ふと口にした何気ない一言を相手が「失礼」と受け止めたら、昨日までの人間関係はもう終わり――。「失礼研究所所長」でコラムニストの石原壮一郎氏が、職場や家庭で特に注意が必要な世代間の“常識”の違いに着目し、思わぬ「落とし穴」の具体例を挙げる。
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【写真を見る】嫌われる「おじさんLINE」の一例〈普段気を付けているつもりでも、若い女性に対して「きれいになったね」、未婚男性に「独身は自由でいいね」など、うっかり現代社会の“禁句”を口にしてしまった人は少なくないのではないか。

2022年10月に終了した、本誌(「週刊新潮」)の好評連載「令和の失礼研究所 #これってアウト?」で「所長」を務めた石原壮一郎氏は、なんとなく口にした言葉や振る舞いで誰かを傷つけたり、後ろ指を指されたりする悲劇を防ぐためさまざまな事例を集め、紹介してきた。中でも気を配っておきたいのがジェネレーション・ギャップ。ここでは世代間の“齟齬(そご)”に話を絞り、日常会話からメールのやりとり、飲食店での態度まで、さまざまな局面で知っておきたい言動のレッドラインを探る。〉石原壮一郎所長(いしはらなつか)配偶者の呼び方に注意 今もなお、女性部下に、ホメるつもりで「気が利くね。いい奥さんになれるよ」と言う人は絶滅していません。このように、よかれと思って発した言葉や、何気なく取った行動が、相手をムッとさせるケースは多々あります。 転ばぬ先の杖。やらかす前のチェック。「失礼な人」「遅れている人」の烙印を押されないように、「ビジネス編」と「プライベート編」に分けて、「世代間ギャップから生まれる“見逃しがちな”失礼ポイント」を確認してみましょう。『失礼な一言』石原壮一郎/著 まずは、ビジネスの場面で、部下や取引先に「言ってはいけない&やってはいけない失礼7選」から。●独身女性に「いい人いるの?」「どうして結婚しないの?」と尋ねる→かつては「軽い雑談」として、許容(しないといけないと)されていた時代もありました。しかし、今の若い世代にとっては、完全にセクハラ案件です。まして、ある程度以上の年齢の独身女性に「理想が高すぎるんじゃないの」などと言ったら、とんでもない事態に発展するでしょう。●話の中に出てきた相手の配偶者を「奥さん」「嫁さん」「ご主人」と呼ぶ→近年、昔ながらの家父長制を連想させる呼び方を嫌う人が、とくに若い世代で増えています。当たり前のようにこう呼んだら、相手はひそかに「カチン」ときているかも。さりげなく「パートナーさん」「夫さん」「妻の人」といった、ちょっと距離を置いた呼び方を使えば、「おっ、この人、わかってるな」と感心してもらえるでしょう。軽口のつもりでも要注意●スピード昇進した女性社員について「やっぱり美人は得だよね」と評する→軽口のつもりかもしれませんが、今となっては「ルッキズム」として侮辱もいいところです。昇進と外見とは関係ありません(もし関係あったら、それはそれで大問題です)。「美人だと言っているんだからいいじゃないか」という問題でもありません。他人、とりわけ女性の外見に不用意に言及するのは、厳に慎みましょう。そもそもこのセリフには、醜いやっかみが凝縮されています。●たくさんの仕事を抱えている部下を「俺たちが若い頃は、そのぐらい当たり前だった」と言って励ます→残念ながら、この励ましは通じません。かつては「若い頃は苦労するもの。それが成長につながる」という考え方でした。今も同じはずですが、当の若者の意識が変わっています。言う側は励ましのつもりでも、相手は「平気で過重労働を押し付けるパワハラ上司」と受け取るでしょう。無理をしてがんばることを知らずに過ごした若者の10年後、20年後が心配ですが、ま、大きなお世話ですね。むやみに電話をしない〈石原所長は最新刊『失礼な一言』(新潮新書)で、自分では気を付けているつもりでもつい口を滑らせてしまうNGワードや、もはや時代遅れな行為の実例を取り上げている。〉