名古屋市中区で24日、マンション7階から双子の兄弟(いずれも2歳)が転落死した。過去にも同様の事故は後を絶たず、2022年11月には千葉、大阪、青森のマンションで2~4歳の男児3人が相次いで死亡した。東京消防庁のまとめによると、子どもの転落事故は部屋の窓を開ける機会が増える春と秋に集中しているという。
2歳双子転落死 棚よじ登って窓の鍵開けたか 厚生労働省の「人口動態調査」によると、15~21年に建物から転落して死亡した9歳以下の子どもは42人に上った。昨年11月に千葉で起きた事故は、高層マンションの25階に住む2歳の男児がベランダから誤って転落したとみられる。

青森ではマンション10階から4歳の男児が転落。ベランダには男児の身長を上回る柵があったが、室内から持ち出したとみられる椅子を使って乗り越えた可能性がある。大阪の事故はマンション4階に住む2歳の男児が、窓から誤って転落したとみられる。 東京消防庁が17~21年の5年間に高所から転落し、救急搬送された5歳以下の子ども62人について分析したところ、年齢別では1歳、3歳、4歳が各16人で最も多く、全体の7割以上(47人)が窓からの転落だった。 季節別では、春(3~5月、24人)と秋(9~11月、20人)に事故の7割が集中。夏や冬はエアコンを使うため部屋を閉め切ることが多いが、春と秋は窓を開ける機会が増えることなどが理由とみられる。 子どもの転落事故について分析している消費者庁は「重大事故を防ぐには、事前の対策を取ることが大切」と指摘。窓やベランダの手すり近くに足場になるものを置かない▽窓には子どもの手が届かない位置に補助錠を付ける▽窓が開いた部屋やベランダで子どもだけで遊ばせない――ことなどを呼びかけている。 一方、小児科医で、子どもの事故予防を啓発するNPO法人「Safe Kids Japan」(東京都)の理事長を務める山中龍宏氏は「あまりに同じような転落事故が続いている。もう個人の注意力に頼るのではなく、法律で安全対策を義務付ける必要があるのではないか」と訴える。 具体的には、子どもが自力で窓を開けられないようにするストッパーや、窓の開け閉めを管理する安全装置の設置などを挙げる。 今年4月から、園児らの置き去りを防ぐため送迎バスに安全装置の設置が義務付けられることを引き合いに、「社会全体で子どもの転落を防ぐ仕掛けを考えていかないといけない」と話した。【山下俊輔】
厚生労働省の「人口動態調査」によると、15~21年に建物から転落して死亡した9歳以下の子どもは42人に上った。昨年11月に千葉で起きた事故は、高層マンションの25階に住む2歳の男児がベランダから誤って転落したとみられる。
青森ではマンション10階から4歳の男児が転落。ベランダには男児の身長を上回る柵があったが、室内から持ち出したとみられる椅子を使って乗り越えた可能性がある。大阪の事故はマンション4階に住む2歳の男児が、窓から誤って転落したとみられる。
東京消防庁が17~21年の5年間に高所から転落し、救急搬送された5歳以下の子ども62人について分析したところ、年齢別では1歳、3歳、4歳が各16人で最も多く、全体の7割以上(47人)が窓からの転落だった。
季節別では、春(3~5月、24人)と秋(9~11月、20人)に事故の7割が集中。夏や冬はエアコンを使うため部屋を閉め切ることが多いが、春と秋は窓を開ける機会が増えることなどが理由とみられる。
子どもの転落事故について分析している消費者庁は「重大事故を防ぐには、事前の対策を取ることが大切」と指摘。窓やベランダの手すり近くに足場になるものを置かない▽窓には子どもの手が届かない位置に補助錠を付ける▽窓が開いた部屋やベランダで子どもだけで遊ばせない――ことなどを呼びかけている。
一方、小児科医で、子どもの事故予防を啓発するNPO法人「Safe Kids Japan」(東京都)の理事長を務める山中龍宏氏は「あまりに同じような転落事故が続いている。もう個人の注意力に頼るのではなく、法律で安全対策を義務付ける必要があるのではないか」と訴える。
具体的には、子どもが自力で窓を開けられないようにするストッパーや、窓の開け閉めを管理する安全装置の設置などを挙げる。
今年4月から、園児らの置き去りを防ぐため送迎バスに安全装置の設置が義務付けられることを引き合いに、「社会全体で子どもの転落を防ぐ仕掛けを考えていかないといけない」と話した。【山下俊輔】