おととい震度6強を観測した石川県能登地方では、雨が降り続く中、住宅の復旧に向けた懸命の作業が続いています。
震度6強を観測した珠洲市では、今朝から雨が止む時間はなく、午後3時ごろから次第に雨脚が強まってきました。また、風が強い時間帯には空気の冷たさも感じます。
付近にある黒い瓦屋根の建物は、観光バス会社の倉庫でした。柱や壁が崩れ落ちて、完全につぶれています。普段はバスのタイヤなど備品が置いてあるということですが、取り出すことはできません。被災地ではあちこちでこうした風景が広がっています。ある住宅では壁がはずれ、骨組みがむき出しになってしまいました。
「修理がいつになるか、めどがつかない」
この住宅では、食器なども散乱し、住民は災害ごみをまとめる作業に追われていましたが、1週間程度はかかるといいます。
また、住宅に倒壊するおそれがあるかを判断する「応急危険度判定」も始まっています。この住宅は、隣接する納屋が潰れ、赤色の「危険」と判断されました。住宅に住む男性は車の中で避難生活を続けています。
被災した住宅の男性「こんなすごくなってしまうとは思わなかった。住むところがないし、考えがつかない」
被害は住宅に留まりません。鐘楼が倒壊した寺にはおよそ20人が集まり、片付け作業に追われました。
本住寺大句哲正住職「どこから手をつけていいか分からない状況だったが、皆さんも少し落ち着いて、来られる方は来て手助けしてもらった」
寺では位牌や墓石も倒れ、今後、檀家と相談しながら対応を決めたいとしています。
珠洲市では現在も740世帯に避難指示が出されていて、土砂災害の危険が続く中、被災地は3日目の夜を迎えようとしています。