多くの歯科医師を輩出してきた私立鶴見大学歯学部で、現在附属病院の病院長を務める教員が授業中、学生に向かって「殺すぞ」と発言するなどアカデミックハラスメントが横行している疑いがあることが「週刊文春」の取材で分かった。複数の学生が告発すると共に、発言の動画を入手した。
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鶴見大は曹洞宗の大本山・総持寺が母体の学校法人「総持学園」が運営している。歯学部は1970年に設置され、2022年度は6学年478人が在籍している。
そんな鶴見大の歯学部の学生たちの多くが、教員によるアカハラを訴えているという。

現役学生が明かす。
「アカハラが理由で心身に不調をきたして病院で診断書をもらった人も複数います。除籍された後、大学を提訴した学生もいた」
小誌は鶴見大の“アカハラ体質”を象徴する動画を入手。映し出されているのは21年6月の授業の一コマだ。教壇に立っているのは、同大歯学部附属病院で病院長を務める小川匠氏。遅れて教室に入ってきた学生にこう言い放った(動画は「週刊文春 電子版」で公開)。
「静かにしろよ、お前。遅刻してきて……殺すぞ」
鶴見大に「殺すぞ」発言について問い合わせると… 今年2月、学生から小川病院長のこの発言について問い質された大久保力廣・歯学部長はこう釈明していた。「もちろん私は小川先生に注意しましたよ。それで多分彼も猛省したと思う。だけれども、その局面においては『静かにしてくれ、静かにしてくれ』って言ってんのに、ゾロゾロ遅刻してきたんじゃないの? おーい、ちゃんとしてくれよ、殺すぞって、そんな感じで言ったんだと思うよ」 鶴見大に小川病院長の「殺すぞ」発言について問い合わせたところ、〈令和3年に平穏な授業が妨げられていたことから、担当教授が学生に静かにするように注意した際の発言について、一部不適切な表現があったことから、当時学部長が担当教授に厳重注意をしています〉 と回答した。学生や保護者が大学側に抱いたある“疑念” だが、鶴見大の問題はこれだけではない。別の現役学生が明かす。「卒業を控えた今年度の6年生のうち、半数が留年という“異常事態”が起きているのです」 こうした状況の中、学生や保護者は大学側にある疑念を抱いているという。「意図的に卒業させない“留年商法”ではないか」 今年2月、保護者たちは大学側に“留年商法疑惑“を突きつけた。すると、前出の大久保歯学部長はこう釈明したという。「学納金が足りないから学生を留年させて、学納金を集めたい、と……そんなこと誰も思っていないです。いや、経営者は思っているのかもしれません」 近年、鶴見大は学生数減少による経営悪化に苦しんでいる。〈学納金で人件費負担を賄えなくなっています〉(21年度「事業報告書」)などは厳しい状況が続く。 鶴見大で今、何が起きているのか。現在配信中の「週刊文春 電子版」オリジナルの記事では、病院長の「殺すぞ」発言の動画、歯学部長の釈明音声を公開中だ。さらに、88人中44人が卒業不可とされた背景、鶴見大の“留年商法疑惑“などについても詳しく報じる。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年3月16日号)
今年2月、学生から小川病院長のこの発言について問い質された大久保力廣・歯学部長はこう釈明していた。
「もちろん私は小川先生に注意しましたよ。それで多分彼も猛省したと思う。だけれども、その局面においては『静かにしてくれ、静かにしてくれ』って言ってんのに、ゾロゾロ遅刻してきたんじゃないの? おーい、ちゃんとしてくれよ、殺すぞって、そんな感じで言ったんだと思うよ」
鶴見大に小川病院長の「殺すぞ」発言について問い合わせたところ、
〈令和3年に平穏な授業が妨げられていたことから、担当教授が学生に静かにするように注意した際の発言について、一部不適切な表現があったことから、当時学部長が担当教授に厳重注意をしています〉
と回答した。
学生や保護者が大学側に抱いたある“疑念” だが、鶴見大の問題はこれだけではない。別の現役学生が明かす。「卒業を控えた今年度の6年生のうち、半数が留年という“異常事態”が起きているのです」 こうした状況の中、学生や保護者は大学側にある疑念を抱いているという。「意図的に卒業させない“留年商法”ではないか」 今年2月、保護者たちは大学側に“留年商法疑惑“を突きつけた。すると、前出の大久保歯学部長はこう釈明したという。「学納金が足りないから学生を留年させて、学納金を集めたい、と……そんなこと誰も思っていないです。いや、経営者は思っているのかもしれません」 近年、鶴見大は学生数減少による経営悪化に苦しんでいる。〈学納金で人件費負担を賄えなくなっています〉(21年度「事業報告書」)などは厳しい状況が続く。 鶴見大で今、何が起きているのか。現在配信中の「週刊文春 電子版」オリジナルの記事では、病院長の「殺すぞ」発言の動画、歯学部長の釈明音声を公開中だ。さらに、88人中44人が卒業不可とされた背景、鶴見大の“留年商法疑惑“などについても詳しく報じる。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年3月16日号)
だが、鶴見大の問題はこれだけではない。別の現役学生が明かす。
「卒業を控えた今年度の6年生のうち、半数が留年という“異常事態”が起きているのです」
こうした状況の中、学生や保護者は大学側にある疑念を抱いているという。「意図的に卒業させない“留年商法”ではないか」 今年2月、保護者たちは大学側に“留年商法疑惑“を突きつけた。すると、前出の大久保歯学部長はこう釈明したという。「学納金が足りないから学生を留年させて、学納金を集めたい、と……そんなこと誰も思っていないです。いや、経営者は思っているのかもしれません」 近年、鶴見大は学生数減少による経営悪化に苦しんでいる。〈学納金で人件費負担を賄えなくなっています〉(21年度「事業報告書」)などは厳しい状況が続く。 鶴見大で今、何が起きているのか。現在配信中の「週刊文春 電子版」オリジナルの記事では、病院長の「殺すぞ」発言の動画、歯学部長の釈明音声を公開中だ。さらに、88人中44人が卒業不可とされた背景、鶴見大の“留年商法疑惑“などについても詳しく報じる。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年3月16日号)
こうした状況の中、学生や保護者は大学側にある疑念を抱いているという。
「意図的に卒業させない“留年商法”ではないか」
今年2月、保護者たちは大学側に“留年商法疑惑“を突きつけた。すると、前出の大久保歯学部長はこう釈明したという。
「学納金が足りないから学生を留年させて、学納金を集めたい、と……そんなこと誰も思っていないです。いや、経営者は思っているのかもしれません」
近年、鶴見大は学生数減少による経営悪化に苦しんでいる。〈学納金で人件費負担を賄えなくなっています〉(21年度「事業報告書」)などは厳しい状況が続く。
鶴見大で今、何が起きているのか。現在配信中の「週刊文春 電子版」オリジナルの記事では、病院長の「殺すぞ」発言の動画、歯学部長の釈明音声を公開中だ。さらに、88人中44人が卒業不可とされた背景、鶴見大の“留年商法疑惑“などについても詳しく報じる。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年3月16日号)