ウクライナ訪問でゼレンスキー大統領に送られた岸田総理の「必勝しゃもじ」に賛否の声が上がっている。必勝という文字に対し、Twitterでは「戦争を煽っている」「戦争をスポーツと勘違いしている」「被災地に千羽鶴を送るようなもの」「ウクライナを支える姿勢を示したもの」「ウクライナの勝利が和平の前提。正しいメッセージだと思う」とさまざまな声が寄せられている。
【映像】実は必勝以外でもOKだった…実際の「宮島しゃもじ」文字レパートリー(画像あり) 国会でも「不適切だったのでは」と野党から追及の声があがっている「必勝しゃもじ」。はたして、戦地への贈り物として妥当だったのか。ニュース番組「ABEMA Prime」では、ひろゆき氏と共に考えた。

ひろゆき氏は「しゃもじ自体は不適切だと思う。ただ、それを国会で議論するほうがよっぽど不適切で時間の無駄だ」とコメント。 ウクライナ側の受け止めは、どうなっているのか。ウクライナの国営通信ウクルインフォルム・日本語版編集者の平野高志氏は「必勝はウクライナ国民が最も求めていたメッセージ。しゃもじはウクライナにはないものだが、岸田総理を象徴するもので縁起も良い。必勝しゃもじはこれ以上ない贈り物だと思う」と述べている。 ひろゆき氏は「去年ゼレンスキー氏は『スイーツやケーキはいいから武器をくれ』と言っていた。結局、しゃもじなんかは戦地に贈られても役に立たない」とした上で、「もし世界中からしゃもじがたくさん届いたら、ゼレンスキー大統領は『ありがとう』と言わないと思う。金目のものであれば、まだ使い様はある。基本的には喜ばない“いやげ物”をあげていることに変わらない」と話す。 必勝しゃもじは岸田総理の地元・広島の特産品だ。また、折り鶴をモチーフとしたランプも併せて贈ったという。政治系YouTuberのKAZUYA氏は「ロシアに対してバランスをとったのではないか。万が一、突っ込まれたとしても『あくまでも地元の名産品だ』と言い訳を考えていたはずだ」と指摘する。「そもそも必勝の言葉の是非について、議論している時点で、日本に危機感がない。非常に些末な問題だ。ロシアに侵略されたウクライナからすると、必勝しかない。すでに日本はウクライナに連帯していく姿勢を打ち出している。一部には『戦争を煽っている』という意見もあるが、煽るも何もウクライナはすでに戦争中だ。今回のしゃもじによって、戦争が激しくなるわけでも沈まるわけでもない」 作家・ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「外交メッセージとして間違いなく効いている」と話す。「日本は日露戦争でロシアに勝った。わざわざ岸田総理が必勝しゃもじを持ってきて、ゼレンスキー大統領にプレゼントしたことに、ロシアの国営通信は『我々に対する挑発じゃないか』と言っている。日本はウクライナに兵器を送れない。お金を出すところで終わっている。ただそれに加えて、何か外交メッセージを出したい気持ちは当然ある。ロシアに対して『我々は一致団結してウクライナを支援する』という姿勢を示すのは非常に重要だ」 ひろゆき氏は「しゃもじに書いてあることなんて、世界にとってはどうでもいい話だ」として「大切なのは実際に日本がどう動くかだ」とコメント。「広島でG7が行われるが、G7でNATOに入っていない唯一の国が日本だ。議長国でもある。ウクライナはNATOに入りたいと言っていて、日本はロシアとの国境も近い。一歩引いた位置から『そもそもこの戦争を続けて誰が得なの?』と言えるポジションだ。それなのに『必勝だ』とウクライナやNATO側になってしまうと、誰がこの戦争を仲裁できるのか。長期的に見てよくなかったと思う」「西側は疲弊している。アメリカもバイデン政権が持たないかもしれない。一方で、中国は今かなり儲かっている。ロシアの安いエネルギーを買えて、おいしいポジションだ。だから、中国が中立の立場で『戦争をやめよう』と言うことはない。インドも同じくロシアからガスを安く買っている。これが5年続いたら、中国がかなり有利になっている。ロシアとウクライナの戦争が終わって、中国が『次は俺たちが台湾やる』となったら、もう西側は止める力がない。結局、戦争が延びれば延びるほど、得をするのは中国だ」 KAZUYA氏は「アメリカと同盟を結んでいる日本が中立的な立場を維持し続けられるのか」と疑問を投げかける。「すでに日本の場合、アメリカとウクライナに対して肩入れしてしまっている。和平に向けて、中立の立場をとること自体がそもそも無理なのではないか」 ひろゆき氏は「どこの国でもいいが、先進国の中でそれなりの影響力があって、どちらの国にも与(くみ)しない、治安が良い国でないと仲介は無理だ」と答える。「大統領が行って射殺されるとまずいから、ある程度のセキュリティがあって、信用できる国じゃないといけない。中立はもういない。『仲介ができる国はどこなのか』だ。日本がベストだという話ではなくて、消去法でどこかの国がやらないといけない。そのポジションをどうでもいいしゃもじで捨てないでほしい」(「ABEMA Prime」より)
