日本が議長国となった先のG7広島サミットでも、著作権侵害などの懸念が示され“逆風”に立つ「ChatGPT」に代表される生成AI(人工知能)。各国から規制強化を求める声が高まるなか、日本のある業界では「商機」と捉え、“新商品”の開発が急ピッチで進んでいるというのだが……。
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【写真】リアルと判別不能 “AI美女”天音あいのセクシーショット「生成AIの登場は新たな需要を開拓する千載一遇のチャンス。すでに専門の“AIプロジェクトチーム”を立ち上げて、リアルな“2.5次元ビデオ”の開発に乗り出している」

こう話すのは、これまでセクシー女優などが出演するアダルト系ビデオを多数制作してきた大手メーカーの関係者だ。実はAIという(天音あいのInstagramより)「すでに静止画なら、生身と見分けがつかないほど精緻な画像をAIでつくれるレベルに達している。たとえばChatGPTを活用して“日本人女性(の特徴)30%”“フィリピン人女性20%”“北欧系白人女性20%”などに加え、“(絵画の)モナリザの要素”や“有名女優〇〇の目元”……とより具体的な指示を与えていけば、理想を具現化したオリジナルの女性の顔貌がつくれる」 実際、「リアルと判別不能」と言われるほど精巧な“AI美女”は数多く存在しており、なかには写真集を出すほど人気を博しているケースも。しかし問題は「動画」となると、話が一変する点にあるという。動く「肢体」「髪の毛」の再現は困難「静止画ならゼロから一個の人間を丸ごとAIでつくれるが、動画だと現状、再現できるのは顔の部分のみが限界。顔以外の体(肢体)までとなると面積が一気に増えるため、処理する情報量もハネ上がる。体の各部位を連動させて自然な動きを生み出すのは至難の業だ」(同)“くねり”“波打ち”“よじれ”“紅潮する”──。これら複合する動きをAIでリアルに再現するには、巨額の資金とスーパーコンピューター並みの超高性能PCが必要になるという。「一方で顔だけなら、刻々と変化する表情や目の動きなどはベースとなる元動画の女優のデータを読み込ませて学習(解析)させることで再現は可能。ただし口に何かモノを入れているシーンになると処理する情報量が増え、不自然になってしまうケースも多い。もう一つ、髪型や髪の毛も元動画の女優に依存せざるを得ないという制約がある」(同) ベースとなるリアル女優より髪を短くしたり長くしようとすると、毛の一本一本の動きまで手作業で修正・補正していかなければならず、尋常じゃない作業量を強いられるのだとか。そのため現在、開発が進められているのはAI(顔)と生身(体)を融合させたセクシー動画という。立ちはだかる「著作権」「本当はすべてをAIでつくった完全オリジナル動画を制作したいが、いまのところ諦めざるを得ない。顔だけAIに貼り替えたものなら、技術的には年内にも販売できるレベルに達しているが、実は一つ、頭を悩ませる問題が浮上していて……」(同) 生成AIは、膨大な量のデータを自己学習することでリアルな画像や自然な文章をつくるが、その“教材”となるのはネット上に無数に存在する過去の作品群などだ。しかしAIが学習した元データに自身の作品が使用されているなどとして、イラストレーターや脚本家ら多くのクリエイターが「著作権侵害だ」と訴える動きが世界的に広がりつつある。「作品の著作権がプロダクションやメーカー側にある過去の動画を元素材に使ったとしても、体は当時の出演女優のものであるのは隠せない。また顔もAIでつくれるといっても、許容できる作業量に落とし込むために輪郭は変えられない。おそらく本人が見れば“自分だ”とわかるはずで、“体のみ出演”した格好の女優から再利用に際しての肖像権や著作権について問われた場合、どう答えたらいいのかがわからない」 この未知の問題をクリアするには、顔も体もAIでつくったオリジナル「2.5次元女優」主演のセクシー動画の完成を目指すほかないが、その道のりは遠くて険しいという。デイリー新潮編集部
「生成AIの登場は新たな需要を開拓する千載一遇のチャンス。すでに専門の“AIプロジェクトチーム”を立ち上げて、リアルな“2.5次元ビデオ”の開発に乗り出している」
こう話すのは、これまでセクシー女優などが出演するアダルト系ビデオを多数制作してきた大手メーカーの関係者だ。
「すでに静止画なら、生身と見分けがつかないほど精緻な画像をAIでつくれるレベルに達している。たとえばChatGPTを活用して“日本人女性(の特徴)30%”“フィリピン人女性20%”“北欧系白人女性20%”などに加え、“(絵画の)モナリザの要素”や“有名女優〇〇の目元”……とより具体的な指示を与えていけば、理想を具現化したオリジナルの女性の顔貌がつくれる」
実際、「リアルと判別不能」と言われるほど精巧な“AI美女”は数多く存在しており、なかには写真集を出すほど人気を博しているケースも。しかし問題は「動画」となると、話が一変する点にあるという。
「静止画ならゼロから一個の人間を丸ごとAIでつくれるが、動画だと現状、再現できるのは顔の部分のみが限界。顔以外の体(肢体)までとなると面積が一気に増えるため、処理する情報量もハネ上がる。体の各部位を連動させて自然な動きを生み出すのは至難の業だ」(同)
“くねり”“波打ち”“よじれ”“紅潮する”──。これら複合する動きをAIでリアルに再現するには、巨額の資金とスーパーコンピューター並みの超高性能PCが必要になるという。
「一方で顔だけなら、刻々と変化する表情や目の動きなどはベースとなる元動画の女優のデータを読み込ませて学習(解析)させることで再現は可能。ただし口に何かモノを入れているシーンになると処理する情報量が増え、不自然になってしまうケースも多い。もう一つ、髪型や髪の毛も元動画の女優に依存せざるを得ないという制約がある」(同)
ベースとなるリアル女優より髪を短くしたり長くしようとすると、毛の一本一本の動きまで手作業で修正・補正していかなければならず、尋常じゃない作業量を強いられるのだとか。そのため現在、開発が進められているのはAI(顔)と生身(体)を融合させたセクシー動画という。
「本当はすべてをAIでつくった完全オリジナル動画を制作したいが、いまのところ諦めざるを得ない。顔だけAIに貼り替えたものなら、技術的には年内にも販売できるレベルに達しているが、実は一つ、頭を悩ませる問題が浮上していて……」(同)
生成AIは、膨大な量のデータを自己学習することでリアルな画像や自然な文章をつくるが、その“教材”となるのはネット上に無数に存在する過去の作品群などだ。しかしAIが学習した元データに自身の作品が使用されているなどとして、イラストレーターや脚本家ら多くのクリエイターが「著作権侵害だ」と訴える動きが世界的に広がりつつある。
「作品の著作権がプロダクションやメーカー側にある過去の動画を元素材に使ったとしても、体は当時の出演女優のものであるのは隠せない。また顔もAIでつくれるといっても、許容できる作業量に落とし込むために輪郭は変えられない。おそらく本人が見れば“自分だ”とわかるはずで、“体のみ出演”した格好の女優から再利用に際しての肖像権や著作権について問われた場合、どう答えたらいいのかがわからない」
この未知の問題をクリアするには、顔も体もAIでつくったオリジナル「2.5次元女優」主演のセクシー動画の完成を目指すほかないが、その道のりは遠くて険しいという。
デイリー新潮編集部