2023年3月13日から、マスクの着用は屋外・屋内にかかわらず「個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本」となりました。コロナ禍での長いマスク生活により人前で歯を見せる機会が減ったことで、お口のケアがおろそかになってしまっていた方もいるのではないでしょうか。歯科医の照山裕子先生は、人生100年時代の歯を守り、“食べる力”を長く保ちたい人に役立つ情報を、わかりやすく発信しています。その照山先生いわく、歯磨きの「ゴシゴシ」「シャカシャカ」という音が横にいる人にまで聞こえるのは、力が入りすぎている証拠だそうで――。
【イラスト】意外と知らない歯ブラシの当て方。正しく使えていますか?* * * * * * *歯ブラシの動かし方の基本は「小刻み」歯ブラシは鉛筆を持つように持ち、歯にかかる圧が150~200gになるように、みがくと良いとされています。この数字を言われても、さっぱりわからない方も多いのではないでしょうか。量りをお持ちならば、歯ブラシを鉛筆のように持って、量りを押してみましょう。その数値が150~200g程度ということです。一度試してみると、軽く押し当てる程度の力だということがわかるはずです。そして、歯ブラシの動かし方の基本は、小刻みです。大きく動かすと、歯ブラシの先端が歯と歯の間に入らず、しっかり汚れが取り除けません。2~3mm程度ずつ小刻みに動かしてください。難しい場合は1本ずつ歯をみがくイメージで行ってください。「シャカシャカ」「ゴシゴシ」音がする場合は正しくみがけていない実は歯ブラシの音で、きちんとみがけているかがわかります。良い歯みがき音はブラシを小刻みに「コチョコチョ」と動かすときの音。『“食べる力”を落とさない!新しい「歯」のトリセツ』(著:照山裕子/日経BP)自分だけに聞こえる程度の小さな音が理想です。鉛筆持ちで細かく動かすと、そうなります。反対に、「ゴシゴシ」「シャカシャカ」という音が、横にいる人にまで聞こえるようだと、力が入りすぎている証拠です。歯ブラシの動かし方の基本は小刻み<『“食べる力”を落とさない!新しい「歯」のトリセツ』より>丁寧に1本ずつみがくまた、歯ブラシを鉛筆持ちではなく、しっかり握り、前歯に円を描くようにみがく人もいるかもしれません。あまり音を立てないことを意識しながら、丁寧に1本ずつみがくことが大切です(写真提供:Photo AC)これは歯の表面をみがくのには適しているかもしれませんが、歯ブラシがまだきちんと持てない子どもなどのためのみがき方です。つまり、小さいころに教わった歯みがきのままということ。これも余計な力が入りがちです。あまり音を立てないことを意識しながら、丁寧に1本ずつみがくことが大切です。ある程度時間はかかってしまいますが、丁寧にみがいた後のさっぱりした感覚をぜひ覚えておいてもらいたいと思います。歯ブラシの「かかと」「つま先」を上手に使って歯みがきの基本は、年齢を重ねるとともに重要になってくる「歯の根元と歯ぐきとの間」を、歯ブラシを45度に傾けて、小刻みにみがいていくことです。歯ブラシは、歯のすみずみまで届かせることが重要ですが、当てにくい部分はどうしても汚れが残りがちです。フロスや歯間ブラシは通しさえすれば汚れが取れる一方で、歯ブラシは自分で歯の各部分に届かせなければなりません。そのため、人それぞれ、テクニックに差が出るところです。最も届いていない部分は、一般に、利き手側の歯の裏側ですが、奥歯の内側や前歯の裏側も届いていないことが多いように思います。歯ブラシの先を「つま先」、持ち手に近い方を「かかと」といいます。また、全体を「わき」と呼びます。この部分をうまく生かして、みがきにくい部分をすみずみまでみがきます。検診の際、歯科衛生士に特にみがけていない部分を聞いておき、その部分を重点的にみがく意識を持つといいでしょう。※本稿は、『“食べる力”を落とさない!新しい「歯」のトリセツ』(日経BP)の一部を再編集したものです。
* * * * * * *
歯ブラシは鉛筆を持つように持ち、歯にかかる圧が150~200gになるように、みがくと良いとされています。
この数字を言われても、さっぱりわからない方も多いのではないでしょうか。
量りをお持ちならば、歯ブラシを鉛筆のように持って、量りを押してみましょう。その数値が150~200g程度ということです。
一度試してみると、軽く押し当てる程度の力だということがわかるはずです。
そして、歯ブラシの動かし方の基本は、小刻みです。大きく動かすと、歯ブラシの先端が歯と歯の間に入らず、しっかり汚れが取り除けません。
2~3mm程度ずつ小刻みに動かしてください。難しい場合は1本ずつ歯をみがくイメージで行ってください。
実は歯ブラシの音で、きちんとみがけているかがわかります。
良い歯みがき音はブラシを小刻みに「コチョコチョ」と動かすときの音。
『“食べる力”を落とさない!新しい「歯」のトリセツ』(著:照山裕子/日経BP)
自分だけに聞こえる程度の小さな音が理想です。
鉛筆持ちで細かく動かすと、そうなります。
反対に、「ゴシゴシ」「シャカシャカ」という音が、横にいる人にまで聞こえるようだと、力が入りすぎている証拠です。
歯ブラシの動かし方の基本は小刻み<『“食べる力”を落とさない!新しい「歯」のトリセツ』より>
また、歯ブラシを鉛筆持ちではなく、しっかり握り、前歯に円を描くようにみがく人もいるかもしれません。
あまり音を立てないことを意識しながら、丁寧に1本ずつみがくことが大切です(写真提供:Photo AC)
これは歯の表面をみがくのには適しているかもしれませんが、歯ブラシがまだきちんと持てない子どもなどのためのみがき方です。
つまり、小さいころに教わった歯みがきのままということ。これも余計な力が入りがちです。
あまり音を立てないことを意識しながら、丁寧に1本ずつみがくことが大切です。
ある程度時間はかかってしまいますが、丁寧にみがいた後のさっぱりした感覚をぜひ覚えておいてもらいたいと思います。
歯みがきの基本は、年齢を重ねるとともに重要になってくる「歯の根元と歯ぐきとの間」を、歯ブラシを45度に傾けて、小刻みにみがいていくことです。
歯ブラシは、歯のすみずみまで届かせることが重要ですが、当てにくい部分はどうしても汚れが残りがちです。
フロスや歯間ブラシは通しさえすれば汚れが取れる一方で、歯ブラシは自分で歯の各部分に届かせなければなりません。そのため、人それぞれ、テクニックに差が出るところです。
最も届いていない部分は、一般に、利き手側の歯の裏側ですが、奥歯の内側や前歯の裏側も届いていないことが多いように思います。
歯ブラシの先を「つま先」、持ち手に近い方を「かかと」といいます。また、全体を「わき」と呼びます。この部分をうまく生かして、みがきにくい部分をすみずみまでみがきます。
検診の際、歯科衛生士に特にみがけていない部分を聞いておき、その部分を重点的にみがく意識を持つといいでしょう。
※本稿は、『“食べる力”を落とさない!新しい「歯」のトリセツ』(日経BP)の一部を再編集したものです。