静岡県の川勝平太知事の発言が単なる“勘違い”ではなく、「反リニア」に奔走するために平気で「嘘」をついていることがわかった。県職員たちは、知事の「嘘」をごまかすことに必死だ。常軌を逸する事態を招いた責任は「腐った県庁組織」にある。
川勝知事は2023年1月24日の会見で、退任する金子慎JR東海社長の評価を聞かれたのに対して、これまでのリニア問題の経緯を述べた最後に、現在、議論の焦点になっている東京電力の「田代ダム取水抑制案」を持ち出した。
1月24日会見で田代ダム取水抑制案を従来通り否定した川勝知事(静岡県庁、筆者撮影)
「田代ダムは(山梨県)早川町に立地していることによって電源立地交付金が入ってくる。これが取水抑制によって、交付金が低くなる。それをJR東海から補償してもらうと(辻一幸・早川町長が)言われた。金子社長はそれに対応する形で、相応の負担を補償すると言われた」などと述べた。続けて、「(補償をする)その途端に、結局(田代ダム取水抑制案)は目的外使用というか、水利権の問題に関わることになる」などと田代ダム取水抑制案が河川法の水利権に当たると従来通りの発言を繰り返したのだ。この発言に、共同通信記者が「補償をしたとしても目的外使用に当たらないというのが(政府)見解だったのでは」とかみついた。何度も説明しているのに川勝知事は「取水抑制を東電がなさるのは自主判断でできるが、補償という金銭のやり取りがあることで、それが目的外使用になる。実際にそういうことがなければ違法でも何でもない」と金銭補償が発生すれば田代ダム取水抑制案は“違法”になると、勝手な解釈をして政府見解を否定してしまった。 2022年4月の県専門部会で、工事期間中(約10カ月間)に最大約500万立方メートルの水が山梨県に流出するのに対して、川勝知事から全量戻しを求められたJR東海は東京電力に田代ダムの取水を一時的に抑制してもらい、県外流出量分の取水をしないことを提案した。当然、東京電力の内諾を得ていた。その直後の会見で、川勝知事は「JR東海は関係のない水利権に首を突っ込んでいる。水利権の約束を破るのはアホなこと、乱暴なこと」など強く反発した。このため、JR東海は県専門部会で「田代ダム取水抑制案」が水利権にからまないことを詳しく何度も説明している。さらに国土交通省の吉田誠参事官が、同案が水利権を規定する河川法に触れないことを政府見解として説明した。また電源立地交付金による地元への支援を定めた電源開発促進法などは河川法と全く無関係であることも明言した。「検討の余地がある」2022年8月の田代ダム現地視察に同行した辻町長が、JR東海に何らかの「補償」を求めると述べたのは事実だが、河川法上は全く問題ない。 田代ダム取水抑制案を東京電力に持ち掛けたのは辻町長であり、当然、水利権に触れないことを承知して「補償」を求める発言をしたのだ。つまり、川勝知事の自分勝手な解釈は、明らかな間違いである。森貴志副知事は12月4日の県専門部会後の取材に、「田代ダム取水抑制案がJR東海の工事中の全量戻しに有効であると川勝知事も認識している」と答えた。違法が疑われるJR東海の提案を県専門部会で議論するはずもなく、「補償」などの疑問点について政府見解を得たから、事務方は正確に理解していた。それにも関わらず、川勝知事は12月16日、27日の会見で「田代ダム取水抑制案は別の事柄、南アルプス工事と結びつくものではない」「田代ダム取水抑制案は全量戻しとは違う認識」などと森副知事の発言を“ちゃぶ台返し”した。記者たちが強く反発、厳しく追及すると、川勝知事は田代ダム取水抑制案を「検討の余地がある」とその場を言い繕った。ところが、2023年1月4日の年頭会見に続いて、1月24日の会見で、川勝知事は田代ダム取水抑制案が水利権にからむと明言。従来通り、田代ダム取水抑制案を否定してしまう。「勘違い」はありえないこの期に及んで、川勝知事の発言が“勘違い”では済まされないだろう。川勝知事が「嘘つき」だという“本性”がはっきりと現れたのである。事務方が事前にちゃんと説明したはずだから、川勝知事が“勘違い”することはない。