京都市の女子大学生に劇薬のタリウムを摂取させて殺害したとして、大阪府警が殺人容疑で知人の不動産賃貸業、宮本一希容疑者(37)=京都市左京区=を逮捕した事件。
宮本容疑者は不動産賃貸業の他に、イベント企画事業も手がけていた。舞妓(まいこ)の「お座敷遊び」を体験するイベントやショーを提供し、京都の観光業界では「やり手の経営者」として名が知れた存在だった。
「不動産経営はあくまでサイドビジネスで、宮本容疑者の仕事は舞妓のイベント事業が中心だった。京都の観光業の人なら大体名前を知っているのでは」
仕事上の付き合いがあった40代の男性はこう証言する。男性によると、宮本容疑者は10年ほど前、京都五花街の一つ、宮川町のお茶屋を購入し、舞妓ビジネスに乗り出した。「家族の力添えもあったと聞いたが、当時まだ20代後半。すごいなと」
観光客向けにホテルでも舞妓のショーを行い、事業を軌道に乗せていた。「頭が柔らかく、切れる印象。京都の舞妓業界に新しい風を吹かせていた」と話す。
殺害された浜野日菜子さんは、宮本容疑者のイベント企画会社のスタッフとして勤務していた。宮本容疑者は舞妓イベントの手伝いに、女子大生をアルバイト採用することが多かったという。男性は「周囲に気を配れる、頭の回転が速い子がよかったみたい。宮本容疑者がいいなと思った子に直接声をかけていたようだ」と語った。
4年ほど前に「宮川町の不動産を売却し、数億円が手に入った」と話していたという宮本容疑者。高級車のベンツに乗り、京都市内の高級飲食店を頻繁に訪れ、店を貸し切って飲み会を開くなど、羽振りがよかったという。