外出先から帰宅、鍵を開けて家に入ろうとするものの鍵が見つからない。
「落としたかも」「心当たりのある場所に電話をかけても警察に聞いても見つからない」「窓を割ろうにも近所から通報されるかもしれない…」
パニックに陥り、ただ時間ばかりが過ぎていく。そんな時に頼りになるのがプロによる「鍵開けサービス」だ。しかし近年、“悪質鍵開け業者”とのトラブルが少なくないという。
【映像】「“本当の価格”はここを見よ」 元大手事業者の職人が指南 ネットや電話で依頼すると、専門技術を持った“職人”がやって来て鍵を開けてくれる「鍵開けサービス」。しかし、このサービスについてSNS上で「(広告の金額より)はるかに高かった」「クーリングオフを申し出たけど拒否された」「その場で代金の支払いを強く求められた」などのトラブルが相次いでいる。

都内でも相談が後を絶たないそうで、その多くは「広告よりかなり高額の代金を提示された」というもの。こうした状況を受け2022年2月、消費者庁はこのような行為を繰り返していた業者に対して行政処分を行った。今後も同様の手口が行われる可能性があるとして、注意喚起をしている。 以前、家の鍵を失くしてしまったというABEMAスタッフ。スマートフォンで鍵開け業者を検索した当時について次のように語っている。「表示されていた請求金額は1万円くらいだった。(相場が)それくらいなのかなと思い、実際に電話してみたところ、窓口で『10万円かかる』と言われて…。お金で解決できるなら、という思いもよぎったがさすがに10万円はないのではないかと」 状況次第で10万円を支払った可能性もあったとのことだが、この件について、かつて大手鍵開け業者の作業員をしていたというAさんに話を聞いた。「技術料なので“相場”がない。高額な鍵屋さんが大手で占められていて、平均が高くなる。(高くても)電話で料金をちゃんと言った上で作業するなら問題ないと思う。電話で料金を聞いた際に言わない業者には注意をしたほうがいい。『現場で見ないとわかりません』などと述べ、電話口で料金を言わずに現場で高額な請求をするのは詐欺に近い」 では、複数の業者から見積もりを取ってみるのはどうだろうか。「同じ会社が名前をいくつも使って違う会社のように騙っている。名前が違う鍵屋に頼んだつもりでも、来るのは同じ系列の作業員なので同じ料金を提示されるだろう」 2022年2月、消費者庁は「消費者の利益を不当に害するおそれのある行為を繰り返し行なっている」として7社8サイトを公表。なんと、7社の代表は同一人物で、8つの鍵開けサービスのサイトを運営していた。これについて、Aさんは「消費者に鍵開けサービスの相場感を誤認させる狙いがあったのではないか」と推測する。 信頼できる事業者を見つけ、安心して作業を頼むにはどうしたらよいのか。Aさんは、元大手事業者ならではの“一般の人が知らないポイント”を教えてくれた。サイトの目立つ位置に掲示されている「料金表」と、目立たない位置にある「料金明細」の違いだ。 ただし、料金明細を見ても、鍵メーカーの品番ごとに金額が表示されるなど、専門的な知識がないとわからない可能性も。注意点としては、作業の難しさで価格が決まっているのではなく、いわゆる普通の家のギザギザの鍵のような“よくある普通の鍵”の金額を特別に高く設定しているケースもあることだと話す。 ところで、冒頭の10万円を提示されたABEMAスタッフは、最終的に個人の事業者に4万円で鍵を交換してもらった。この6万円の“差”とは何か。Aさんは、「広告費」が大きいと指摘する。Aさんが過去に働いていた大手の業者は、インターネット広告に月5000万円以上をかけていたそうだ。 日本ロックセキュリティ協同組合の担当者によると、鍵開けの業界に”適正価格“はないとのこと。「扉の状態や、開錠できない原因が一律ではないため、対処にかかる経費は条件により大幅に変わる。高額請求すること自体は違法とはいえず、“高額”という定義自体が曖昧である」という。 業者の見分け方のポイントは、「店舗を構え、長く地域に根ざしている場合、悪徳業者の可能性は低い。トラブルに備えて、事前に信頼できる業者を調べておくことが重要だ」としている。(『ABEMAヒルズ』より)