政府見解を頭に入れた上で、さまざまなごまかしや言い繕うことで、記者たちの前でも嘘をつき通したのだ。 2022年8月発刊した拙著『知事失格 リニアを遅らせた川勝平太静岡県知事「命の水」の嘘』(飛鳥新社)は、リニア問題に対する川勝知事の唯一無二の論拠となってきた「静岡県民62万人の命の水を守る」が真っ赤な嘘であることを明らかにして、追及した。静岡県庁東館に展示している『命の水』の書(筆者撮影)12月県議会では2人の県会議員がこの問題を取り上げて、川勝知事の答弁を求めたが、知事は答弁に立たず、森副知事が「62万人の『命の水』とは、大井川広域水道だけでなく、各市町が使う自前の水も合わせた量だ」などと無責任な回答でごまかした。それどころか、川勝知事は県庁東館2階に「命の水」の書を掲げて、いまでも「62万人の命の水を守る」を口にする。こんな「嘘」を平気でつくことができるのが川勝知事の“本性”なのだ。後編記事「静岡県で『内部崩壊』が起きている…知事発言を訂正できない県庁職員の『腰巾着ぶり』」に続く。
「田代ダムは(山梨県)早川町に立地していることによって電源立地交付金が入ってくる。これが取水抑制によって、交付金が低くなる。それをJR東海から補償してもらうと(辻一幸・早川町長が)言われた。金子社長はそれに対応する形で、相応の負担を補償すると言われた」などと述べた。
続けて、「(補償をする)その途端に、結局(田代ダム取水抑制案)は目的外使用というか、水利権の問題に関わることになる」などと田代ダム取水抑制案が河川法の水利権に当たると従来通りの発言を繰り返したのだ。
この発言に、共同通信記者が「補償をしたとしても目的外使用に当たらないというのが(政府)見解だったのでは」とかみついた。
川勝知事は「取水抑制を東電がなさるのは自主判断でできるが、補償という金銭のやり取りがあることで、それが目的外使用になる。実際にそういうことがなければ違法でも何でもない」と金銭補償が発生すれば田代ダム取水抑制案は“違法”になると、勝手な解釈をして政府見解を否定してしまった。
2022年4月の県専門部会で、工事期間中(約10カ月間)に最大約500万立方メートルの水が山梨県に流出するのに対して、川勝知事から全量戻しを求められたJR東海は東京電力に田代ダムの取水を一時的に抑制してもらい、県外流出量分の取水をしないことを提案した。当然、東京電力の内諾を得ていた。その直後の会見で、川勝知事は「JR東海は関係のない水利権に首を突っ込んでいる。水利権の約束を破るのはアホなこと、乱暴なこと」など強く反発した。このため、JR東海は県専門部会で「田代ダム取水抑制案」が水利権にからまないことを詳しく何度も説明している。さらに国土交通省の吉田誠参事官が、同案が水利権を規定する河川法に触れないことを政府見解として説明した。また電源立地交付金による地元への支援を定めた電源開発促進法などは河川法と全く無関係であることも明言した。「検討の余地がある」2022年8月の田代ダム現地視察に同行した辻町長が、JR東海に何らかの「補償」を求めると述べたのは事実だが、河川法上は全く問題ない。 田代ダム取水抑制案を東京電力に持ち掛けたのは辻町長であり、当然、水利権に触れないことを承知して「補償」を求める発言をしたのだ。つまり、川勝知事の自分勝手な解釈は、明らかな間違いである。森貴志副知事は12月4日の県専門部会後の取材に、「田代ダム取水抑制案がJR東海の工事中の全量戻しに有効であると川勝知事も認識している」と答えた。違法が疑われるJR東海の提案を県専門部会で議論するはずもなく、「補償」などの疑問点について政府見解を得たから、事務方は正確に理解していた。それにも関わらず、川勝知事は12月16日、27日の会見で「田代ダム取水抑制案は別の事柄、南アルプス工事と結びつくものではない」「田代ダム取水抑制案は全量戻しとは違う認識」などと森副知事の発言を“ちゃぶ台返し”した。記者たちが強く反発、厳しく追及すると、川勝知事は田代ダム取水抑制案を「検討の余地がある」とその場を言い繕った。ところが、2023年1月4日の年頭会見に続いて、1月24日の会見で、川勝知事は田代ダム取水抑制案が水利権にからむと明言。