大分市の大分県立病院で昨年、同市の男性(当時59歳)が、がんではなかったにもかかわらず膵臓(すいぞう)を全摘出した後に亡くなったのは、病院が注意義務を怠っていたことが原因として、遺族が県を相手に3300万円の損害賠償を求めて大分地裁に提訴した。
第1回口頭弁論が24日、同地裁(石村智裁判長)であり、県側は請求の棄却を求めた。
訴状によると、昨年5月、男性は県立病院で膵臓がんの疑いがあると診断され、6月に膵臓を全摘出したが、手術中と術後の検査では病変はなかった。合併症によって病状が悪化したにもかかわらず退院し、11月に自宅で死亡しているのを発見された。
死因は「機能性障害に基づく内因性急死」とされ、「病理検査が先行していれば手術は行われなかった。合併症に対する厳重な管理も行わなかった」と主張している。
県立病院側は「次回以降の弁論で具体的な主張をしていく」としている。