Twitterで見知らぬユーザーから変なメッセージが届く――という現象が急増している。
よく耳にするケースは、Twitter上で「DM(ダイレクトメッセージ)が届いた」という通知があり、「誰からだろう」と思って開いたら、有料アダルト系サイトやアフィリエイト系サイトに勧誘するDMだったというもの。たった数日のうちにこうした迷惑DMが受信トレイを埋め尽くしてしまったと悲嘆する声が、多くのTwitterユーザーから上がっているのだ。
photo by gettyimages
被害が大きいユーザーだと、一日でフォロー、フォロワー外のアカウントから数十件もDMが届くのだという。そこで、今なぜTwitter上でこうした迷惑DMが増加しているのかについて、ITジャーナリストの三上洋氏に解説してもらった(以下、「」内は氏のコメント)。迷惑DMの大半は自動メッセージ増え続ける迷惑DMを語るうえで、まずはTwitterのDM機能についておさらいしておく必要がある。「Twitterは不特定多数の人に自分のつぶやきが表示される拡散型のSNSですが、特定のアカウントと直接、クローズドでメッセージを送受信できるのがDMという機能になります。やりとりをしている相手にしか送受信内容が表示されないので、感覚としては一般的な電子メールに近いものと言えますね。DMはフォローしているユーザー間でしかやり取りを行えない設定にもできますが、フォローしていない不特定多数の人から受信可能な設定にもできるのです。今回の迷惑DM被害に遭っているのは後者の人でしょう」photo by gettyimages では、そんな機能を悪用した迷惑DMにはどのようなものがあるのか。「世間で認知されている迷惑DMは主に2つあります。ひとつは実際に個人がアカウントを利用して悪質な嫌がらせなどを送るタイプ。もうひとつはBOT(ボット)と呼ばれる、タスクや処理を自動化するためのアプリケーションやプログラムを使って、一度に大量のDMを不特定多数に送りつけ、悪質なフィッシング詐欺などに誘導する“BOT系迷惑DM”と呼ばれるタイプです。今話題になっているのはBOT系迷惑DMのほうで、主に“捨てアカウント”と呼ばれるアカウントから送られてきます。捨てアカウントとは、Twitterを交流目的で使用している人とは違い、通報されたり放棄したりすることをあらかじめ念頭に置いたアカウントであり、簡易的なプロフィール、アイコンになっていることがほとんど。迷惑DMの内容としては、まず文法的に支離滅裂でめちゃくちゃな日本語になっているという印象です。そして、たいていは悪質なサイトに繋がるリンクが貼られており、アダルト系の有料サイトや、金額に見合わない情報商材やサービスを売りつけるアフィリエイト系のサイトにつながることが多いです。大半が詐欺目的と考えていいでしょう」大半が詐欺目的要するにかつてはPCメールやケータイメールに送られてきていた類の詐欺メールが、TwitterのDMにも浸食してきているということのようだ。photo by gettyimages こうした迷惑DMについて、ユーザーレベルでできる対処法はあるのだろうか。「迷惑DMが来たら『ブロックまたは報告する』を押しましょう。これで次回からは表示されなくなります。もっと根本的に解決したいのであれば、やはりDMを不特定多数の人から受信できないように設定することに尽きますね。具体的にはTwitterの『もっと見る』から『設定とサポート』、『設定とプライバシー』と入っていき、『プライバシーと安全』から『ダイレクトメール』をクリックします。そしてそこにある『すべてのアカウントからのメッセージリクエストを許可する』のチェックマークを外します。フォロー、フォロワー外のユーザーとも交流をしたい人にとっては少々つらいと思いますが、受信トレイが迷惑DMだらけになってしまうよりかはマシでしょう」自動化ソフトの発達が原因か?そもそも、なぜ迷惑DMがこれほど急増しているのか。「迷惑DMの発信者は、簡易な操作で何千、何万通のメッセージを一斉自動送信できる自動化ソフトを使っているのでしょう。そのため、おそらく昨今アンダーグラウンドな業界で、高性能で利便性の高い自動化ソフトが出回ってしまっていると考えられます。複数のソフトが出回っているというよりは、特定の自動化ソフトが流行してしまっている可能性が高いですが、残念ながら詳細は謎に包まれているのが現状です」こうした詐欺目的のDMを送ってくるアカウントは本当に迷惑極まりないが、アカウントの中身はどのような人間なのか、気になるところである。「BOT系迷惑DMのほとんどは文法的におかしな日本語で書かれており、自動翻訳で文章を作っていることが推察できますので、発信者が外国語話者である可能性は高いでしょうね。ただそのユーザーの中身が組織なのか個人なのかについてまで判別するのは難しいです。