボ 黄色を基調としたファンシーな柄が特徴的で、生活環境に溶け込むための保護色で身を隠す魚とは真逆の進化を遂げた魚。一般的なスーパーなどでは流通しないが、高知県や千葉県、和歌山県などの産地ではウツボを使った郷土料理や専門店、お土産があるほど食文化も発展している。 ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。ウツボが釣れたときはどうすればいい? 毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。 また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
リリースする場合は魚掴み、プライヤー、ハサミが必須だ。まずは暴れないように魚掴みで挟んだのちプライヤーでハリを外す。25cmを越えるようなサイズだと抵抗も強く魚掴みから飛び出して刺される恐れがあるため、グリップ力のあるものでしっかり掴んで固定させたい。環境負荷を考えると望ましくはないが、想定外に釣れてしまってリリースアイテムがない場合は素手で触らず、ハリス(釣り糸)をカットして優しく海に帰そう。
一方、アイゴは西日本では食文化があるほど美味しい魚。持ち帰る場合は生きたまま鰭をカットせず一度エラを切って血抜きをして動かなくなったことを確認し、フィッシュグリップで掴んで毒棘をハサミでカットしよう。カットした毒棘を陸上に放置するのは大変危険だ。
万が一刺されてしまった場合は患部を火傷しない程度のお湯(45℃くらい)に浸けることで、タンパク毒の広がりが抑えられ、痛みが和らぐ。呼吸に支障がでるような症状があれば、すぐさま病院で診察する。
アンモニア臭の根源は内臓。食べない場合はその場で取り除いておきたい。しかし、ゼンマイと呼ばれる内臓の煮つけは瀬戸内では珍重され、濃厚でお酒のあてとしても最高の一品だ。
また、捌いた時点で腹身に脂が乗っていればお刺身でいただくのをおすすめしたい。脂の旨味とシャキッとした身の歯ごたえを堪能できる。 特に秋の脂が乗った個体はリリースするのがもったいないほど美味だ。ただし、食道や胃袋は食べて間もない未消化物があるため取り除いた方が良い。見た目は可愛い! でも死に至る危険性もある魚 ナマズ目の魚で見た目もマナマズを手のひらサイズに縮小したようなゴンズイ。 尾鰭をひらひらと左右に振りながら泳ぐ姿はアクアリウムの一員にもなるほど癒し系だが、ひとたび刺されるとアイドルの仮面を被った危険な魚だと察するだろう。堤防での投げ釣りや足元に垂らした胴突き仕掛け、ウキ釣りでも釣れるため、実は遭遇率の高い有毒魚である。 ゴンズイの毒棘は胸鰭と背鰭にあるため素手で掴むのは大変危険。エラをカットして血を抜くか頭を落として絶命させてから鰭をカットすると安全だ。 釣れるサイズは10~20cmと小型であるものの、グリップ力の弱い魚掴みだと体表のヌメリで滑りやすく、暴れたタイミングですっぽ抜ける恐れがあるため、がっしり握れるものが良い。 また、どの魚にもいえることだが、大人しくなったように見えても触った瞬間に暴れだして手を引く前に刺されてしまう。実際に、このパターンで私は一度ゴンズイに刺されたことがある。まず、刺された瞬間に注射とは比較にならない激痛が走った。一瞬のことで何が起こったか分からないほど。 そして、実はゴンズイの毒棘はノコギリのようなカエシが付いているため、引き抜く際に皮膚をえぐるので傷痕が広くなる。すぐさま刺された指が腫れてきてズキズキとした疼痛が続く。数時間で肘まで腫れあがり、腕全体が鈍い痛みに襲われる。プライヤーを使わなかったことを後悔するまで時間はかからなかった……。 ゴンズイの毒は、アイゴ同様にタンパク毒なのでお湯に患部を浸けることで痛みが緩和する。とはいえ、釣り場でお湯が手に入るほうが珍しい。自動販売機のホットドリンクを当てるなどの応急処置を施すのも一手だ。 刺された体験を聞いた後にゴンズイを食べようなんて思う人はいないと思うが(私も刺されて以来ゴンズイを食べていない……)、実は高級魚に匹敵するほど、身に味わいがある。 一番おすすめする調理は煮つけ。脂が乗っているので、煮たてた身はマアナゴのようにふわっとした白身で軟らかく、タレとの馴染みが良い。また、鼻から抜ける独特な香りがゴンズイの旨さの真髄でもある。当然、天ぷらにしてもその旨さは健在で芳醇な香りを楽しめる。皆様には痛い思いをしないように食卓まで運んでほしい。刺されると酷い後遺症が残ることも… 狙って釣る人は少ないが、小魚の泳がせ釣りや魚の切り身などを使ったブッコミ釣りのゲストとして釣れてしまう非常に厄介な魚であるアカエイ。 生息域も広く、内湾、外洋はもちろん汽水域まで遡上するほど生命力が高いことでも知られる。私の経験では房総半島の先端から隅田川の中流域まで釣れたことがあるため、釣れない場所を見つける方が難しい。 そんなアカエイの毒棘は尻尾にあるのだが、尻尾全体が棘になっているわけではなく、表を向けて真ん中あたりから10cmほど尾棘が伸びている。 これまで紹介した魚とは違い、棘が長い。そして、アカエイの尾棘もゴンズイ同様にノコギリのようなカエシがあるため、かすめただけでも深刻なダメージを受けやすい。特に刺傷の場合は後遺症が残った症例もあるので、釣れた場合は尾棘の射程圏内に近づかずリリースしたい。アカエイが釣れたときの注意点 アカエイが釣れてしまったときに注意すべき点は2つ。(1)タモでランディングするとき タモですくって陸に上げる瞬間が、最もアカエイの尾棘に手や身体が近づくタイミングなので、アカエイがネットを破って尾棘を振り回すことを想定した距離感でランディングを行おう。(2)仕掛けを外すとき エサ釣りの場合は口に針がかかっていることがほとんどなので、尾棘から遠いところで針を外すことになるが、アカエイは危険を察知すると長い尻尾を振り回したり反り返って抵抗するため油断は禁物。環境負荷を考えると望ましくはないが、無理に針を外さずハリスをカットしてリリースするといった判断も重要になる。 なお、毒魚に刺されてしまった場合は痛みを我慢せず、すぐに釣りを終えて適切な対処をしよう。病院に向かうことも一つの選択肢である。 私自身も、釣りの最中に知人がアカエイに刺されてしまった経験があり、病院まで付き添ったことがある。数センチの切傷でも我慢できない痛みに悶絶しており、とても自力で運転できる状態ではなかった。刺された瞬間はアドレナリンで興奮状態になり、大丈夫な気がすることもあろうが、時間と共に身動きが取れなくなる可能性も低くない。手遅れになる前に救急車を呼ぶ勇気も必要だろう。首に突き刺さり死亡した事例も…矢の如く人を襲う脅威の魚 ダツはこれまで紹介した魚と違い、毒棘を持っているわけではない。しかし、場合によっては身体に障害が残るほどの大けがをする危険が潜んでいる。というのも、ダツの両顎はくちばしのように鋭く伸びて、さらに硬いのでこれが矢のような殺傷能力を持つのだ。 さらに光源に向かって突進する習性があるため、ナイトダイビングや夜間の漁での事故も報告されている。漁師からは“サメよりも怖い存在”と言われ、過去には首や目に突き刺さって死亡した事例もある。 聞いただけでも恐ろしい魚だが、海のルアー釣りやコマセを使ったウキ釣りでも簡単に釣れてしまうほど近海を群れで回遊している。 明るい時間に釣り上げたダツなんてまるで陸に上がった河童のようだと、甘く見ていたら大間違いだ。ダツは素手で掴もうとすると大暴れして尖った顎を振り回すので、最悪の場合、陸でも目や身体に突き刺さる恐れがある。さらに、脅威は尖った顎だけでない。致命的なダメージを与えるため、噛みついた獲物を離さないよう、鋭い歯が顎に目いっぱい生え揃っているので、針を外す際も注意が必要だ。 リリースする際はタオルを被せて可動域を抑えたら魚掴みで頭を掴んで素早く逃がそう。牛肉をも喰らう海のギャングことウツボ 黄色を基調としたファンシーな柄が特徴的で、生活環境に溶け込むための保護色で身を隠す魚とは真逆の進化を遂げた魚。一般的なスーパーなどでは流通しないが、高知県や千葉県、和歌山県などの産地ではウツボを使った郷土料理や専門店、お土産があるほど食文化も発展している。 ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。ウツボが釣れたときはどうすればいい? 毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。 また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