●メールで済む用件なのに電話をかける→たしかに、かつては「メールより電話のほうが丁寧」という意識がありました。自分としては「電話のほうがちゃんと伝わるから」と思ってあえて電話しているとしても、若い世代は「なんで電話?」としか感じません。しかも、電話だと話した内容のメモを取る必要があるなど、けっこう面倒臭かったりします。必然性のない電話は、もはや「失礼な通信手段」となりました。●夜中に仕事のメールを部下や取引先に送る→少し前までは「相手の都合のいいタイミングで見てもらえばいい」という前提で、仕事のメールを何時に送っても、問題はありませんでした。しかし今は、メールが届くと、即座にスマホに通知が届く可能性が大。このあたりの許容度は業界によっても違いがありますが、基本的には就業時間内に送ったほうがいいかもしれません。SNSの使い方にも注意●部下や取引先の若い担当者に「フェイスブックやってる? 友達リクエスト送っていい?」と尋ねる→フェイスブックは今や「おじさんおばさん限定のSNS」となりました。若い人に「やってる?」と尋ねること自体が、ちょっと痛い問いかけです。さらに、仕事関係の相手と気軽にSNSでつながろうとするのは、無神経と受け取られても仕方ありません。10年ぐらい前は、仕事で知り合った相手に「友達リクエスト送っていいですか」と言うのが、むしろマナーだったんですけどね。 *** 誤解されがちですが、当失礼研究所は「あれも失礼、これも失礼」と失礼を見つけ出し、厳しく取り締まる“失礼警察”をやりたいわけではありません。失礼について考えるのは、相手の立場や気持ちへの想像力を鍛えるためです。 そして想像力を鍛えるのは、失礼に対して図太くなるため。悪意のない失礼に、いちいち目くじらを立てる必要はありません。 人間関係には失礼が付きものだし、お互い様という前提も忘れたくないところ。時には失礼を笑い飛ばすなど、失礼と上手に付き合いつつ、心穏やかな日々を過ごしたいものです。世代間ギャップから生まれる失礼 続いては、プライベートの場面で、世代間ギャップから生まれる失礼について。家族や友人などに対する「言ってはいけない&やってはいけない失礼7選」を見てみましょう。●子育て中の身内に「男の子/女の子なんだから」という前置きで育て方や服装をアドバイスする→「男の子なんだから、もっと厳しく育てないと」「もっと女の子っぽい格好させればいいのに」の類。言う側は「当然のこと」のつもりでも、いわゆる「ジェンダーロールの押し付け」に対して、若い世代は想像以上に敏感です。無自覚にこんなことばっかり言っていると、孫に会わせてもらえなくなるという悲しい事態を招きかねません。●ペットが死んで悲しんでいる人に、慰めるつもりで「また別の犬(猫)を飼えばいいじゃない」と言う→そういう問題ではありません。ここ数十年で、ペットと人間との距離は激しく近づきました(あくまでペット好き限定の話ですけど)。このフレーズも、昭和なら「やさしい慰め」でした。しかし今は、飼い主……じゃなくて、パパやママの気持ちをカケラも考えていない「失礼で冷たい言葉」になってしまいます。●娘の配偶者に「いつも育児や家事を手伝ってくれているんだってね。ありがとう」とお礼を言う→口に出して反論されるか、心の中で舌打ちされるかはさておき、娘の配偶者は「失礼な! 手伝ってるのではなく、当然の役割として分担しているのだ」と思うかもしれません。いっぽうで、ぜんぜん協力しないタイプの場合に、娘の前で「男なんてそんなもんだよね」と配偶者をかばうのも、大きく的外れです。自分の株を下げる一言●いい年になっても結婚しない息子に、冗談めかして「お前、まさかゲイじゃないだろうな」と尋ねる→実際にゲイだった場合、こんな大事なことを父親に冗談めかして言われたら、どんなに悲しいことか。ゲイじゃなかったとしても、全世界のゲイに失礼です。