東京・銀座の高級腕時計店で8日午後に起きた強盗事件で、警視庁は9日、事件後に約3キロ離れた場所で身柄を確保されたのは、いずれも横浜市に住む16~19歳の男4人だったと発表した。
逮捕された男4人の関係性は明らかになっていないが、警視庁は、関東地方など各地で相次いだ「闇バイト強盗」と同様、指示役がいる可能性が高いとみている。捜査幹部は「実行役の若者が『捨て駒』にされ、指示役が次々と事件を起こしているとすれば、一刻も早く摘発しなければならない」と話す。
SNSの闇バイトに絡む一連の強盗事件では、実行役の若者らが次々と逮捕されたが、指示役の特定には至っていない。強盗グループが秘匿性の高い通信アプリでやりとりしていることなどが背景にあり、警察当局はSNS上で強盗のメンバーを募る書き込みを削除要請の対象にするなど対策を強化している。
今年2月には指示役の可能性が浮上している男4人がフィリピンから強制送還されて逮捕されたが、その後も都内では強盗事件が発生。3月24日には台東区上野の貴金属店で腕時計45点(計約9900万円相当)が奪われ、4月29日には渋谷区神宮前の貴金属店でネックレスなど76点(計約1000万円相当)が強奪された。逮捕された容疑者の1人は、やはり「SNSで依頼を受けた」と供述している。
警視庁は「通行人に目撃されるのをいとわないなど手口が大胆になっており、看過できない」(捜査幹部)として捜査を強化する。