安倍晋三元総理大臣銃撃事件後、初めて開催された旧統一教会の合同結婚式。教団を巡っては現在、質問権の行使など解散命令請求に向けた調査が進むなか、合同結婚式には日本人およそ1000人が出席しました。
■米・前国務長官が…協会側を擁護「日本で攻撃」
6日、韓国の仁川空港を取材したジャーナリストの鈴木エイト氏。そこには、多くの信者らしき人たちの姿がありました。
目的は、3年ぶりの大規模開催となる合同結婚式への参加です。
鈴木氏:「合同結婚式の参加者の方々が並んでいます。話を聞いてみましょう。お話を伺うことは可能ですか?」
集団の中には日本語を喋るスタッフもいて、取材に対し、かなり警戒している様子がうかがえます。
鈴木氏:「こちらに新郎新婦とありますが、剥がされてしまいました。何で剥がしたんですか?」
先週から教団本部がある韓国国内で、大規模イベントを開催している旧統一教会。
世界平和統一家庭連合 韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁:「尊敬する国内外の指導者の皆様、歓迎します」
関連団体「UPF=天宙平和連合」のイベントには、世界各国からおよそ1000人が出席。旧統一教会創始者の妻・韓鶴子総裁の“生誕80年”を祝いました。
おととし9月のイベントには、安倍元総理がビデオメッセージを寄せ、それを見て教団と安倍元総理の間に強いつながりがあると考えた山上徹也被告が、銃撃事件を起こしたとみられています。
今年、このイベントにビデオメッセージを寄せたのは、アメリカのドナルド・トランプ前大統領でした。
トランプ前大統領:「すべての人が政府ではなく、神様から与えられた権利と自由、尊厳によって祝福されるべき存在だと信じています」
さらに、トランプ政権で国務長官を務めたマイク・ポンペオ氏も登場しました。
マイク・ポンペオ前国務長官:「世界の各地で、たくさんの人が韓総裁を誤解しています。日本で攻撃されています」
日本国内での統一教会への批判に対し、教会側を擁護しました。
■「合同結婚式」日本人約1000人が参加…厳戒態勢
そうしたなか、7日に行われたのが合同結婚式です。
会場の近くには、信者を送迎したとみられる多くのバスがありました。
鈴木氏:「お、知っている顔がありますね。これは日本人幹部関係者が乗るバスのようです」
午前10時すぎ、会場では合同結婚式がスタートしました。
金色の服に身を包み、ゆっくりとした足取りでステージ上に現れた韓総裁。韓総裁が話を始めると、目をつむり、じっくりと聞きいる新郎新婦たち。中には、涙を流す夫婦の姿もありました。
しかし、式典が進むと、会場の雰囲気は一変。アップテンポな音楽が流れ始め、カメラに抜かれた新郎新婦が踊り出す、ダンスタイムに突入します。
式典終盤には、こんな場面も…。韓総裁がアカペラで熱唱。会場からは手拍子が起こります。
最後は万歳を行い、式典は締めくくられました。
その頃、会場の外では…。
鈴木氏:「ぐるぐる回ってます。建物を撮ってるのに、あなたが入ってきたら映るよ?入らないで、入らないで。公道からの撮影に、問題ないと思います」
鈴木氏を密着マークする教団関係者。
鈴木氏:「付きまとわないでもらえます?ついてこないで。非常に気味が悪いですね、無言でずっとついてきます。何が目的なのか、よく分かりません」
教団によると、今回の結婚式に出席する当事者は1世信者は70万円、2世信者は20万円を献金する決まりとなっています。
こうした実態について、鈴木氏は次のように話します。
鈴木氏:「現地に行くと、本当に一面見渡す限り教団の豪華な施設が点在している。日本から収奪したお金で、ここを作ったんじゃないか」
993人の日本人が出席したという、今回の合同結婚式。今も面識のない男女が結婚をしているのか、教団に問い合わせると…。
旧統一教会:「現在では、父母や各教会の担当者が、相手を紹介する制度に移行しています」