周りにほかの家族がいたとしたら、父親の言葉からにじみ出る、あまりに時代遅れの差別意識に、さぞ幻滅するでしょう。●何かの拍子に女性の年齢を知って「えっ、40代なの。とてもそうは見えないね」と力説する→こうしたフレーズも、ひと昔前までは「当然のマナー」でした。しかし、今の40代以下の世代には、「若く見えると言っておけば喜ぶと思っている感覚」を憎む人が少なからずいます。30代に見える女性に「年女なんです」と言われて、反射的に「24歳だね」と答えるのも危険。ほぼ間違いなく「このクソオヤジが」とゲンナリされるでしょう。●居酒屋などで、店員さんに「おい、にいちゃん」「ねえちゃん、ねえちゃん」と強気な口調で声をかける→この調子で何の問題もなかった時代もあります。しかし、その感覚は令和では通用しません。今は店員さんに対して、横柄とまでいかなくても、強気な態度を取るのは「みっともないこと」という意識が高まっています。こうした声のかけ方は店員さんに対してだけでなく、一緒にいる人にも、恥ずかしい思いをさせるという点で失礼。何より、自分の株を一気に下げてしまいます。「老害の象徴」にされてしまう言葉●世代間ギャップの話題になって「ハラスメントだのなんだのと、面倒な世の中になったな」と嘆く→おじさん同士で言い合っている分には、その認識の是非はともかく、まあ害はありません。しかし、若い世代の前で口にすると、激しくヒンシュクを買います。自分に嫌な思いをさせた「旧世代の代表」にされたり、「老害の象徴」にされたりしてしまうでしょう。 *** 世代間ギャップから生まれる失礼に限っても、まだまだ挙げればキリがありません。世に失礼の種は尽きまじ、です。 失礼に敏感な人は、他人の気持ちに敏感な人です。失礼を多角的に捉えることは、人間関係を豊かにする基本であり王道です。拙著『失礼な一言』を踏み台にして、あなたの「失礼力」を成長させてください。石原壮一郎(いしはらそういちろう)コラムニスト。1963年三重県生まれ。「失礼」の正体を追究する失礼研究所所長。93年『大人養成講座』でデビュー。『大人力検定』『大人の言葉の選び方』『無理をしない快感』など著書多数。「週刊新潮」2023年6月1日号 掲載
〈普段気を付けているつもりでも、若い女性に対して「きれいになったね」、未婚男性に「独身は自由でいいね」など、うっかり現代社会の“禁句”を口にしてしまった人は少なくないのではないか。
2022年10月に終了した、本誌(「週刊新潮」)の好評連載「令和の失礼研究所 #これってアウト?」で「所長」を務めた石原壮一郎氏は、なんとなく口にした言葉や振る舞いで誰かを傷つけたり、後ろ指を指されたりする悲劇を防ぐためさまざまな事例を集め、紹介してきた。中でも気を配っておきたいのがジェネレーション・ギャップ。ここでは世代間の“齟齬(そご)”に話を絞り、日常会話からメールのやりとり、飲食店での態度まで、さまざまな局面で知っておきたい言動のレッドラインを探る。〉
今もなお、女性部下に、ホメるつもりで「気が利くね。いい奥さんになれるよ」と言う人は絶滅していません。このように、よかれと思って発した言葉や、何気なく取った行動が、相手をムッとさせるケースは多々あります。
転ばぬ先の杖。やらかす前のチェック。「失礼な人」「遅れている人」の烙印を押されないように、「ビジネス編」と「プライベート編」に分けて、「世代間ギャップから生まれる“見逃しがちな”失礼ポイント」を確認してみましょう。
まずは、ビジネスの場面で、部下や取引先に「言ってはいけない&やってはいけない失礼7選」から。
●独身女性に「いい人いるの?」「どうして結婚しないの?」と尋ねる
→かつては「軽い雑談」として、許容(しないといけないと)されていた時代もありました。しかし、今の若い世代にとっては、完全にセクハラ案件です。まして、ある程度以上の年齢の独身女性に「理想が高すぎるんじゃないの」などと言ったら、とんでもない事態に発展するでしょう。