また、捌いた時点で腹身に脂が乗っていればお刺身でいただくのをおすすめしたい。脂の旨味とシャキッとした身の歯ごたえを堪能できる。 特に秋の脂が乗った個体はリリースするのがもったいないほど美味だ。ただし、食道や胃袋は食べて間もない未消化物があるため取り除いた方が良い。見た目は可愛い! でも死に至る危険性もある魚 ナマズ目の魚で見た目もマナマズを手のひらサイズに縮小したようなゴンズイ。 尾鰭をひらひらと左右に振りながら泳ぐ姿はアクアリウムの一員にもなるほど癒し系だが、ひとたび刺されるとアイドルの仮面を被った危険な魚だと察するだろう。堤防での投げ釣りや足元に垂らした胴突き仕掛け、ウキ釣りでも釣れるため、実は遭遇率の高い有毒魚である。 ゴンズイの毒棘は胸鰭と背鰭にあるため素手で掴むのは大変危険。エラをカットして血を抜くか頭を落として絶命させてから鰭をカットすると安全だ。 釣れるサイズは10~20cmと小型であるものの、グリップ力の弱い魚掴みだと体表のヌメリで滑りやすく、暴れたタイミングですっぽ抜ける恐れがあるため、がっしり握れるものが良い。 また、どの魚にもいえることだが、大人しくなったように見えても触った瞬間に暴れだして手を引く前に刺されてしまう。実際に、このパターンで私は一度ゴンズイに刺されたことがある。まず、刺された瞬間に注射とは比較にならない激痛が走った。一瞬のことで何が起こったか分からないほど。 そして、実はゴンズイの毒棘はノコギリのようなカエシが付いているため、引き抜く際に皮膚をえぐるので傷痕が広くなる。すぐさま刺された指が腫れてきてズキズキとした疼痛が続く。数時間で肘まで腫れあがり、腕全体が鈍い痛みに襲われる。プライヤーを使わなかったことを後悔するまで時間はかからなかった……。 ゴンズイの毒は、アイゴ同様にタンパク毒なのでお湯に患部を浸けることで痛みが緩和する。とはいえ、釣り場でお湯が手に入るほうが珍しい。自動販売機のホットドリンクを当てるなどの応急処置を施すのも一手だ。 刺された体験を聞いた後にゴンズイを食べようなんて思う人はいないと思うが(私も刺されて以来ゴンズイを食べていない……)、実は高級魚に匹敵するほど、身に味わいがある。 一番おすすめする調理は煮つけ。脂が乗っているので、煮たてた身はマアナゴのようにふわっとした白身で軟らかく、タレとの馴染みが良い。また、鼻から抜ける独特な香りがゴンズイの旨さの真髄でもある。当然、天ぷらにしてもその旨さは健在で芳醇な香りを楽しめる。皆様には痛い思いをしないように食卓まで運んでほしい。刺されると酷い後遺症が残ることも… 狙って釣る人は少ないが、小魚の泳がせ釣りや魚の切り身などを使ったブッコミ釣りのゲストとして釣れてしまう非常に厄介な魚であるアカエイ。 生息域も広く、内湾、外洋はもちろん汽水域まで遡上するほど生命力が高いことでも知られる。私の経験では房総半島の先端から隅田川の中流域まで釣れたことがあるため、釣れない場所を見つける方が難しい。 そんなアカエイの毒棘は尻尾にあるのだが、尻尾全体が棘になっているわけではなく、表を向けて真ん中あたりから10cmほど尾棘が伸びている。 これまで紹介した魚とは違い、棘が長い。そして、アカエイの尾棘もゴンズイ同様にノコギリのようなカエシがあるため、かすめただけでも深刻なダメージを受けやすい。特に刺傷の場合は後遺症が残った症例もあるので、釣れた場合は尾棘の射程圏内に近づかずリリースしたい。アカエイが釣れたときの注意点 アカエイが釣れてしまったときに注意すべき点は2つ。(1)タモでランディングするとき タモですくって陸に上げる瞬間が、最もアカエイの尾棘に手や身体が近づくタイミングなので、アカエイがネットを破って尾棘を振り回すことを想定した距離感でランディングを行おう。(2)仕掛けを外すとき エサ釣りの場合は口に針がかかっていることがほとんどなので、尾棘から遠いところで針を外すことになるが、アカエイは危険を察知すると長い尻尾を振り回したり反り返って抵抗するため油断は禁物。環境負荷を考えると望ましくはないが、無理に針を外さずハリスをカットしてリリースするといった判断も重要になる。 なお、毒魚に刺されてしまった場合は痛みを我慢せず、すぐに釣りを終えて適切な対処をしよう。病院に向かうことも一つの選択肢である。 私自身も、釣りの最中に知人がアカエイに刺されてしまった経験があり、病院まで付き添ったことがある。数センチの切傷でも我慢できない痛みに悶絶しており、とても自力で運転できる状態ではなかった。刺された瞬間はアドレナリンで興奮状態になり、大丈夫な気がすることもあろうが、時間と共に身動きが取れなくなる可能性も低くない。手遅れになる前に救急車を呼ぶ勇気も必要だろう。首に突き刺さり死亡した事例も…矢の如く人を襲う脅威の魚 ダツはこれまで紹介した魚と違い、毒棘を持っているわけではない。しかし、場合によっては身体に障害が残るほどの大けがをする危険が潜んでいる。というのも、ダツの両顎はくちばしのように鋭く伸びて、さらに硬いのでこれが矢のような殺傷能力を持つのだ。 さらに光源に向かって突進する習性があるため、ナイトダイビングや夜間の漁での事故も報告されている。漁師からは“サメよりも怖い存在”と言われ、過去には首や目に突き刺さって死亡した事例もある。 聞いただけでも恐ろしい魚だが、海のルアー釣りやコマセを使ったウキ釣りでも簡単に釣れてしまうほど近海を群れで回遊している。 明るい時間に釣り上げたダツなんてまるで陸に上がった河童のようだと、甘く見ていたら大間違いだ。ダツは素手で掴もうとすると大暴れして尖った顎を振り回すので、最悪の場合、陸でも目や身体に突き刺さる恐れがある。さらに、脅威は尖った顎だけでない。致命的なダメージを与えるため、噛みついた獲物を離さないよう、鋭い歯が顎に目いっぱい生え揃っているので、針を外す際も注意が必要だ。 リリースする際はタオルを被せて可動域を抑えたら魚掴みで頭を掴んで素早く逃がそう。牛肉をも喰らう海のギャングことウツボ 黄色を基調としたファンシーな柄が特徴的で、生活環境に溶け込むための保護色で身を隠す魚とは真逆の進化を遂げた魚。一般的なスーパーなどでは流通しないが、高知県や千葉県、和歌山県などの産地ではウツボを使った郷土料理や専門店、お土産があるほど食文化も発展している。 ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。ウツボが釣れたときはどうすればいい? 毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。 また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
また、捌いた時点で腹身に脂が乗っていればお刺身でいただくのをおすすめしたい。脂の旨味とシャキッとした身の歯ごたえを堪能できる。