従来通り、田代ダム取水抑制案を否定してしまう。「勘違い」はありえないこの期に及んで、川勝知事の発言が“勘違い”では済まされないだろう。川勝知事が「嘘つき」だという“本性”がはっきりと現れたのである。事務方が事前にちゃんと説明したはずだから、川勝知事が“勘違い”することはない。政府見解を頭に入れた上で、さまざまなごまかしや言い繕うことで、記者たちの前でも嘘をつき通したのだ。 2022年8月発刊した拙著『知事失格 リニアを遅らせた川勝平太静岡県知事「命の水」の嘘』(飛鳥新社)は、リニア問題に対する川勝知事の唯一無二の論拠となってきた「静岡県民62万人の命の水を守る」が真っ赤な嘘であることを明らかにして、追及した。静岡県庁東館に展示している『命の水』の書(筆者撮影)12月県議会では2人の県会議員がこの問題を取り上げて、川勝知事の答弁を求めたが、知事は答弁に立たず、森副知事が「62万人の『命の水』とは、大井川広域水道だけでなく、各市町が使う自前の水も合わせた量だ」などと無責任な回答でごまかした。それどころか、川勝知事は県庁東館2階に「命の水」の書を掲げて、いまでも「62万人の命の水を守る」を口にする。こんな「嘘」を平気でつくことができるのが川勝知事の“本性”なのだ。後編記事「静岡県で『内部崩壊』が起きている…知事発言を訂正できない県庁職員の『腰巾着ぶり』」に続く。
2022年4月の県専門部会で、工事期間中(約10カ月間)に最大約500万立方メートルの水が山梨県に流出するのに対して、川勝知事から全量戻しを求められたJR東海は東京電力に田代ダムの取水を一時的に抑制してもらい、県外流出量分の取水をしないことを提案した。当然、東京電力の内諾を得ていた。
その直後の会見で、川勝知事は「JR東海は関係のない水利権に首を突っ込んでいる。水利権の約束を破るのはアホなこと、乱暴なこと」など強く反発した。
このため、JR東海は県専門部会で「田代ダム取水抑制案」が水利権にからまないことを詳しく何度も説明している。
さらに国土交通省の吉田誠参事官が、同案が水利権を規定する河川法に触れないことを政府見解として説明した。また電源立地交付金による地元への支援を定めた電源開発促進法などは河川法と全く無関係であることも明言した。
2022年8月の田代ダム現地視察に同行した辻町長が、JR東海に何らかの「補償」を求めると述べたのは事実だが、河川法上は全く問題ない。
田代ダム取水抑制案を東京電力に持ち掛けたのは辻町長であり、当然、水利権に触れないことを承知して「補償」を求める発言をしたのだ。つまり、川勝知事の自分勝手な解釈は、明らかな間違いである。森貴志副知事は12月4日の県専門部会後の取材に、「田代ダム取水抑制案がJR東海の工事中の全量戻しに有効であると川勝知事も認識している」と答えた。違法が疑われるJR東海の提案を県専門部会で議論するはずもなく、「補償」などの疑問点について政府見解を得たから、事務方は正確に理解していた。それにも関わらず、川勝知事は12月16日、27日の会見で「田代ダム取水抑制案は別の事柄、南アルプス工事と結びつくものではない」「田代ダム取水抑制案は全量戻しとは違う認識」などと森副知事の発言を“ちゃぶ台返し”した。記者たちが強く反発、厳しく追及すると、川勝知事は田代ダム取水抑制案を「検討の余地がある」とその場を言い繕った。ところが、2023年1月4日の年頭会見に続いて、1月24日の会見で、川勝知事は田代ダム取水抑制案が水利権にからむと明言。従来通り、田代ダム取水抑制案を否定してしまう。「勘違い」はありえないこの期に及んで、川勝知事の発言が“勘違い”では済まされないだろう。川勝知事が「嘘つき」だという“本性”がはっきりと現れたのである。事務方が事前にちゃんと説明したはずだから、川勝知事が“勘違い”することはない。政府見解を頭に入れた上で、さまざまなごまかしや言い繕うことで、記者たちの前でも嘘をつき通したのだ。 2022年8月発刊した拙著『知事失格 リニアを遅らせた川勝平太静岡県知事「命の水」の嘘』(飛鳥新社)は、リニア問題に対する川勝知事の唯一無二の論拠となってきた「静岡県民62万人の命の水を守る」が真っ赤な嘘であることを明らかにして、追及した。