●話の中に出てきた相手の配偶者を「奥さん」「嫁さん」「ご主人」と呼ぶ
→近年、昔ながらの家父長制を連想させる呼び方を嫌う人が、とくに若い世代で増えています。当たり前のようにこう呼んだら、相手はひそかに「カチン」ときているかも。さりげなく「パートナーさん」「夫さん」「妻の人」といった、ちょっと距離を置いた呼び方を使えば、「おっ、この人、わかってるな」と感心してもらえるでしょう。
●スピード昇進した女性社員について「やっぱり美人は得だよね」と評する
→軽口のつもりかもしれませんが、今となっては「ルッキズム」として侮辱もいいところです。昇進と外見とは関係ありません(もし関係あったら、それはそれで大問題です)。「美人だと言っているんだからいいじゃないか」という問題でもありません。他人、とりわけ女性の外見に不用意に言及するのは、厳に慎みましょう。そもそもこのセリフには、醜いやっかみが凝縮されています。
●たくさんの仕事を抱えている部下を「俺たちが若い頃は、そのぐらい当たり前だった」と言って励ます
→残念ながら、この励ましは通じません。かつては「若い頃は苦労するもの。それが成長につながる」という考え方でした。今も同じはずですが、当の若者の意識が変わっています。言う側は励ましのつもりでも、相手は「平気で過重労働を押し付けるパワハラ上司」と受け取るでしょう。無理をしてがんばることを知らずに過ごした若者の10年後、20年後が心配ですが、ま、大きなお世話ですね。
〈石原所長は最新刊『失礼な一言』(新潮新書)で、自分では気を付けているつもりでもつい口を滑らせてしまうNGワードや、もはや時代遅れな行為の実例を取り上げている。〉
●メールで済む用件なのに電話をかける
→たしかに、かつては「メールより電話のほうが丁寧」という意識がありました。自分としては「電話のほうがちゃんと伝わるから」と思ってあえて電話しているとしても、若い世代は「なんで電話?」としか感じません。しかも、電話だと話した内容のメモを取る必要があるなど、けっこう面倒臭かったりします。必然性のない電話は、もはや「失礼な通信手段」となりました。
●夜中に仕事のメールを部下や取引先に送る
→少し前までは「相手の都合のいいタイミングで見てもらえばいい」という前提で、仕事のメールを何時に送っても、問題はありませんでした。しかし今は、メールが届くと、即座にスマホに通知が届く可能性が大。このあたりの許容度は業界によっても違いがありますが、基本的には就業時間内に送ったほうがいいかもしれません。
●部下や取引先の若い担当者に「フェイスブックやってる? 友達リクエスト送っていい?」と尋ねる
→フェイスブックは今や「おじさんおばさん限定のSNS」となりました。若い人に「やってる?」と尋ねること自体が、ちょっと痛い問いかけです。さらに、仕事関係の相手と気軽にSNSでつながろうとするのは、無神経と受け取られても仕方ありません。10年ぐらい前は、仕事で知り合った相手に「友達リクエスト送っていいですか」と言うのが、むしろマナーだったんですけどね。
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誤解されがちですが、当失礼研究所は「あれも失礼、これも失礼」と失礼を見つけ出し、厳しく取り締まる“失礼警察”をやりたいわけではありません。失礼について考えるのは、相手の立場や気持ちへの想像力を鍛えるためです。
そして想像力を鍛えるのは、失礼に対して図太くなるため。悪意のない失礼に、いちいち目くじらを立てる必要はありません。
人間関係には失礼が付きものだし、お互い様という前提も忘れたくないところ。時には失礼を笑い飛ばすなど、失礼と上手に付き合いつつ、心穏やかな日々を過ごしたいものです。
続いては、プライベートの場面で、世代間ギャップから生まれる失礼について。家族や友人などに対する「言ってはいけない&やってはいけない失礼7選」を見てみましょう。
