京都市の女子大学生が劇薬のタリウム摂取により殺害された事件で、殺人容疑で逮捕、起訴された知人の無職、宮本一希被告(37)=京都市左京区=が約3年前に叔母(61)にタリウムを投与して殺害しようとした疑いがあるとして大阪府警が殺人未遂容疑で逮捕状を取ったことが24日、捜査関係者への取材で分かった。
同日午後にも再逮捕する。叔母の血液からはタリウムが検出されており、府警が当時の経緯を調べている。
捜査関係者らによると、叔母は令和2年7月中旬、頭痛などの体調不良を訴え、病院を受診。数日後に京都市左京区の自宅で倒れて救急搬送された。現在は京都市内の病院で入院中だが、意識不明の重体だという。
府警は女子大学生の事件を捜査する中で、叔母が約3年前から入院中であることを把握。叔母に重い持病はなく、府警が体調を崩した当時に採取した血液を鑑定したところ、タリウムが検出されたという。捜査関係者によると、被告は令和2年7月、何らかの方法で叔母にタリウムを摂取させて殺害しようとした疑いが持たれている。
知人らによると、叔母は京都市内で茶道裏千家の講師として活動するかたわら、不動産会社を運営していた。倒れた後、所有していた会社や土地は被告が相続。府警は、2人の間の携帯電話のやり取りなどを調べ、相続を巡るトラブルがなかったかなど詳しい状況を調べている。
被告を巡っては、大阪府警が3月、昨年10月12日ごろ、知人で当時立命館大3年、浜野日菜子さん(21)の自宅で、浜野さんにタリウムを投与し殺害したとして殺人容疑で逮捕。大阪地検が今年3月24日に同罪で起訴した。被告は逮捕後の調べに黙秘を続けていた。