特に秋の脂が乗った個体はリリースするのがもったいないほど美味だ。ただし、食道や胃袋は食べて間もない未消化物があるため取り除いた方が良い。見た目は可愛い! でも死に至る危険性もある魚 ナマズ目の魚で見た目もマナマズを手のひらサイズに縮小したようなゴンズイ。 尾鰭をひらひらと左右に振りながら泳ぐ姿はアクアリウムの一員にもなるほど癒し系だが、ひとたび刺されるとアイドルの仮面を被った危険な魚だと察するだろう。堤防での投げ釣りや足元に垂らした胴突き仕掛け、ウキ釣りでも釣れるため、実は遭遇率の高い有毒魚である。 ゴンズイの毒棘は胸鰭と背鰭にあるため素手で掴むのは大変危険。エラをカットして血を抜くか頭を落として絶命させてから鰭をカットすると安全だ。 釣れるサイズは10~20cmと小型であるものの、グリップ力の弱い魚掴みだと体表のヌメリで滑りやすく、暴れたタイミングですっぽ抜ける恐れがあるため、がっしり握れるものが良い。 また、どの魚にもいえることだが、大人しくなったように見えても触った瞬間に暴れだして手を引く前に刺されてしまう。実際に、このパターンで私は一度ゴンズイに刺されたことがある。まず、刺された瞬間に注射とは比較にならない激痛が走った。一瞬のことで何が起こったか分からないほど。 そして、実はゴンズイの毒棘はノコギリのようなカエシが付いているため、引き抜く際に皮膚をえぐるので傷痕が広くなる。すぐさま刺された指が腫れてきてズキズキとした疼痛が続く。数時間で肘まで腫れあがり、腕全体が鈍い痛みに襲われる。プライヤーを使わなかったことを後悔するまで時間はかからなかった……。 ゴンズイの毒は、アイゴ同様にタンパク毒なのでお湯に患部を浸けることで痛みが緩和する。とはいえ、釣り場でお湯が手に入るほうが珍しい。自動販売機のホットドリンクを当てるなどの応急処置を施すのも一手だ。 刺された体験を聞いた後にゴンズイを食べようなんて思う人はいないと思うが(私も刺されて以来ゴンズイを食べていない……)、実は高級魚に匹敵するほど、身に味わいがある。 一番おすすめする調理は煮つけ。脂が乗っているので、煮たてた身はマアナゴのようにふわっとした白身で軟らかく、タレとの馴染みが良い。また、鼻から抜ける独特な香りがゴンズイの旨さの真髄でもある。当然、天ぷらにしてもその旨さは健在で芳醇な香りを楽しめる。皆様には痛い思いをしないように食卓まで運んでほしい。刺されると酷い後遺症が残ることも… 狙って釣る人は少ないが、小魚の泳がせ釣りや魚の切り身などを使ったブッコミ釣りのゲストとして釣れてしまう非常に厄介な魚であるアカエイ。 生息域も広く、内湾、外洋はもちろん汽水域まで遡上するほど生命力が高いことでも知られる。私の経験では房総半島の先端から隅田川の中流域まで釣れたことがあるため、釣れない場所を見つける方が難しい。 そんなアカエイの毒棘は尻尾にあるのだが、尻尾全体が棘になっているわけではなく、表を向けて真ん中あたりから10cmほど尾棘が伸びている。 これまで紹介した魚とは違い、棘が長い。そして、アカエイの尾棘もゴンズイ同様にノコギリのようなカエシがあるため、かすめただけでも深刻なダメージを受けやすい。特に刺傷の場合は後遺症が残った症例もあるので、釣れた場合は尾棘の射程圏内に近づかずリリースしたい。アカエイが釣れたときの注意点 アカエイが釣れてしまったときに注意すべき点は2つ。(1)タモでランディングするとき タモですくって陸に上げる瞬間が、最もアカエイの尾棘に手や身体が近づくタイミングなので、アカエイがネットを破って尾棘を振り回すことを想定した距離感でランディングを行おう。(2)仕掛けを外すとき エサ釣りの場合は口に針がかかっていることがほとんどなので、尾棘から遠いところで針を外すことになるが、アカエイは危険を察知すると長い尻尾を振り回したり反り返って抵抗するため油断は禁物。環境負荷を考えると望ましくはないが、無理に針を外さずハリスをカットしてリリースするといった判断も重要になる。 なお、毒魚に刺されてしまった場合は痛みを我慢せず、すぐに釣りを終えて適切な対処をしよう。病院に向かうことも一つの選択肢である。 私自身も、釣りの最中に知人がアカエイに刺されてしまった経験があり、病院まで付き添ったことがある。数センチの切傷でも我慢できない痛みに悶絶しており、とても自力で運転できる状態ではなかった。刺された瞬間はアドレナリンで興奮状態になり、大丈夫な気がすることもあろうが、時間と共に身動きが取れなくなる可能性も低くない。手遅れになる前に救急車を呼ぶ勇気も必要だろう。首に突き刺さり死亡した事例も…矢の如く人を襲う脅威の魚 ダツはこれまで紹介した魚と違い、毒棘を持っているわけではない。しかし、場合によっては身体に障害が残るほどの大けがをする危険が潜んでいる。というのも、ダツの両顎はくちばしのように鋭く伸びて、さらに硬いのでこれが矢のような殺傷能力を持つのだ。 さらに光源に向かって突進する習性があるため、ナイトダイビングや夜間の漁での事故も報告されている。漁師からは“サメよりも怖い存在”と言われ、過去には首や目に突き刺さって死亡した事例もある。 聞いただけでも恐ろしい魚だが、海のルアー釣りやコマセを使ったウキ釣りでも簡単に釣れてしまうほど近海を群れで回遊している。 明るい時間に釣り上げたダツなんてまるで陸に上がった河童のようだと、甘く見ていたら大間違いだ。ダツは素手で掴もうとすると大暴れして尖った顎を振り回すので、最悪の場合、陸でも目や身体に突き刺さる恐れがある。さらに、脅威は尖った顎だけでない。致命的なダメージを与えるため、噛みついた獲物を離さないよう、鋭い歯が顎に目いっぱい生え揃っているので、針を外す際も注意が必要だ。 リリースする際はタオルを被せて可動域を抑えたら魚掴みで頭を掴んで素早く逃がそう。牛肉をも喰らう海のギャングことウツボ 黄色を基調としたファンシーな柄が特徴的で、生活環境に溶け込むための保護色で身を隠す魚とは真逆の進化を遂げた魚。一般的なスーパーなどでは流通しないが、高知県や千葉県、和歌山県などの産地ではウツボを使った郷土料理や専門店、お土産があるほど食文化も発展している。 ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。ウツボが釣れたときはどうすればいい? 毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。 また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
特に秋の脂が乗った個体はリリースするのがもったいないほど美味だ。ただし、食道や胃袋は食べて間もない未消化物があるため取り除いた方が良い。
ナマズ目の魚で見た目もマナマズを手のひらサイズに縮小したようなゴンズイ。
尾鰭をひらひらと左右に振りながら泳ぐ姿はアクアリウムの一員にもなるほど癒し系だが、ひとたび刺されるとアイドルの仮面を被った危険な魚だと察するだろう。堤防での投げ釣りや足元に垂らした胴突き仕掛け、ウキ釣りでも釣れるため、実は遭遇率の高い有毒魚である。 ゴンズイの毒棘は胸鰭と背鰭にあるため素手で掴むのは大変危険。エラをカットして血を抜くか頭を落として絶命させてから鰭をカットすると安全だ。 釣れるサイズは10~20cmと小型であるものの、グリップ力の弱い魚掴みだと体表のヌメリで滑りやすく、暴れたタイミングですっぽ抜ける恐れがあるため、がっしり握れるものが良い。 また、どの魚にもいえることだが、大人しくなったように見えても触った瞬間に暴れだして手を引く前に刺されてしまう。実際に、このパターンで私は一度ゴンズイに刺されたことがある。まず、刺された瞬間に注射とは比較にならない激痛が走った。一瞬のことで何が起こったか分からないほど。 そして、実はゴンズイの毒棘はノコギリのようなカエシが付いているため、引き抜く際に皮膚をえぐるので傷痕が広くなる。すぐさま刺された指が腫れてきてズキズキとした疼痛が続く。数時間で肘まで腫れあがり、腕全体が鈍い痛みに襲われる。プライヤーを使わなかったことを後悔するまで時間はかからなかった……。 ゴンズイの毒は、アイゴ同様にタンパク毒なのでお湯に患部を浸けることで痛みが緩和する。とはいえ、釣り場でお湯が手に入るほうが珍しい。自動販売機のホットドリンクを当てるなどの応急処置を施すのも一手だ。 刺された体験を聞いた後にゴンズイを食べようなんて思う人はいないと思うが(私も刺されて以来ゴンズイを食べていない……)、実は高級魚に匹敵するほど、身に味わいがある。 一番おすすめする調理は煮つけ。脂が乗っているので、煮たてた身はマアナゴのようにふわっとした白身で軟らかく、タレとの馴染みが良い。また、鼻から抜ける独特な香りがゴンズイの旨さの真髄でもある。当然、天ぷらにしてもその旨さは健在で芳醇な香りを楽しめる。皆様には痛い思いをしないように食卓まで運んでほしい。刺されると酷い後遺症が残ることも… 狙って釣る人は少ないが、小魚の泳がせ釣りや魚の切り身などを使ったブッコミ釣りのゲストとして釣れてしまう非常に厄介な魚であるアカエイ。 生息域も広く、内湾、外洋はもちろん汽水域まで遡上するほど生命力が高いことでも知られる。私の経験では房総半島の先端から隅田川の中流域まで釣れたことがあるため、釣れない場所を見つける方が難しい。 そんなアカエイの毒棘は尻尾にあるのだが、尻尾全体が棘になっているわけではなく、表を向けて真ん中あたりから10cmほど尾棘が伸びている。 