ぼったくりバーに誘われた男性。きっかけは「マッチングアプリ」だった。
警察車両の後部座席で前髪を気にする女。
20歳の専門学校生・畠叶夢(はた かなめ)容疑者。
無許可営業のいわゆる“ぼったくりバー”に20代の男性を連れて行き、接客をした疑いで逮捕された。
客寄せの手口として使われたのは、「マッチングアプリ」だった。被害男性がマッチングアプリに登録したのは2月10日。その日のうちに、「マイ」と名乗る人物とのやりとりが始まった。「マイ」としてやりとりしていたのは、畠容疑者が勤める店「グランド・エイチ」の男性従業員。
そうとは知らず、被害男性は「新宿で飲もう」と誘われ、会うことになった。翌日、待ち合わせ場所に現れた畠容疑者は、男性にこう提案。
「いつも行っているダーツバーに行こう」
畠容疑者は、自分が働く店「グランド・エイチ」であることを隠して、男性を誘った。
店を訪れた男性に対し、男性従業員は「1人5,000円で1時間飲み放題」などと説明。
男性はこれに納得し、畠容疑者と店に入った。しばらくすると、従業員が2人のテーブルに「よかったら、これで遊んでください」と、トランプとサイコロを置いていった。すると畠容疑者が、「トランプで遊ぼう」と男性を誘い、二人は負けたらショットグラス1杯の酒を飲むというゲームを始めたという。
約1時間後、2人が合計100杯ほど飲んだところで、従業員が男性に対しこう告げた。
「このショットは、飲み放題に含まれてはいません」
その上で、男性に合計40万円ほどを請求。いわゆる“ぼったくり”だった。
男性は手持ちがなかったため、コンビニエンスストアで引き出すなどして27万円を支払う。その後、男性が隙を見て逃げようとしたところ、店の従業員に見つかり、暴行を加えられたうえ、携帯電話などを奪われた。
そして男性は、交番に駆け込んだという。男性とともに捜査員が店に向かったところ、コンビニから別の男性と出てくる畠容疑者を発見。捜査員がこの男性に話を聞くと、「自分も今ぼったくりにあった」と話したという。
マッチングアプリを使ったボッタクリの手口に、アプリユーザーからは不安の声が聞かれた。
マッチングアプリの利用者(女性):怖いなぁと思います。
マッチングアプリの利用者(女性):そういう人もいるんだな。
マッチングアプリの利用者(男性):友だち何人かで飲んでたらしくて、最終的に出された金額が18万とかだったらしくて。
調べに対し、畠容疑者は容疑を認めている。
「マッチングアプリで知り合った男性と従業員であることを隠して店に連れて行き、飲食しろと指示を受けた」
この店による高額請求の被害相談は今年に入り、相次いでいることから、警視庁は余罪についても調べている。
(「イット!」3月6日放送分より)