東京都内にあるイタリア料理店のランチタイム。
前菜のルッコラや自家製ハムのサラダには、仕上げにオリーブオイルを回しかける。また、暑い日にぴったりな冷製パスタのトマトソースにもオリーブオイルを使用。
こうしたイタリア料理に欠かせないオリーブオイルの価格が今、世界的に急騰している。
イタリア料理ジータ 福田耕二オーナーシェフ:値上がりしています。1年、2年前の1.5倍ほどになっています。イタリア料理店なので、前菜からメインまで全ての料理に使うので。水のように使うとは言わないですが、一番多く使う調味料の一つではあります。
オリーブオイルの生産量で世界の約4割を占めるのがスペイン。
高騰の背景にあるのは、大規模な干ばつだ。その影響で原料となるオリーブの収穫量が半減している。
これを受け、ヨーロッパでのオリーブオイルの取引価格は、5月下旬の時点で前年比2倍近くまで急騰している。
こちらのイタリア料理店では2022年、原材料の高騰を受け、初めてランチの価格を100円から200円値上げしたばかり。これ以上の値上げは難しいと話す。
イタリア料理ジータ 福田耕二オーナーシェフ:地域の方を中心にやってるお店なので、簡単に値上げというのは難しいですね。
オリーブオイル高騰の影響は食卓にも及んでいる。
都内のスーパーを訪ねると、ボトルタイプと使い切りの小分けタイプのオリーブオイルが並んでいた。
こちらの店では在庫があるため、店頭価格などへの影響はまだ出ていないというが、今後については不安を抱いている。
アキダイ 関町本店 秋葉弘道社長:問屋さんの在庫が終われば、仕入れ価格が上がってしまう話は来ています。
都内の卸業者によると、日清オイリオのエキストラバージンオリーブオイル(456g)は、2年前の店頭価格が598円だったのが、今年は698円から780円で推移。200円近くも値上がりしているという。
オリーブオイルを扱うJ-オイルミルズは、取材に対し「現在の環境から、さらなる値上げの可能性は十分に考えられる」と回答した。
食卓に欠かせない存在のオリーブオイル。スペインの干ばつの影響が長引けば、価格の高騰は今後も続く恐れがある。
(「イット!」6月20日放送)