多くの人たちが旅行を楽しんだ、今年のゴールデンウィーク。そんななか、ホテル業界が頭を悩ませているのが、宿泊客による備品の“持ち帰り”です。
中には、部屋のテレビを持ち帰ろうとする人がいたことも明らかになりました。
■困惑…ホテル備品“持ち帰り”続出
箱根藍瑠 渡辺健支配人:「ちょうどけさ、ボディースクラブが客室から1本なくなったということで、サービススタッフから報告は受けています。オリジナルのシャンプー、ボディーソープ、ボディースクラブなどを用意しているので、こういったところは持ち帰られる率は高いかなと感じる」
各地のホテルで相次いでいる、備品の持ち帰り被害。
渡辺支配人:「中には、ボトルはそのまま置いていくが、中身だけを空の容器に入れて持って帰られるお客様もいらっしゃいます」
箱根にあるホテルでは他にも、タオルやドライヤー、浴衣、テレビのリモコンなどを持ち帰られたことがあるといいます。そのため、大浴場では…。
渡辺支配人:「以前には、化粧水やボディーミルクなどのアメニティー関係を設置していたが、そういったものがなくなったという経緯があったので、過去に。このように、すべて設置をとりやめております」
化粧水などのアメニティーは客室のみに設置。さらに受付時にも、こんな対策をしているといいます。
渡辺支配人:「受付時に『アメニティー、備品類等の持ち出しはご遠慮ください』と、お客様にお伝えしたうえで、ここにチェックを頂くというような対応をとっています」
■テレビ本体も…客と“押し問答”
信じがたいものを持ち帰ろうとした宿泊客もいました。
匿名を条件に、都内のホテルに勤める従業員が語ってくれました。
都内のホテル従業員:「一番見た中でひどかったのは、テレビがなくなってしまったという経験がある」
チェックアウトをする宿泊客から、「荷物が多いから手伝ってほしい」と連絡を受けたという従業員。そこで、部屋を訪れると、そこには異様に大きな段ボール箱があったそうです。
「何が入っているのだろう?」と思いつつ、テレビ台を見ると、そこにあるはずのテレビが消えていました。
都内のホテル従業員:「お客様を疑いたくはないですけど、明らかに『うーん、おかしいよね』ってことになって」
箱の中を確認すると、出てきたのは1台のテレビ。しかし、宿泊客は部屋の備品と認めず、こう主張したといいます。
都内のホテル従業員:「最初は『自分たちで買ったんだ』とお話しされて。『ここのテレビは、どこにいったんだ』と話したら、『テレビ元々なかった』というふうに」
1時間以上かけて説得した結果、宿泊客はようやく諦めてテレビを返却しました。
「悪意のある持ち帰り」と「宿泊客の理解があいまいなケース」があることから、ホテル業界は対策に頭を悩ませています。