7日午前の打ち上げに失敗した日本の次世代大型ロケット「H3」初号機について、的川泰宣JAXA名誉教授(宇宙工学)は「国の宇宙基本計画は見直しが迫られ、しばらく我慢の時が続くだろう」と指摘する。
的川氏は「これからの日本の宇宙開発の計画を全面的に展開する希望が持てなくなったため、当面はこれまでのH2Aロケットや(固体燃料の)イプシロンロケットを従来通り使いながら、持ちこたえるしかない。世界の商業市場の情勢を見ても今は大変よい時期で、絶好のチャンスを逃したのは痛手である」と指摘。その上で「先月の打ち上げ中止後、対策が迅速に行われ、好印象だっただけに残念だ。まずは関係者全員が全力を挙げて原因究明に努めてほしい。また、信頼回復のためには、情報公開に透明性が必要となる。原因究明プロセスをガラス張りにして、情報を追うことができるようにすることが大切だろう」と語った。