これまで紹介した魚とは違い、棘が長い。そして、アカエイの尾棘もゴンズイ同様にノコギリのようなカエシがあるため、かすめただけでも深刻なダメージを受けやすい。特に刺傷の場合は後遺症が残った症例もあるので、釣れた場合は尾棘の射程圏内に近づかずリリースしたい。アカエイが釣れたときの注意点 アカエイが釣れてしまったときに注意すべき点は2つ。(1)タモでランディングするとき タモですくって陸に上げる瞬間が、最もアカエイの尾棘に手や身体が近づくタイミングなので、アカエイがネットを破って尾棘を振り回すことを想定した距離感でランディングを行おう。(2)仕掛けを外すとき エサ釣りの場合は口に針がかかっていることがほとんどなので、尾棘から遠いところで針を外すことになるが、アカエイは危険を察知すると長い尻尾を振り回したり反り返って抵抗するため油断は禁物。環境負荷を考えると望ましくはないが、無理に針を外さずハリスをカットしてリリースするといった判断も重要になる。 なお、毒魚に刺されてしまった場合は痛みを我慢せず、すぐに釣りを終えて適切な対処をしよう。病院に向かうことも一つの選択肢である。 私自身も、釣りの最中に知人がアカエイに刺されてしまった経験があり、病院まで付き添ったことがある。数センチの切傷でも我慢できない痛みに悶絶しており、とても自力で運転できる状態ではなかった。刺された瞬間はアドレナリンで興奮状態になり、大丈夫な気がすることもあろうが、時間と共に身動きが取れなくなる可能性も低くない。手遅れになる前に救急車を呼ぶ勇気も必要だろう。首に突き刺さり死亡した事例も…矢の如く人を襲う脅威の魚 ダツはこれまで紹介した魚と違い、毒棘を持っているわけではない。しかし、場合によっては身体に障害が残るほどの大けがをする危険が潜んでいる。というのも、ダツの両顎はくちばしのように鋭く伸びて、さらに硬いのでこれが矢のような殺傷能力を持つのだ。 さらに光源に向かって突進する習性があるため、ナイトダイビングや夜間の漁での事故も報告されている。漁師からは“サメよりも怖い存在”と言われ、過去には首や目に突き刺さって死亡した事例もある。 聞いただけでも恐ろしい魚だが、海のルアー釣りやコマセを使ったウキ釣りでも簡単に釣れてしまうほど近海を群れで回遊している。 明るい時間に釣り上げたダツなんてまるで陸に上がった河童のようだと、甘く見ていたら大間違いだ。ダツは素手で掴もうとすると大暴れして尖った顎を振り回すので、最悪の場合、陸でも目や身体に突き刺さる恐れがある。さらに、脅威は尖った顎だけでない。致命的なダメージを与えるため、噛みついた獲物を離さないよう、鋭い歯が顎に目いっぱい生え揃っているので、針を外す際も注意が必要だ。 リリースする際はタオルを被せて可動域を抑えたら魚掴みで頭を掴んで素早く逃がそう。牛肉をも喰らう海のギャングことウツボ 黄色を基調としたファンシーな柄が特徴的で、生活環境に溶け込むための保護色で身を隠す魚とは真逆の進化を遂げた魚。一般的なスーパーなどでは流通しないが、高知県や千葉県、和歌山県などの産地ではウツボを使った郷土料理や専門店、お土産があるほど食文化も発展している。 ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。ウツボが釣れたときはどうすればいい? 毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。 また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
尾鰭をひらひらと左右に振りながら泳ぐ姿はアクアリウムの一員にもなるほど癒し系だが、ひとたび刺されるとアイドルの仮面を被った危険な魚だと察するだろう。堤防での投げ釣りや足元に垂らした胴突き仕掛け、ウキ釣りでも釣れるため、実は遭遇率の高い有毒魚である。
ゴンズイの毒棘は胸鰭と背鰭にあるため素手で掴むのは大変危険。エラをカットして血を抜くか頭を落として絶命させてから鰭をカットすると安全だ。
釣れるサイズは10~20cmと小型であるものの、グリップ力の弱い魚掴みだと体表のヌメリで滑りやすく、暴れたタイミングですっぽ抜ける恐れがあるため、がっしり握れるものが良い。
また、どの魚にもいえることだが、大人しくなったように見えても触った瞬間に暴れだして手を引く前に刺されてしまう。実際に、このパターンで私は一度ゴンズイに刺されたことがある。まず、刺された瞬間に注射とは比較にならない激痛が走った。一瞬のことで何が起こったか分からないほど。 そして、実はゴンズイの毒棘はノコギリのようなカエシが付いているため、引き抜く際に皮膚をえぐるので傷痕が広くなる。すぐさま刺された指が腫れてきてズキズキとした疼痛が続く。数時間で肘まで腫れあがり、腕全体が鈍い痛みに襲われる。プライヤーを使わなかったことを後悔するまで時間はかからなかった……。 ゴンズイの毒は、アイゴ同様にタンパク毒なのでお湯に患部を浸けることで痛みが緩和する。とはいえ、釣り場でお湯が手に入るほうが珍しい。自動販売機のホットドリンクを当てるなどの応急処置を施すのも一手だ。 刺された体験を聞いた後にゴンズイを食べようなんて思う人はいないと思うが(私も刺されて以来ゴンズイを食べていない……)、実は高級魚に匹敵するほど、身に味わいがある。 一番おすすめする調理は煮つけ。脂が乗っているので、煮たてた身はマアナゴのようにふわっとした白身で軟らかく、タレとの馴染みが良い。また、鼻から抜ける独特な香りがゴンズイの旨さの真髄でもある。当然、天ぷらにしてもその旨さは健在で芳醇な香りを楽しめる。皆様には痛い思いをしないように食卓まで運んでほしい。刺されると酷い後遺症が残ることも… 狙って釣る人は少ないが、小魚の泳がせ釣りや魚の切り身などを使ったブッコミ釣りのゲストとして釣れてしまう非常に厄介な魚であるアカエイ。 生息域も広く、内湾、外洋はもちろん汽水域まで遡上するほど生命力が高いことでも知られる。私の経験では房総半島の先端から隅田川の中流域まで釣れたことがあるため、釣れない場所を見つける方が難しい。 そんなアカエイの毒棘は尻尾にあるのだが、尻尾全体が棘になっているわけではなく、表を向けて真ん中あたりから10cmほど尾棘が伸びている。 これまで紹介した魚とは違い、棘が長い。そして、アカエイの尾棘もゴンズイ同様にノコギリのようなカエシがあるため、かすめただけでも深刻なダメージを受けやすい。特に刺傷の場合は後遺症が残った症例もあるので、釣れた場合は尾棘の射程圏内に近づかずリリースしたい。アカエイが釣れたときの注意点 アカエイが釣れてしまったときに注意すべき点は2つ。(1)タモでランディングするとき タモですくって陸に上げる瞬間が、最もアカエイの尾棘に手や身体が近づくタイミングなので、アカエイがネットを破って尾棘を振り回すことを想定した距離感でランディングを行おう。(2)仕掛けを外すとき エサ釣りの場合は口に針がかかっていることがほとんどなので、尾棘から遠いところで針を外すことになるが、アカエイは危険を察知すると長い尻尾を振り回したり反り返って抵抗するため油断は禁物。環境負荷を考えると望ましくはないが、無理に針を外さずハリスをカットしてリリースするといった判断も重要になる。 なお、毒魚に刺されてしまった場合は痛みを我慢せず、すぐに釣りを終えて適切な対処をしよう。病院に向かうことも一つの選択肢である。 私自身も、釣りの最中に知人がアカエイに刺されてしまった経験があり、病院まで付き添ったことがある。数センチの切傷でも我慢できない痛みに悶絶しており、とても自力で運転できる状態ではなかった。刺された瞬間はアドレナリンで興奮状態になり、大丈夫な気がすることもあろうが、時間と共に身動きが取れなくなる可能性も低くない。手遅れになる前に救急車を呼ぶ勇気も必要だろう。首に突き刺さり死亡した事例も…矢の如く人を襲う脅威の魚 ダツはこれまで紹介した魚と違い、毒棘を持っているわけではない。しかし、場合によっては身体に障害が残るほどの大けがをする危険が潜んでいる。というのも、ダツの両顎はくちばしのように鋭く伸びて、さらに硬いのでこれが矢のような殺傷能力を持つのだ。 さらに光源に向かって突進する習性があるため、ナイトダイビングや夜間の漁での事故も報告されている。漁師からは“サメよりも怖い存在”と言われ、過去には首や目に突き刺さって死亡した事例もある。 