●子育て中の身内に「男の子/女の子なんだから」という前置きで育て方や服装をアドバイスする
→「男の子なんだから、もっと厳しく育てないと」「もっと女の子っぽい格好させればいいのに」の類。言う側は「当然のこと」のつもりでも、いわゆる「ジェンダーロールの押し付け」に対して、若い世代は想像以上に敏感です。無自覚にこんなことばっかり言っていると、孫に会わせてもらえなくなるという悲しい事態を招きかねません。
●ペットが死んで悲しんでいる人に、慰めるつもりで「また別の犬(猫)を飼えばいいじゃない」と言う
→そういう問題ではありません。ここ数十年で、ペットと人間との距離は激しく近づきました(あくまでペット好き限定の話ですけど)。このフレーズも、昭和なら「やさしい慰め」でした。しかし今は、飼い主……じゃなくて、パパやママの気持ちをカケラも考えていない「失礼で冷たい言葉」になってしまいます。
●娘の配偶者に「いつも育児や家事を手伝ってくれているんだってね。ありがとう」とお礼を言う
→口に出して反論されるか、心の中で舌打ちされるかはさておき、娘の配偶者は「失礼な! 手伝ってるのではなく、当然の役割として分担しているのだ」と思うかもしれません。いっぽうで、ぜんぜん協力しないタイプの場合に、娘の前で「男なんてそんなもんだよね」と配偶者をかばうのも、大きく的外れです。
●いい年になっても結婚しない息子に、冗談めかして「お前、まさかゲイじゃないだろうな」と尋ねる
→実際にゲイだった場合、こんな大事なことを父親に冗談めかして言われたら、どんなに悲しいことか。ゲイじゃなかったとしても、全世界のゲイに失礼です。周りにほかの家族がいたとしたら、父親の言葉からにじみ出る、あまりに時代遅れの差別意識に、さぞ幻滅するでしょう。
●何かの拍子に女性の年齢を知って「えっ、40代なの。とてもそうは見えないね」と力説する
→こうしたフレーズも、ひと昔前までは「当然のマナー」でした。しかし、今の40代以下の世代には、「若く見えると言っておけば喜ぶと思っている感覚」を憎む人が少なからずいます。30代に見える女性に「年女なんです」と言われて、反射的に「24歳だね」と答えるのも危険。ほぼ間違いなく「このクソオヤジが」とゲンナリされるでしょう。
●居酒屋などで、店員さんに「おい、にいちゃん」「ねえちゃん、ねえちゃん」と強気な口調で声をかける
→この調子で何の問題もなかった時代もあります。しかし、その感覚は令和では通用しません。今は店員さんに対して、横柄とまでいかなくても、強気な態度を取るのは「みっともないこと」という意識が高まっています。こうした声のかけ方は店員さんに対してだけでなく、一緒にいる人にも、恥ずかしい思いをさせるという点で失礼。何より、自分の株を一気に下げてしまいます。
●世代間ギャップの話題になって「ハラスメントだのなんだのと、面倒な世の中になったな」と嘆く
→おじさん同士で言い合っている分には、その認識の是非はともかく、まあ害はありません。しかし、若い世代の前で口にすると、激しくヒンシュクを買います。自分に嫌な思いをさせた「旧世代の代表」にされたり、「老害の象徴」にされたりしてしまうでしょう。
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世代間ギャップから生まれる失礼に限っても、まだまだ挙げればキリがありません。世に失礼の種は尽きまじ、です。
失礼に敏感な人は、他人の気持ちに敏感な人です。失礼を多角的に捉えることは、人間関係を豊かにする基本であり王道です。拙著『失礼な一言』を踏み台にして、あなたの「失礼力」を成長させてください。
石原壮一郎(いしはらそういちろう)コラムニスト。1963年三重県生まれ。「失礼」の正体を追究する失礼研究所所長。93年『大人養成講座』でデビュー。『大人力検定』『大人の言葉の選び方』『無理をしない快感』など著書多数。
「週刊新潮」2023年6月1日号 掲載