というのも、BOT系迷惑DMは自動化ソフトを使用すれば労力をほとんどかけずに数万通規模で送れるため、個人、組織どちらでもできてしまうからです」photo by gettyimages とはいえ怪しい日本語での怪しい勧誘……このような雑な手口では、実際に引っかかって詐欺に遭ってしまう人はほとんどいないように思われるが、どれほど“効果”があるのだろうか。「確かに詐欺の成功率を高めたいのであれば、もっと正しい日本語を使えばいいのにと思うかもしれませんが、こういった迷惑DMの発信者は“下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる”のスタンスで、一つひとつのメッセージの精度を高める気がないのでしょう。数年前には、大手検索サイトを装ってリンクを送りTwitter連携サービスを導入させてさらなる拡散につなげるといった、非常に手の込んだ悪質な迷惑DMが横行した時期もありました。しかし、ここ数ヶ月で増えているタイプの迷惑DMは、それらとは違ってもっと粗雑な印象を受けますね」仮に引っかかってしまうのが1000人中たった1人しかいなくても、数万人に迷惑DMを送っていれば数十人が引っかかることになる。99.9%の人がスルーしても0.1%の人が騙されれば詐欺ビジネスとして成立してしまうため、文章のクオリティを高めるよりも大量に送信することを重要視しているということなのかもしれない。迷惑DM根絶への期待さて、これからもTwitterを安心して利用していきたいところだが、運営元であるTwitter社に迷惑DM根絶を期待できないのだろうか。「今年TwitterのCEOに就任して波紋を呼んでいるイーロン・マスク氏ですが、彼の改革によって迷惑DM問題が解決するのでは? と期待されていました。マスク氏はTwitterを買収する際に“BOTがユーザー体験を悪化させ、ユーザーの増加を妨げている原因”として、BOTの撲滅を掲げていたからです。しかし現実に起きているのは逆でした。大幅な人員削減により、Twitterのトラブルや障害対策が不十分となり、トラブルが放置されている状態です。そのため、迷惑DMを送ってくる悪質なBOT対策も甘くなっている可能性があります」photo by gettyimages Twitterの迷惑DMや悪質なBOTが放置されれば、利用者もTwitterに嫌気が差してしまうかもしれない。イーロン・マスクには、Twitterを立て直すためにも、迷惑DMなども宣伝アカウント対策を今すぐ取り組んでもらいたいばかりだ。
被害が大きいユーザーだと、一日でフォロー、フォロワー外のアカウントから数十件もDMが届くのだという。そこで、今なぜTwitter上でこうした迷惑DMが増加しているのかについて、ITジャーナリストの三上洋氏に解説してもらった(以下、「」内は氏のコメント)。
増え続ける迷惑DMを語るうえで、まずはTwitterのDM機能についておさらいしておく必要がある。
「Twitterは不特定多数の人に自分のつぶやきが表示される拡散型のSNSですが、特定のアカウントと直接、クローズドでメッセージを送受信できるのがDMという機能になります。やりとりをしている相手にしか送受信内容が表示されないので、感覚としては一般的な電子メールに近いものと言えますね。
DMはフォローしているユーザー間でしかやり取りを行えない設定にもできますが、フォローしていない不特定多数の人から受信可能な設定にもできるのです。今回の迷惑DM被害に遭っているのは後者の人でしょう」
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では、そんな機能を悪用した迷惑DMにはどのようなものがあるのか。「世間で認知されている迷惑DMは主に2つあります。ひとつは実際に個人がアカウントを利用して悪質な嫌がらせなどを送るタイプ。もうひとつはBOT(ボット)と呼ばれる、タスクや処理を自動化するためのアプリケーションやプログラムを使って、一度に大量のDMを不特定多数に送りつけ、悪質なフィッシング詐欺などに誘導する“BOT系迷惑DM”と呼ばれるタイプです。今話題になっているのはBOT系迷惑DMのほうで、主に“捨てアカウント”と呼ばれるアカウントから送られてきます。捨てアカウントとは、Twitterを交流目的で使用している人とは違い、通報されたり放棄したりすることをあらかじめ念頭に置いたアカウントであり、簡易的なプロフィール、アイコンになっていることがほとんど。迷惑DMの内容としては、まず文法的に支離滅裂でめちゃくちゃな日本語になっているという印象です。そして、たいていは悪質なサイトに繋がるリンクが貼られており、アダルト系の有料サイトや、金額に見合わない情報商材やサービスを売りつけるアフィリエイト系のサイトにつながることが多いです。大半が詐欺目的と考えていいでしょう」大半が詐欺目的要するにかつてはPCメールやケータイメールに送られてきていた類の詐欺メールが、TwitterのDMにも浸食してきているということのようだ。