台風2号や活発化した梅雨前線が2日、近畿や四国に記録的な大雨をもたらした。
和歌山県では2人が行方不明となり、警察や消防が捜索したが、2日午後10時現在、見つかっていない。浸水被害も各地で相次ぐなど影響が広がった。
和歌山県では2日正午頃に線状降水帯が発生し、各地で大雨に見舞われた。
紀美野町釜滝の真国川では2日午後1時40分頃、町内を見回っていた町職員が、女性が乗った乗用車が流されているのを見つけ、119番した。乗っていたのは女性1人だけとみられる。同日午後には、紀の川市中鞆渕で70歳代の男性が、冠水していた自宅前の市道で濁流にのまれた。新宮市内では、歩行中の80歳代女性が風にあおられて転倒し、股関節を骨折した。
和歌山市口須佐地区では同日午後1時過ぎ、近くの川や用水路の水があふれ、一帯が冠水。民家の玄関の目の前まで水が迫った。
無職の男性(71)は「長年ここに住んでいるが、こんな事態は初めて。流されてしまいそうだから、怖くて避難もできない」と不安げだった。
高知県土佐清水市加久見地区では、国道321号沿いの溝から水があふれ出し、深いところでは膝上まで水がたまった。地区内の友人の家に土のうを積むのを手伝いに来た新聞配達業の男性(49)は「この地区はよく水につかるが、これほどの浸水を見るのは数年ぶり」と話していた。
同県黒潮町では2日午前9時頃、土佐くろしお鉄道の列車(1両)が線路上の土砂に衝突して脱線。乗客は乗っておらず、乗務員にけがはなかった。
■JR西、17区間で28万人に影響
JR西日本によると、2日は管内の17区間で約1300本の列車に運休や遅れが生じ、約28万人に影響した。同社は「3日も大雨の影響が残る可能性がある」として、和歌山県内を走る紀勢線の一部区間などで3日始発から終日運休する。
東海道新幹線は2日夜、東京―名古屋間で運転を取りやめた。