国会でも「不適切だったのでは」と野党から追及の声があがっている「必勝しゃもじ」。はたして、戦地への贈り物として妥当だったのか。ニュース番組「ABEMA Prime」では、ひろゆき氏と共に考えた。
ひろゆき氏は「しゃもじ自体は不適切だと思う。ただ、それを国会で議論するほうがよっぽど不適切で時間の無駄だ」とコメント。
ウクライナ側の受け止めは、どうなっているのか。ウクライナの国営通信ウクルインフォルム・日本語版編集者の平野高志氏は「必勝はウクライナ国民が最も求めていたメッセージ。しゃもじはウクライナにはないものだが、岸田総理を象徴するもので縁起も良い。必勝しゃもじはこれ以上ない贈り物だと思う」と述べている。
ひろゆき氏は「去年ゼレンスキー氏は『スイーツやケーキはいいから武器をくれ』と言っていた。結局、しゃもじなんかは戦地に贈られても役に立たない」とした上で、「もし世界中からしゃもじがたくさん届いたら、ゼレンスキー大統領は『ありがとう』と言わないと思う。金目のものであれば、まだ使い様はある。基本的には喜ばない“いやげ物”をあげていることに変わらない」と話す。
必勝しゃもじは岸田総理の地元・広島の特産品だ。また、折り鶴をモチーフとしたランプも併せて贈ったという。政治系YouTuberのKAZUYA氏は「ロシアに対してバランスをとったのではないか。万が一、突っ込まれたとしても『あくまでも地元の名産品だ』と言い訳を考えていたはずだ」と指摘する。
「そもそも必勝の言葉の是非について、議論している時点で、日本に危機感がない。非常に些末な問題だ。ロシアに侵略されたウクライナからすると、必勝しかない。すでに日本はウクライナに連帯していく姿勢を打ち出している。一部には『戦争を煽っている』という意見もあるが、煽るも何もウクライナはすでに戦争中だ。今回のしゃもじによって、戦争が激しくなるわけでも沈まるわけでもない」
作家・ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「外交メッセージとして間違いなく効いている」と話す。
「日本は日露戦争でロシアに勝った。わざわざ岸田総理が必勝しゃもじを持ってきて、ゼレンスキー大統領にプレゼントしたことに、ロシアの国営通信は『我々に対する挑発じゃないか』と言っている。日本はウクライナに兵器を送れない。お金を出すところで終わっている。ただそれに加えて、何か外交メッセージを出したい気持ちは当然ある。ロシアに対して『我々は一致団結してウクライナを支援する』という姿勢を示すのは非常に重要だ」
ひろゆき氏は「しゃもじに書いてあることなんて、世界にとってはどうでもいい話だ」として「大切なのは実際に日本がどう動くかだ」とコメント。
「広島でG7が行われるが、G7でNATOに入っていない唯一の国が日本だ。議長国でもある。ウクライナはNATOに入りたいと言っていて、日本はロシアとの国境も近い。一歩引いた位置から『そもそもこの戦争を続けて誰が得なの?』と言えるポジションだ。それなのに『必勝だ』とウクライナやNATO側になってしまうと、誰がこの戦争を仲裁できるのか。長期的に見てよくなかったと思う」
「西側は疲弊している。アメリカもバイデン政権が持たないかもしれない。一方で、中国は今かなり儲かっている。ロシアの安いエネルギーを買えて、おいしいポジションだ。だから、中国が中立の立場で『戦争をやめよう』と言うことはない。インドも同じくロシアからガスを安く買っている。これが5年続いたら、中国がかなり有利になっている。ロシアとウクライナの戦争が終わって、中国が『次は俺たちが台湾やる』となったら、もう西側は止める力がない。結局、戦争が延びれば延びるほど、得をするのは中国だ」
KAZUYA氏は「アメリカと同盟を結んでいる日本が中立的な立場を維持し続けられるのか」と疑問を投げかける。
「すでに日本の場合、アメリカとウクライナに対して肩入れしてしまっている。和平に向けて、中立の立場をとること自体がそもそも無理なのではないか」
ひろゆき氏は「どこの国でもいいが、先進国の中でそれなりの影響力があって、どちらの国にも与(くみ)しない、治安が良い国でないと仲介は無理だ」と答える。
「大統領が行って射殺されるとまずいから、ある程度のセキュリティがあって、信用できる国じゃないといけない。中立はもういない。『仲介ができる国はどこなのか』だ。日本がベストだという話ではなくて、消去法でどこかの国がやらないといけない。そのポジションをどうでもいいしゃもじで捨てないでほしい」
(「ABEMA Prime」より)