聞いただけでも恐ろしい魚だが、海のルアー釣りやコマセを使ったウキ釣りでも簡単に釣れてしまうほど近海を群れで回遊している。 明るい時間に釣り上げたダツなんてまるで陸に上がった河童のようだと、甘く見ていたら大間違いだ。ダツは素手で掴もうとすると大暴れして尖った顎を振り回すので、最悪の場合、陸でも目や身体に突き刺さる恐れがある。さらに、脅威は尖った顎だけでない。致命的なダメージを与えるため、噛みついた獲物を離さないよう、鋭い歯が顎に目いっぱい生え揃っているので、針を外す際も注意が必要だ。 リリースする際はタオルを被せて可動域を抑えたら魚掴みで頭を掴んで素早く逃がそう。牛肉をも喰らう海のギャングことウツボ 黄色を基調としたファンシーな柄が特徴的で、生活環境に溶け込むための保護色で身を隠す魚とは真逆の進化を遂げた魚。一般的なスーパーなどでは流通しないが、高知県や千葉県、和歌山県などの産地ではウツボを使った郷土料理や専門店、お土産があるほど食文化も発展している。 ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。ウツボが釣れたときはどうすればいい? 毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。 また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
また、どの魚にもいえることだが、大人しくなったように見えても触った瞬間に暴れだして手を引く前に刺されてしまう。実際に、このパターンで私は一度ゴンズイに刺されたことがある。まず、刺された瞬間に注射とは比較にならない激痛が走った。一瞬のことで何が起こったか分からないほど。
そして、実はゴンズイの毒棘はノコギリのようなカエシが付いているため、引き抜く際に皮膚をえぐるので傷痕が広くなる。すぐさま刺された指が腫れてきてズキズキとした疼痛が続く。数時間で肘まで腫れあがり、腕全体が鈍い痛みに襲われる。プライヤーを使わなかったことを後悔するまで時間はかからなかった……。
ゴンズイの毒は、アイゴ同様にタンパク毒なのでお湯に患部を浸けることで痛みが緩和する。とはいえ、釣り場でお湯が手に入るほうが珍しい。自動販売機のホットドリンクを当てるなどの応急処置を施すのも一手だ。 刺された体験を聞いた後にゴンズイを食べようなんて思う人はいないと思うが(私も刺されて以来ゴンズイを食べていない……)、実は高級魚に匹敵するほど、身に味わいがある。 一番おすすめする調理は煮つけ。脂が乗っているので、煮たてた身はマアナゴのようにふわっとした白身で軟らかく、タレとの馴染みが良い。また、鼻から抜ける独特な香りがゴンズイの旨さの真髄でもある。当然、天ぷらにしてもその旨さは健在で芳醇な香りを楽しめる。皆様には痛い思いをしないように食卓まで運んでほしい。刺されると酷い後遺症が残ることも… 狙って釣る人は少ないが、小魚の泳がせ釣りや魚の切り身などを使ったブッコミ釣りのゲストとして釣れてしまう非常に厄介な魚であるアカエイ。 生息域も広く、内湾、外洋はもちろん汽水域まで遡上するほど生命力が高いことでも知られる。私の経験では房総半島の先端から隅田川の中流域まで釣れたことがあるため、釣れない場所を見つける方が難しい。 そんなアカエイの毒棘は尻尾にあるのだが、尻尾全体が棘になっているわけではなく、表を向けて真ん中あたりから10cmほど尾棘が伸びている。 これまで紹介した魚とは違い、棘が長い。そして、アカエイの尾棘もゴンズイ同様にノコギリのようなカエシがあるため、かすめただけでも深刻なダメージを受けやすい。特に刺傷の場合は後遺症が残った症例もあるので、釣れた場合は尾棘の射程圏内に近づかずリリースしたい。アカエイが釣れたときの注意点 アカエイが釣れてしまったときに注意すべき点は2つ。(1)タモでランディングするとき タモですくって陸に上げる瞬間が、最もアカエイの尾棘に手や身体が近づくタイミングなので、アカエイがネットを破って尾棘を振り回すことを想定した距離感でランディングを行おう。(2)仕掛けを外すとき エサ釣りの場合は口に針がかかっていることがほとんどなので、尾棘から遠いところで針を外すことになるが、アカエイは危険を察知すると長い尻尾を振り回したり反り返って抵抗するため油断は禁物。環境負荷を考えると望ましくはないが、無理に針を外さずハリスをカットしてリリースするといった判断も重要になる。 なお、毒魚に刺されてしまった場合は痛みを我慢せず、すぐに釣りを終えて適切な対処をしよう。病院に向かうことも一つの選択肢である。 私自身も、釣りの最中に知人がアカエイに刺されてしまった経験があり、病院まで付き添ったことがある。数センチの切傷でも我慢できない痛みに悶絶しており、とても自力で運転できる状態ではなかった。刺された瞬間はアドレナリンで興奮状態になり、大丈夫な気がすることもあろうが、時間と共に身動きが取れなくなる可能性も低くない。手遅れになる前に救急車を呼ぶ勇気も必要だろう。首に突き刺さり死亡した事例も…矢の如く人を襲う脅威の魚 ダツはこれまで紹介した魚と違い、毒棘を持っているわけではない。しかし、場合によっては身体に障害が残るほどの大けがをする危険が潜んでいる。というのも、ダツの両顎はくちばしのように鋭く伸びて、さらに硬いのでこれが矢のような殺傷能力を持つのだ。 さらに光源に向かって突進する習性があるため、ナイトダイビングや夜間の漁での事故も報告されている。漁師からは“サメよりも怖い存在”と言われ、過去には首や目に突き刺さって死亡した事例もある。 聞いただけでも恐ろしい魚だが、海のルアー釣りやコマセを使ったウキ釣りでも簡単に釣れてしまうほど近海を群れで回遊している。 明るい時間に釣り上げたダツなんてまるで陸に上がった河童のようだと、甘く見ていたら大間違いだ。ダツは素手で掴もうとすると大暴れして尖った顎を振り回すので、最悪の場合、陸でも目や身体に突き刺さる恐れがある。さらに、脅威は尖った顎だけでない。致命的なダメージを与えるため、噛みついた獲物を離さないよう、鋭い歯が顎に目いっぱい生え揃っているので、針を外す際も注意が必要だ。 リリースする際はタオルを被せて可動域を抑えたら魚掴みで頭を掴んで素早く逃がそう。牛肉をも喰らう海のギャングことウツボ 黄色を基調としたファンシーな柄が特徴的で、生活環境に溶け込むための保護色で身を隠す魚とは真逆の進化を遂げた魚。一般的なスーパーなどでは流通しないが、高知県や千葉県、和歌山県などの産地ではウツボを使った郷土料理や専門店、お土産があるほど食文化も発展している。 ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。ウツボが釣れたときはどうすればいい? 毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。 また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
ゴンズイの毒は、アイゴ同様にタンパク毒なのでお湯に患部を浸けることで痛みが緩和する。とはいえ、釣り場でお湯が手に入るほうが珍しい。自動販売機のホットドリンクを当てるなどの応急処置を施すのも一手だ。
刺された体験を聞いた後にゴンズイを食べようなんて思う人はいないと思うが(私も刺されて以来ゴンズイを食べていない……)、実は高級魚に匹敵するほど、身に味わいがある。
一番おすすめする調理は煮つけ。脂が乗っているので、煮たてた身はマアナゴのようにふわっとした白身で軟らかく、タレとの馴染みが良い。また、鼻から抜ける独特な香りがゴンズイの旨さの真髄でもある。当然、天ぷらにしてもその旨さは健在で芳醇な香りを楽しめる。皆様には痛い思いをしないように食卓まで運んでほしい。
狙って釣る人は少ないが、小魚の泳がせ釣りや魚の切り身などを使ったブッコミ釣りのゲストとして釣れてしまう非常に厄介な魚であるアカエイ。
