そろそろ厳しい寒さとお別れし、衣替えの季節。この冬も体をぽかぽかにしてくれた「あったかインナーウェア」ともいったんお別れだ。この時期に毎回悩むのが、これを機に「今までありがとう」と処分するのか、「来冬もよろしくね」とたんすにしまうのか。年季の入ったヨレヨレのインナーをみながら思う。いったい、あったかインナーウェアはいつまであったかなのだろう?
【写真を見る】衣類に“使用期限”はある?ヨレヨレになった“あったかインナーウェア”はいつまであったか?ヒートテックに“使用期限”はある?冬の季節は多くの人が毎日愛用しているだろう「あったかインナーウェア」。気づくと、同じものを何年も使い続けているなんてことはないだろうか?筆者も、ヨレヨレになったインナーウェアでも、どうせ見えないからと使い続けてきた。多少生地がへたっていてもあったかい気もするが、もしかしたら寿命が来ている可能性もあるのだろうか。そもそも、下着に使用期限はあるのだろうか?

「あったかインナーウェア」といえば、ユニクロが販売する機能性インナー「ヒートテック」がよく知られている。ヒートテックの商品パッケージを確認してみた。…が、どこにも使用期限の表記は見当たらない。それならと、ユニクロ広報に聞いてみた。ーー貴社のインナーウェア「ヒートテック」に使用期限はありますか?ユニクロ 広報「ヒートテックの発熱機能に『使用期限』はないです。ただ、生地が伸びたり、薄くなるといった洋服としての劣化によって、暖かさを感じにくくなることがあります」使用期限はない。が、洋服としての劣化ってどういうこと…?「ヒートテック」暖かさが減少する原因は?ヒートテック自体に使用期限はない。つまり、使用し続けるのは問題ないわけだ。一方で、洋服としての劣化で、あったかパワーは下がっているかもしれないわけだ。でも「洋服の劣化」とはどういうことなんだろう?ヨレヨレはダメってことなんだろうか?国内唯一繊維学部がある国立大学法人信州大学の繊維のスペシャリスト、大越豊先生に繊維の秘密を伺った。ーー「洋服の劣化」とはどういうものでしょうか?繊維のスペシャリスト 大越豊先生「何を劣化と考えるかは用途によりますが、洋服なら生地の伸びや薄くなることに加え、色褪せや汚れ、毛羽立ちなどが考えられます」ーーどうして起こってしまうのでしょうか?繊維のスペシャリスト 大越豊先生「使用そのものでも薄くなっていくし、だんだん伸びてくると思いますが、洗濯はかなりダメージが大きいと思います」毎日している「洗濯」が洋服の劣化を進める1つの大きな要因。その生地の伸びや薄くなるなどの洋服の劣化によって、暖かさを感じにくくなっているということ?繊維のスペシャリスト 大越豊先生「洗濯や、繊維にとっては敵である日光や紫外線といった刺激によって、生地のアクリル繊維が脱落して薄くなり、さらにポリウレタン繊維が伸びて、生地が肌から離れるようになるため、そこに隙間風が入りやすくなるんです」隙間風…?!ユニクロ広報によると「効果を最大限感じていただくには、ジャストサイズをおすすめしている」とのことだった。洋服としての劣化によって、生地がゆるくなり、肌と密着しなくなってしまうことが、暖かさを感じにくくなる要因というわけか…。つまり、筆者のヨレヨレインナーは能力を最大限に発揮できる状況ではないというわけか。では、できるだけ長く、暖かく使用するために、できることとは何だったんだろうか・・・。繊維のスペシャリスト 大越豊先生「衣類のダメージは、洗濯だけとは言いませんけれど、1つの大きな要因ではあります。洗濯回数を減らせれば1番いいし、やるとしても、せめてネットに入れると、少なくともアクリルの脱落はかなり防げると思います」乱暴に伸ばす、かきまぜる、荒く扱うなど、繊維たちを“いじめないこと”が長持ちの1つのポイント。ーー私の持っているヨレヨレのインナーは捨て時ということでしょうか?繊維のスペシャリスト 大越豊先生「寿命という意味で言うと、~^歇体の寿命∩^歙宿覆箸靴討亮命使用者にとっての寿命という3つがあるんだと思うんです。使用者にとっての寿命で見ると、愛着があるならボロボロでも着ますよね。使用者がそれで使おうと思えば、多分使えるんですよ」なるほど。捨て時は人それぞれなのか。私のヨレヨレあったかインナーには、もう少しだけ付き合ってもらうことにしよう。
冬の季節は多くの人が毎日愛用しているだろう「あったかインナーウェア」。気づくと、同じものを何年も使い続けているなんてことはないだろうか?筆者も、ヨレヨレになったインナーウェアでも、どうせ見えないからと使い続けてきた。多少生地がへたっていてもあったかい気もするが、もしかしたら寿命が来ている可能性もあるのだろうか。そもそも、下着に使用期限はあるのだろうか?