静岡県庁東館に展示している『命の水』の書(筆者撮影)12月県議会では2人の県会議員がこの問題を取り上げて、川勝知事の答弁を求めたが、知事は答弁に立たず、森副知事が「62万人の『命の水』とは、大井川広域水道だけでなく、各市町が使う自前の水も合わせた量だ」などと無責任な回答でごまかした。それどころか、川勝知事は県庁東館2階に「命の水」の書を掲げて、いまでも「62万人の命の水を守る」を口にする。こんな「嘘」を平気でつくことができるのが川勝知事の“本性”なのだ。後編記事「静岡県で『内部崩壊』が起きている…知事発言を訂正できない県庁職員の『腰巾着ぶり』」に続く。
田代ダム取水抑制案を東京電力に持ち掛けたのは辻町長であり、当然、水利権に触れないことを承知して「補償」を求める発言をしたのだ。つまり、川勝知事の自分勝手な解釈は、明らかな間違いである。
森貴志副知事は12月4日の県専門部会後の取材に、「田代ダム取水抑制案がJR東海の工事中の全量戻しに有効であると川勝知事も認識している」と答えた。違法が疑われるJR東海の提案を県専門部会で議論するはずもなく、「補償」などの疑問点について政府見解を得たから、事務方は正確に理解していた。
それにも関わらず、川勝知事は12月16日、27日の会見で「田代ダム取水抑制案は別の事柄、南アルプス工事と結びつくものではない」「田代ダム取水抑制案は全量戻しとは違う認識」などと森副知事の発言を“ちゃぶ台返し”した。
記者たちが強く反発、厳しく追及すると、川勝知事は田代ダム取水抑制案を「検討の余地がある」とその場を言い繕った。
ところが、2023年1月4日の年頭会見に続いて、1月24日の会見で、川勝知事は田代ダム取水抑制案が水利権にからむと明言。従来通り、田代ダム取水抑制案を否定してしまう。
この期に及んで、川勝知事の発言が“勘違い”では済まされないだろう。川勝知事が「嘘つき」だという“本性”がはっきりと現れたのである。事務方が事前にちゃんと説明したはずだから、川勝知事が“勘違い”することはない。政府見解を頭に入れた上で、さまざまなごまかしや言い繕うことで、記者たちの前でも嘘をつき通したのだ。
2022年8月発刊した拙著『知事失格 リニアを遅らせた川勝平太静岡県知事「命の水」の嘘』(飛鳥新社)は、リニア問題に対する川勝知事の唯一無二の論拠となってきた「静岡県民62万人の命の水を守る」が真っ赤な嘘であることを明らかにして、追及した。静岡県庁東館に展示している『命の水』の書(筆者撮影)12月県議会では2人の県会議員がこの問題を取り上げて、川勝知事の答弁を求めたが、知事は答弁に立たず、森副知事が「62万人の『命の水』とは、大井川広域水道だけでなく、各市町が使う自前の水も合わせた量だ」などと無責任な回答でごまかした。それどころか、川勝知事は県庁東館2階に「命の水」の書を掲げて、いまでも「62万人の命の水を守る」を口にする。こんな「嘘」を平気でつくことができるのが川勝知事の“本性”なのだ。後編記事「静岡県で『内部崩壊』が起きている…知事発言を訂正できない県庁職員の『腰巾着ぶり』」に続く。
2022年8月発刊した拙著『知事失格 リニアを遅らせた川勝平太静岡県知事「命の水」の嘘』(飛鳥新社)は、リニア問題に対する川勝知事の唯一無二の論拠となってきた「静岡県民62万人の命の水を守る」が真っ赤な嘘であることを明らかにして、追及した。
静岡県庁東館に展示している『命の水』の書(筆者撮影)
12月県議会では2人の県会議員がこの問題を取り上げて、川勝知事の答弁を求めたが、知事は答弁に立たず、森副知事が「62万人の『命の水』とは、大井川広域水道だけでなく、各市町が使う自前の水も合わせた量だ」などと無責任な回答でごまかした。
それどころか、川勝知事は県庁東館2階に「命の水」の書を掲げて、いまでも「62万人の命の水を守る」を口にする。こんな「嘘」を平気でつくことができるのが川勝知事の“本性”なのだ。
後編記事「静岡県で『内部崩壊』が起きている…知事発言を訂正できない県庁職員の『腰巾着ぶり』」に続く。