生息域も広く、内湾、外洋はもちろん汽水域まで遡上するほど生命力が高いことでも知られる。私の経験では房総半島の先端から隅田川の中流域まで釣れたことがあるため、釣れない場所を見つける方が難しい。 そんなアカエイの毒棘は尻尾にあるのだが、尻尾全体が棘になっているわけではなく、表を向けて真ん中あたりから10cmほど尾棘が伸びている。 これまで紹介した魚とは違い、棘が長い。そして、アカエイの尾棘もゴンズイ同様にノコギリのようなカエシがあるため、かすめただけでも深刻なダメージを受けやすい。特に刺傷の場合は後遺症が残った症例もあるので、釣れた場合は尾棘の射程圏内に近づかずリリースしたい。アカエイが釣れたときの注意点 アカエイが釣れてしまったときに注意すべき点は2つ。(1)タモでランディングするとき タモですくって陸に上げる瞬間が、最もアカエイの尾棘に手や身体が近づくタイミングなので、アカエイがネットを破って尾棘を振り回すことを想定した距離感でランディングを行おう。(2)仕掛けを外すとき エサ釣りの場合は口に針がかかっていることがほとんどなので、尾棘から遠いところで針を外すことになるが、アカエイは危険を察知すると長い尻尾を振り回したり反り返って抵抗するため油断は禁物。環境負荷を考えると望ましくはないが、無理に針を外さずハリスをカットしてリリースするといった判断も重要になる。 なお、毒魚に刺されてしまった場合は痛みを我慢せず、すぐに釣りを終えて適切な対処をしよう。病院に向かうことも一つの選択肢である。 私自身も、釣りの最中に知人がアカエイに刺されてしまった経験があり、病院まで付き添ったことがある。数センチの切傷でも我慢できない痛みに悶絶しており、とても自力で運転できる状態ではなかった。刺された瞬間はアドレナリンで興奮状態になり、大丈夫な気がすることもあろうが、時間と共に身動きが取れなくなる可能性も低くない。手遅れになる前に救急車を呼ぶ勇気も必要だろう。首に突き刺さり死亡した事例も…矢の如く人を襲う脅威の魚 ダツはこれまで紹介した魚と違い、毒棘を持っているわけではない。しかし、場合によっては身体に障害が残るほどの大けがをする危険が潜んでいる。というのも、ダツの両顎はくちばしのように鋭く伸びて、さらに硬いのでこれが矢のような殺傷能力を持つのだ。 さらに光源に向かって突進する習性があるため、ナイトダイビングや夜間の漁での事故も報告されている。漁師からは“サメよりも怖い存在”と言われ、過去には首や目に突き刺さって死亡した事例もある。 聞いただけでも恐ろしい魚だが、海のルアー釣りやコマセを使ったウキ釣りでも簡単に釣れてしまうほど近海を群れで回遊している。 明るい時間に釣り上げたダツなんてまるで陸に上がった河童のようだと、甘く見ていたら大間違いだ。ダツは素手で掴もうとすると大暴れして尖った顎を振り回すので、最悪の場合、陸でも目や身体に突き刺さる恐れがある。さらに、脅威は尖った顎だけでない。致命的なダメージを与えるため、噛みついた獲物を離さないよう、鋭い歯が顎に目いっぱい生え揃っているので、針を外す際も注意が必要だ。 リリースする際はタオルを被せて可動域を抑えたら魚掴みで頭を掴んで素早く逃がそう。牛肉をも喰らう海のギャングことウツボ 黄色を基調としたファンシーな柄が特徴的で、生活環境に溶け込むための保護色で身を隠す魚とは真逆の進化を遂げた魚。一般的なスーパーなどでは流通しないが、高知県や千葉県、和歌山県などの産地ではウツボを使った郷土料理や専門店、お土産があるほど食文化も発展している。 ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。ウツボが釣れたときはどうすればいい? 毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。 また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
生息域も広く、内湾、外洋はもちろん汽水域まで遡上するほど生命力が高いことでも知られる。私の経験では房総半島の先端から隅田川の中流域まで釣れたことがあるため、釣れない場所を見つける方が難しい。
そんなアカエイの毒棘は尻尾にあるのだが、尻尾全体が棘になっているわけではなく、表を向けて真ん中あたりから10cmほど尾棘が伸びている。
これまで紹介した魚とは違い、棘が長い。そして、アカエイの尾棘もゴンズイ同様にノコギリのようなカエシがあるため、かすめただけでも深刻なダメージを受けやすい。特に刺傷の場合は後遺症が残った症例もあるので、釣れた場合は尾棘の射程圏内に近づかずリリースしたい。アカエイが釣れたときの注意点 アカエイが釣れてしまったときに注意すべき点は2つ。(1)タモでランディングするとき タモですくって陸に上げる瞬間が、最もアカエイの尾棘に手や身体が近づくタイミングなので、アカエイがネットを破って尾棘を振り回すことを想定した距離感でランディングを行おう。(2)仕掛けを外すとき エサ釣りの場合は口に針がかかっていることがほとんどなので、尾棘から遠いところで針を外すことになるが、アカエイは危険を察知すると長い尻尾を振り回したり反り返って抵抗するため油断は禁物。環境負荷を考えると望ましくはないが、無理に針を外さずハリスをカットしてリリースするといった判断も重要になる。 なお、毒魚に刺されてしまった場合は痛みを我慢せず、すぐに釣りを終えて適切な対処をしよう。病院に向かうことも一つの選択肢である。 私自身も、釣りの最中に知人がアカエイに刺されてしまった経験があり、病院まで付き添ったことがある。数センチの切傷でも我慢できない痛みに悶絶しており、とても自力で運転できる状態ではなかった。刺された瞬間はアドレナリンで興奮状態になり、大丈夫な気がすることもあろうが、時間と共に身動きが取れなくなる可能性も低くない。手遅れになる前に救急車を呼ぶ勇気も必要だろう。首に突き刺さり死亡した事例も…矢の如く人を襲う脅威の魚 ダツはこれまで紹介した魚と違い、毒棘を持っているわけではない。しかし、場合によっては身体に障害が残るほどの大けがをする危険が潜んでいる。というのも、ダツの両顎はくちばしのように鋭く伸びて、さらに硬いのでこれが矢のような殺傷能力を持つのだ。 さらに光源に向かって突進する習性があるため、ナイトダイビングや夜間の漁での事故も報告されている。漁師からは“サメよりも怖い存在”と言われ、過去には首や目に突き刺さって死亡した事例もある。 聞いただけでも恐ろしい魚だが、海のルアー釣りやコマセを使ったウキ釣りでも簡単に釣れてしまうほど近海を群れで回遊している。 明るい時間に釣り上げたダツなんてまるで陸に上がった河童のようだと、甘く見ていたら大間違いだ。ダツは素手で掴もうとすると大暴れして尖った顎を振り回すので、最悪の場合、陸でも目や身体に突き刺さる恐れがある。さらに、脅威は尖った顎だけでない。致命的なダメージを与えるため、噛みついた獲物を離さないよう、鋭い歯が顎に目いっぱい生え揃っているので、針を外す際も注意が必要だ。 リリースする際はタオルを被せて可動域を抑えたら魚掴みで頭を掴んで素早く逃がそう。牛肉をも喰らう海のギャングことウツボ 黄色を基調としたファンシーな柄が特徴的で、生活環境に溶け込むための保護色で身を隠す魚とは真逆の進化を遂げた魚。一般的なスーパーなどでは流通しないが、高知県や千葉県、和歌山県などの産地ではウツボを使った郷土料理や専門店、お土産があるほど食文化も発展している。 ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。ウツボが釣れたときはどうすればいい? 毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。 また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
これまで紹介した魚とは違い、棘が長い。そして、アカエイの尾棘もゴンズイ同様にノコギリのようなカエシがあるため、かすめただけでも深刻なダメージを受けやすい。特に刺傷の場合は後遺症が残った症例もあるので、釣れた場合は尾棘の射程圏内に近づかずリリースしたい。
アカエイが釣れてしまったときに注意すべき点は2つ。
(1)タモでランディングするとき
タモですくって陸に上げる瞬間が、最もアカエイの尾棘に手や身体が近づくタイミングなので、アカエイがネットを破って尾棘を振り回すことを想定した距離感でランディングを行おう。
