毒性の強いタリウムを叔母(61)に摂取させて重篤な状態にしたとして、大阪府警は24日、宮本一希被告(37)=別の殺人罪で起訴=を殺人未遂の疑いで再逮捕した。不動産会社を経営していた叔母が体調を崩した後、容疑者が会社のトップに就任し、叔母名義のマンションが転売されたり預金が引き出されたりしており、府警は財産目的だったとみている。容疑者は黙秘しているという。
【図解】宮本被告を巡る相関図 逮捕容疑は、宮本容疑者は2020年7月中旬ごろ、叔母にタリウムを摂取させ、殺害しようとしたとしている。摂取場所は「不詳」だが、京都市内に住んでいた容疑者は同市内の叔母宅を行き来していたことなどから、府警は摂取させる機会があったとみている。

府警捜査1課によると、叔母は宮本容疑者の父親の妹。20年7月19~21日、体のだるさを訴えて病院に度々搬送された。その後に意識不明となり、回復が見込めずに現在も入院中だ。重い脳炎と診断されたものの、病院で採取された血液や尿を詳しく調べた結果、致死量のタリウムを検出した。府警が依頼した専門家も脳が広範囲に腫れ、腹痛や筋肉痛もある症状から、典型的なタリウム中毒と分析している。 宮本容疑者は叔母が倒れた約2カ月半後の20年10月、親族の財産を管理する立場にいた叔母が経営する不動産会社(京都市中京区)を引き継ぎ、代表取締役に就任している。 その後の捜査で、宮本容疑者が17年10月ごろ、この会社で働かせてほしいと叔母に求めたが、断られていたことが判明した。東京の大手企業を退職して京都に戻ってきた時期で、代わりに親族が役員を務める会社を取締役として任せられたが、数十万~数百万円の出金を繰り返して経営を悪化させたため、20年2月に叔母に解任された。その後、舞妓(まいこ)を派遣するイベント企画会社を叔母が設立し、容疑者を代表取締役に据えたものの、自由に現金を使えないように管理していたという。府警は、こうした叔母の対応に容疑者が不満を募らせていたとみている。 府警は23年3月、立命館大3年だった浜野日菜子さん(当時21歳)にタリウムを摂取させて22年10月に殺害したとして宮本容疑者を逮捕した。この事件を捜査する過程で叔母の容体も把握。同様の手口による連続毒殺・毒殺未遂事件として捜査を進めていた。一般的に購入困難とされるタリウムを容疑者がどうやって入手したのかも調べている。【郡悠介、洪香】
逮捕容疑は、宮本容疑者は2020年7月中旬ごろ、叔母にタリウムを摂取させ、殺害しようとしたとしている。摂取場所は「不詳」だが、京都市内に住んでいた容疑者は同市内の叔母宅を行き来していたことなどから、府警は摂取させる機会があったとみている。
府警捜査1課によると、叔母は宮本容疑者の父親の妹。20年7月19~21日、体のだるさを訴えて病院に度々搬送された。その後に意識不明となり、回復が見込めずに現在も入院中だ。重い脳炎と診断されたものの、病院で採取された血液や尿を詳しく調べた結果、致死量のタリウムを検出した。府警が依頼した専門家も脳が広範囲に腫れ、腹痛や筋肉痛もある症状から、典型的なタリウム中毒と分析している。
宮本容疑者は叔母が倒れた約2カ月半後の20年10月、親族の財産を管理する立場にいた叔母が経営する不動産会社(京都市中京区)を引き継ぎ、代表取締役に就任している。
その後の捜査で、宮本容疑者が17年10月ごろ、この会社で働かせてほしいと叔母に求めたが、断られていたことが判明した。東京の大手企業を退職して京都に戻ってきた時期で、代わりに親族が役員を務める会社を取締役として任せられたが、数十万~数百万円の出金を繰り返して経営を悪化させたため、20年2月に叔母に解任された。その後、舞妓(まいこ)を派遣するイベント企画会社を叔母が設立し、容疑者を代表取締役に据えたものの、自由に現金を使えないように管理していたという。府警は、こうした叔母の対応に容疑者が不満を募らせていたとみている。
府警は23年3月、立命館大3年だった浜野日菜子さん(当時21歳)にタリウムを摂取させて22年10月に殺害したとして宮本容疑者を逮捕した。この事件を捜査する過程で叔母の容体も把握。同様の手口による連続毒殺・毒殺未遂事件として捜査を進めていた。一般的に購入困難とされるタリウムを容疑者がどうやって入手したのかも調べている。【郡悠介、洪香】