「あったかインナーウェア」といえば、ユニクロが販売する機能性インナー「ヒートテック」がよく知られている。ヒートテックの商品パッケージを確認してみた。
…が、どこにも使用期限の表記は見当たらない。
それならと、ユニクロ広報に聞いてみた。
ーー貴社のインナーウェア「ヒートテック」に使用期限はありますか?
ユニクロ 広報「ヒートテックの発熱機能に『使用期限』はないです。ただ、生地が伸びたり、薄くなるといった洋服としての劣化によって、暖かさを感じにくくなることがあります」
使用期限はない。が、洋服としての劣化ってどういうこと…?
ヒートテック自体に使用期限はない。つまり、使用し続けるのは問題ないわけだ。一方で、洋服としての劣化で、あったかパワーは下がっているかもしれないわけだ。
でも「洋服の劣化」とはどういうことなんだろう?ヨレヨレはダメってことなんだろうか?
国内唯一繊維学部がある国立大学法人信州大学の繊維のスペシャリスト、大越豊先生に繊維の秘密を伺った。
ーー「洋服の劣化」とはどういうものでしょうか?
繊維のスペシャリスト 大越豊先生「何を劣化と考えるかは用途によりますが、洋服なら生地の伸びや薄くなることに加え、色褪せや汚れ、毛羽立ちなどが考えられます」
ーーどうして起こってしまうのでしょうか?
繊維のスペシャリスト 大越豊先生「使用そのものでも薄くなっていくし、だんだん伸びてくると思いますが、洗濯はかなりダメージが大きいと思います」
毎日している「洗濯」が洋服の劣化を進める1つの大きな要因。その生地の伸びや薄くなるなどの洋服の劣化によって、暖かさを感じにくくなっているということ?
繊維のスペシャリスト 大越豊先生「洗濯や、繊維にとっては敵である日光や紫外線といった刺激によって、生地のアクリル繊維が脱落して薄くなり、さらにポリウレタン繊維が伸びて、生地が肌から離れるようになるため、そこに隙間風が入りやすくなるんです」
隙間風…?!ユニクロ広報によると「効果を最大限感じていただくには、ジャストサイズをおすすめしている」とのことだった。洋服としての劣化によって、生地がゆるくなり、肌と密着しなくなってしまうことが、暖かさを感じにくくなる要因というわけか…。
つまり、筆者のヨレヨレインナーは能力を最大限に発揮できる状況ではないというわけか。では、できるだけ長く、暖かく使用するために、できることとは何だったんだろうか・・・。
繊維のスペシャリスト 大越豊先生「衣類のダメージは、洗濯だけとは言いませんけれど、1つの大きな要因ではあります。洗濯回数を減らせれば1番いいし、やるとしても、せめてネットに入れると、少なくともアクリルの脱落はかなり防げると思います」
乱暴に伸ばす、かきまぜる、荒く扱うなど、繊維たちを“いじめないこと”が長持ちの1つのポイント。
ーー私の持っているヨレヨレのインナーは捨て時ということでしょうか?
繊維のスペシャリスト 大越豊先生「寿命という意味で言うと、~^歇体の寿命∩^歙宿覆箸靴討亮命使用者にとっての寿命という3つがあるんだと思うんです。使用者にとっての寿命で見ると、愛着があるならボロボロでも着ますよね。使用者がそれで使おうと思えば、多分使えるんですよ」
なるほど。捨て時は人それぞれなのか。
私のヨレヨレあったかインナーには、もう少しだけ付き合ってもらうことにしよう。