ネットや電話で依頼すると、専門技術を持った“職人”がやって来て鍵を開けてくれる「鍵開けサービス」。しかし、このサービスについてSNS上で「(広告の金額より)はるかに高かった」「クーリングオフを申し出たけど拒否された」「その場で代金の支払いを強く求められた」などのトラブルが相次いでいる。
都内でも相談が後を絶たないそうで、その多くは「広告よりかなり高額の代金を提示された」というもの。こうした状況を受け2022年2月、消費者庁はこのような行為を繰り返していた業者に対して行政処分を行った。今後も同様の手口が行われる可能性があるとして、注意喚起をしている。
以前、家の鍵を失くしてしまったというABEMAスタッフ。スマートフォンで鍵開け業者を検索した当時について次のように語っている。
「表示されていた請求金額は1万円くらいだった。(相場が)それくらいなのかなと思い、実際に電話してみたところ、窓口で『10万円かかる』と言われて…。お金で解決できるなら、という思いもよぎったがさすがに10万円はないのではないかと」
状況次第で10万円を支払った可能性もあったとのことだが、この件について、かつて大手鍵開け業者の作業員をしていたというAさんに話を聞いた。
「技術料なので“相場”がない。高額な鍵屋さんが大手で占められていて、平均が高くなる。(高くても)電話で料金をちゃんと言った上で作業するなら問題ないと思う。電話で料金を聞いた際に言わない業者には注意をしたほうがいい。『現場で見ないとわかりません』などと述べ、電話口で料金を言わずに現場で高額な請求をするのは詐欺に近い」
では、複数の業者から見積もりを取ってみるのはどうだろうか。
「同じ会社が名前をいくつも使って違う会社のように騙っている。名前が違う鍵屋に頼んだつもりでも、来るのは同じ系列の作業員なので同じ料金を提示されるだろう」
2022年2月、消費者庁は「消費者の利益を不当に害するおそれのある行為を繰り返し行なっている」として7社8サイトを公表。なんと、7社の代表は同一人物で、8つの鍵開けサービスのサイトを運営していた。これについて、Aさんは「消費者に鍵開けサービスの相場感を誤認させる狙いがあったのではないか」と推測する。
信頼できる事業者を見つけ、安心して作業を頼むにはどうしたらよいのか。Aさんは、元大手事業者ならではの“一般の人が知らないポイント”を教えてくれた。サイトの目立つ位置に掲示されている「料金表」と、目立たない位置にある「料金明細」の違いだ。
ただし、料金明細を見ても、鍵メーカーの品番ごとに金額が表示されるなど、専門的な知識がないとわからない可能性も。注意点としては、作業の難しさで価格が決まっているのではなく、いわゆる普通の家のギザギザの鍵のような“よくある普通の鍵”の金額を特別に高く設定しているケースもあることだと話す。
ところで、冒頭の10万円を提示されたABEMAスタッフは、最終的に個人の事業者に4万円で鍵を交換してもらった。この6万円の“差”とは何か。Aさんは、「広告費」が大きいと指摘する。Aさんが過去に働いていた大手の業者は、インターネット広告に月5000万円以上をかけていたそうだ。
日本ロックセキュリティ協同組合の担当者によると、鍵開けの業界に”適正価格“はないとのこと。「扉の状態や、開錠できない原因が一律ではないため、対処にかかる経費は条件により大幅に変わる。高額請求すること自体は違法とはいえず、“高額”という定義自体が曖昧である」という。
業者の見分け方のポイントは、「店舗を構え、長く地域に根ざしている場合、悪徳業者の可能性は低い。トラブルに備えて、事前に信頼できる業者を調べておくことが重要だ」としている。(『ABEMAヒルズ』より)