(2)仕掛けを外すとき エサ釣りの場合は口に針がかかっていることがほとんどなので、尾棘から遠いところで針を外すことになるが、アカエイは危険を察知すると長い尻尾を振り回したり反り返って抵抗するため油断は禁物。環境負荷を考えると望ましくはないが、無理に針を外さずハリスをカットしてリリースするといった判断も重要になる。 なお、毒魚に刺されてしまった場合は痛みを我慢せず、すぐに釣りを終えて適切な対処をしよう。病院に向かうことも一つの選択肢である。 私自身も、釣りの最中に知人がアカエイに刺されてしまった経験があり、病院まで付き添ったことがある。数センチの切傷でも我慢できない痛みに悶絶しており、とても自力で運転できる状態ではなかった。刺された瞬間はアドレナリンで興奮状態になり、大丈夫な気がすることもあろうが、時間と共に身動きが取れなくなる可能性も低くない。手遅れになる前に救急車を呼ぶ勇気も必要だろう。首に突き刺さり死亡した事例も…矢の如く人を襲う脅威の魚 ダツはこれまで紹介した魚と違い、毒棘を持っているわけではない。しかし、場合によっては身体に障害が残るほどの大けがをする危険が潜んでいる。というのも、ダツの両顎はくちばしのように鋭く伸びて、さらに硬いのでこれが矢のような殺傷能力を持つのだ。 さらに光源に向かって突進する習性があるため、ナイトダイビングや夜間の漁での事故も報告されている。漁師からは“サメよりも怖い存在”と言われ、過去には首や目に突き刺さって死亡した事例もある。 聞いただけでも恐ろしい魚だが、海のルアー釣りやコマセを使ったウキ釣りでも簡単に釣れてしまうほど近海を群れで回遊している。 明るい時間に釣り上げたダツなんてまるで陸に上がった河童のようだと、甘く見ていたら大間違いだ。ダツは素手で掴もうとすると大暴れして尖った顎を振り回すので、最悪の場合、陸でも目や身体に突き刺さる恐れがある。さらに、脅威は尖った顎だけでない。致命的なダメージを与えるため、噛みついた獲物を離さないよう、鋭い歯が顎に目いっぱい生え揃っているので、針を外す際も注意が必要だ。 リリースする際はタオルを被せて可動域を抑えたら魚掴みで頭を掴んで素早く逃がそう。牛肉をも喰らう海のギャングことウツボ 黄色を基調としたファンシーな柄が特徴的で、生活環境に溶け込むための保護色で身を隠す魚とは真逆の進化を遂げた魚。一般的なスーパーなどでは流通しないが、高知県や千葉県、和歌山県などの産地ではウツボを使った郷土料理や専門店、お土産があるほど食文化も発展している。 ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。ウツボが釣れたときはどうすればいい? 毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。 また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
(2)仕掛けを外すとき
エサ釣りの場合は口に針がかかっていることがほとんどなので、尾棘から遠いところで針を外すことになるが、アカエイは危険を察知すると長い尻尾を振り回したり反り返って抵抗するため油断は禁物。環境負荷を考えると望ましくはないが、無理に針を外さずハリスをカットしてリリースするといった判断も重要になる。
なお、毒魚に刺されてしまった場合は痛みを我慢せず、すぐに釣りを終えて適切な対処をしよう。病院に向かうことも一つの選択肢である。
私自身も、釣りの最中に知人がアカエイに刺されてしまった経験があり、病院まで付き添ったことがある。数センチの切傷でも我慢できない痛みに悶絶しており、とても自力で運転できる状態ではなかった。刺された瞬間はアドレナリンで興奮状態になり、大丈夫な気がすることもあろうが、時間と共に身動きが取れなくなる可能性も低くない。手遅れになる前に救急車を呼ぶ勇気も必要だろう。
ダツはこれまで紹介した魚と違い、毒棘を持っているわけではない。しかし、場合によっては身体に障害が残るほどの大けがをする危険が潜んでいる。というのも、ダツの両顎はくちばしのように鋭く伸びて、さらに硬いのでこれが矢のような殺傷能力を持つのだ。
さらに光源に向かって突進する習性があるため、ナイトダイビングや夜間の漁での事故も報告されている。漁師からは“サメよりも怖い存在”と言われ、過去には首や目に突き刺さって死亡した事例もある。 聞いただけでも恐ろしい魚だが、海のルアー釣りやコマセを使ったウキ釣りでも簡単に釣れてしまうほど近海を群れで回遊している。 明るい時間に釣り上げたダツなんてまるで陸に上がった河童のようだと、甘く見ていたら大間違いだ。ダツは素手で掴もうとすると大暴れして尖った顎を振り回すので、最悪の場合、陸でも目や身体に突き刺さる恐れがある。さらに、脅威は尖った顎だけでない。致命的なダメージを与えるため、噛みついた獲物を離さないよう、鋭い歯が顎に目いっぱい生え揃っているので、針を外す際も注意が必要だ。 リリースする際はタオルを被せて可動域を抑えたら魚掴みで頭を掴んで素早く逃がそう。牛肉をも喰らう海のギャングことウツボ 黄色を基調としたファンシーな柄が特徴的で、生活環境に溶け込むための保護色で身を隠す魚とは真逆の進化を遂げた魚。一般的なスーパーなどでは流通しないが、高知県や千葉県、和歌山県などの産地ではウツボを使った郷土料理や専門店、お土産があるほど食文化も発展している。 ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。ウツボが釣れたときはどうすればいい? 毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。 また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
さらに光源に向かって突進する習性があるため、ナイトダイビングや夜間の漁での事故も報告されている。漁師からは“サメよりも怖い存在”と言われ、過去には首や目に突き刺さって死亡した事例もある。
聞いただけでも恐ろしい魚だが、海のルアー釣りやコマセを使ったウキ釣りでも簡単に釣れてしまうほど近海を群れで回遊している。
明るい時間に釣り上げたダツなんてまるで陸に上がった河童のようだと、甘く見ていたら大間違いだ。ダツは素手で掴もうとすると大暴れして尖った顎を振り回すので、最悪の場合、陸でも目や身体に突き刺さる恐れがある。さらに、脅威は尖った顎だけでない。致命的なダメージを与えるため、噛みついた獲物を離さないよう、鋭い歯が顎に目いっぱい生え揃っているので、針を外す際も注意が必要だ。 リリースする際はタオルを被せて可動域を抑えたら魚掴みで頭を掴んで素早く逃がそう。牛肉をも喰らう海のギャングことウツボ 黄色を基調としたファンシーな柄が特徴的で、生活環境に溶け込むための保護色で身を隠す魚とは真逆の進化を遂げた魚。一般的なスーパーなどでは流通しないが、高知県や千葉県、和歌山県などの産地ではウツボを使った郷土料理や専門店、お土産があるほど食文化も発展している。 ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。ウツボが釣れたときはどうすればいい? 毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。 また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
明るい時間に釣り上げたダツなんてまるで陸に上がった河童のようだと、甘く見ていたら大間違いだ。ダツは素手で掴もうとすると大暴れして尖った顎を振り回すので、最悪の場合、陸でも目や身体に突き刺さる恐れがある。さらに、脅威は尖った顎だけでない。致命的なダメージを与えるため、噛みついた獲物を離さないよう、鋭い歯が顎に目いっぱい生え揃っているので、針を外す際も注意が必要だ。
リリースする際はタオルを被せて可動域を抑えたら魚掴みで頭を掴んで素早く逃がそう。
黄色を基調としたファンシーな柄が特徴的で、生活環境に溶け込むための保護色で身を隠す魚とは真逆の進化を遂げた魚。一般的なスーパーなどでは流通しないが、高知県や千葉県、和歌山県などの産地ではウツボを使った郷土料理や専門店、お土産があるほど食文化も発展している。
ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。ウツボが釣れたときはどうすればいい? 毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。 また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
ウツボもダツと同様に有毒ではないが、凶器のような鋭い歯と、その威力を何倍にも補強する咬合力を持ち合わせているため、海のギャングと呼ばれている。これまで紹介した魚よりも釣れるエリアは限られ、黒潮の影響を受ける太平洋沿岸の磯場や、磯と隣接する漁港などに生息する。
毎年のように房総半島で釣っているが、ウツボはいまだに油断できない魚の一つ。大袈裟かもしれないがウツボに噛まれたら“終わり”だと思っている。ウツボの歯は針のような剣山タイプではなく、一本一本がナイフのような刃物になっている。そのため、噛まれれば傷口は深く鋭く切り裂かれるため流血量も多くなる。運悪く生身の手首を噛まれたときには死に至る可能性まである。
また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。 そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。ウツボは何をしても美味しい! そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない! タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
また、ウツボを陸に釣り上げたとしても完全に人間が主導権を握ったわけではない。短時間であれば、皮膚呼吸もできるウツボは、陸上で獲物を捕食できるほどの、地上での方向感覚もある。針を外そうとした釣り人の腕を狙って噛みついて来ることもしばしばだ。フィッシュグリップで静止できるサイズでもなければプライヤーの柄の長さではとても安全マージンを確保できない。
そのため、持ち帰る場合は少し荒業になるものの、棒や大きめの石で頭を叩いて完全に締める必要がある。アジや青物などの魚は徹底して血抜き処理をして持ち帰るので、美味しくいただくためにこの方法が最適とは言えないと自覚しているが、ヒヤリハットを経験しているので、確実にケガをしないやり方として参考にしてもらいたい。
そんなウツボを料理するなら、一番のおすすめは鍋。虎柄の皮は見た目とは裏腹にゼラチン質で火を通すと柔らかくなる。身は弾力があり噛みしめるとウツボの旨味が染み出て箸が止まらない!
タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。触るな危険! 海の毒毛虫ことウミケムシ 投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。 見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
タタキやから揚げにしても、皮と身のそれぞれ異なる食感が独特で、他の魚では味わえない食味になっている。釣れた場合は安全を確保したうえで持ち帰ってみるのも一考だ。
投げ釣りの天敵としても知られるウミケムシは、環形動物の多毛類という括りでは我々が普段釣りで使用しているイソメやゴカイの仲間である。しかし、決定的な違いはその毛量と有毒であることだ。ふわふわで柔らかそうに見える毛だが、触ると細かい繊維が皮膚に突き刺さり、痺れなどの炎症を引き起こす。
見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。 日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
見た目が圧倒的にグロテスクなので触ってはいけない生物であることは一目瞭然だが、油断は禁物。私の場合、大阪でアナゴ狙いの投げ釣りをしていたころ、釣れたウミケムシを横着して素手で針を外したところ、毛が指に刺さり酷い目に遭った。
日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。 刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。 ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
日本海の一部沿岸では大量繁殖しているとの情報も目にする。私が釣りをするエリアだと、地元の岡山県瀬戸内市の漁港で2本針の仕掛けにウミケムシが2匹釣れる地獄のような状況に陥ったこともある。
刺された釣り人に言われても説得力に欠けるが、絶対に素手で触ることは避けましょう。
ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。 なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。有毒魚としての認知度は低いが… 最後に紹介するのはオニオコゼ。 名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
ウミケムシを逃がす場合は、まず、魚掴みで挟んで、もう一方の片手でプライヤーを使用して針を外す。しかし、厄介なのは針を飲み込んでしまうケース。その場合、引っ張っても針が上手く抜けず、それどころかカエシでウミケムシの中身が飛び出てしまう。生かしてリリースするためには、ハリスを極力短く残してカットしたほうが双方ダメージが少ない。他の釣人が誤って触れてしまう恐れがあるためその場に放置するのは止めましょう。
なお、万が一刺された場合は手で抜こうとせずテープなどの粘着物で絡めとることが推奨されている。
最後に紹介するのはオニオコゼ。
名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。 オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
名前の由来は「オコ(酷い)」+「ゼ(魚名語尾)」で構成され、見た目が酷い魚という残念な名付けられ方……。たしかに飛び出した目や顔の凹凸、色味のはっきりしない土色の体色は愛嬌こそない。しかし、海底の岩礁に完全擬態できる保護色や毒をもって外敵から身を守る能力は、自然の摂理を理解し正しい進化を遂げてきた証ではないだろうか。
オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。 持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
オニオコゼは背鰭に毒棘を持つため、素手で掴むのはリスキーだ。関東在住の筆者からするとゴンズイやアイゴのように頻繁に釣れるわけではないので、有毒魚としての認知度がまだ低く感じる。しかし、最近、生息域が北上し東京湾の川崎市にあるファミリー向け釣り場でも釣れているそうだ。
持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。危険を知って楽しい釣りを! 釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。 それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!(ぬこまた釣査団(大西))
持ち帰る際は、生きたまま背鰭を切るのではなく、一度エラを切って血抜きをした後に毒棘の処理をする。近縁種で堤防でも度々登場するハオコゼも有毒魚なので釣れた際は魚掴みで固定した後、プライヤーで針を外してほしい。
釣りをしていると、堤防で有毒魚が捨てられているのを目にすることも珍しくない。確かに有毒魚は危険な魚かもしれない。しかし、その場に捨ててしまうと、何も知らない子どもなどが誤って触って二次被害を受けることがある。
それに有毒魚も1つの命だ。ぞんざいに扱って良いわけがない。釣った魚は責任を持ってリリースするか持ち帰りましょう。また、有毒魚でも毒の処理を知っていれば美味しくいただける(フグとかキタマクラはまた別の話!)。危険を知って楽しい釣りライフを送りましょう!
(ぬこまた釣査団(大西))