photo by gettyimages こうした迷惑DMについて、ユーザーレベルでできる対処法はあるのだろうか。「迷惑DMが来たら『ブロックまたは報告する』を押しましょう。これで次回からは表示されなくなります。もっと根本的に解決したいのであれば、やはりDMを不特定多数の人から受信できないように設定することに尽きますね。具体的にはTwitterの『もっと見る』から『設定とサポート』、『設定とプライバシー』と入っていき、『プライバシーと安全』から『ダイレクトメール』をクリックします。そしてそこにある『すべてのアカウントからのメッセージリクエストを許可する』のチェックマークを外します。フォロー、フォロワー外のユーザーとも交流をしたい人にとっては少々つらいと思いますが、受信トレイが迷惑DMだらけになってしまうよりかはマシでしょう」自動化ソフトの発達が原因か?そもそも、なぜ迷惑DMがこれほど急増しているのか。「迷惑DMの発信者は、簡易な操作で何千、何万通のメッセージを一斉自動送信できる自動化ソフトを使っているのでしょう。そのため、おそらく昨今アンダーグラウンドな業界で、高性能で利便性の高い自動化ソフトが出回ってしまっていると考えられます。複数のソフトが出回っているというよりは、特定の自動化ソフトが流行してしまっている可能性が高いですが、残念ながら詳細は謎に包まれているのが現状です」こうした詐欺目的のDMを送ってくるアカウントは本当に迷惑極まりないが、アカウントの中身はどのような人間なのか、気になるところである。「BOT系迷惑DMのほとんどは文法的におかしな日本語で書かれており、自動翻訳で文章を作っていることが推察できますので、発信者が外国語話者である可能性は高いでしょうね。ただそのユーザーの中身が組織なのか個人なのかについてまで判別するのは難しいです。というのも、BOT系迷惑DMは自動化ソフトを使用すれば労力をほとんどかけずに数万通規模で送れるため、個人、組織どちらでもできてしまうからです」photo by gettyimages とはいえ怪しい日本語での怪しい勧誘……このような雑な手口では、実際に引っかかって詐欺に遭ってしまう人はほとんどいないように思われるが、どれほど“効果”があるのだろうか。「確かに詐欺の成功率を高めたいのであれば、もっと正しい日本語を使えばいいのにと思うかもしれませんが、こういった迷惑DMの発信者は“下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる”のスタンスで、一つひとつのメッセージの精度を高める気がないのでしょう。数年前には、大手検索サイトを装ってリンクを送りTwitter連携サービスを導入させてさらなる拡散につなげるといった、非常に手の込んだ悪質な迷惑DMが横行した時期もありました。しかし、ここ数ヶ月で増えているタイプの迷惑DMは、それらとは違ってもっと粗雑な印象を受けますね」仮に引っかかってしまうのが1000人中たった1人しかいなくても、数万人に迷惑DMを送っていれば数十人が引っかかることになる。99.9%の人がスルーしても0.1%の人が騙されれば詐欺ビジネスとして成立してしまうため、文章のクオリティを高めるよりも大量に送信することを重要視しているということなのかもしれない。迷惑DM根絶への期待さて、これからもTwitterを安心して利用していきたいところだが、運営元であるTwitter社に迷惑DM根絶を期待できないのだろうか。「今年TwitterのCEOに就任して波紋を呼んでいるイーロン・マスク氏ですが、彼の改革によって迷惑DM問題が解決するのでは? と期待されていました。マスク氏はTwitterを買収する際に“BOTがユーザー体験を悪化させ、ユーザーの増加を妨げている原因”として、BOTの撲滅を掲げていたからです。しかし現実に起きているのは逆でした。大幅な人員削減により、Twitterのトラブルや障害対策が不十分となり、トラブルが放置されている状態です。そのため、迷惑DMを送ってくる悪質なBOT対策も甘くなっている可能性があります」photo by gettyimages Twitterの迷惑DMや悪質なBOTが放置されれば、利用者もTwitterに嫌気が差してしまうかもしれない。イーロン・マスクには、Twitterを立て直すためにも、迷惑DMなども宣伝アカウント対策を今すぐ取り組んでもらいたいばかりだ。
では、そんな機能を悪用した迷惑DMにはどのようなものがあるのか。
「世間で認知されている迷惑DMは主に2つあります。ひとつは実際に個人がアカウントを利用して悪質な嫌がらせなどを送るタイプ。もうひとつはBOT(ボット)と呼ばれる、タスクや処理を自動化するためのアプリケーションやプログラムを使って、一度に大量のDMを不特定多数に送りつけ、悪質なフィッシング詐欺などに誘導する“BOT系迷惑DM”と呼ばれるタイプです。
今話題になっているのはBOT系迷惑DMのほうで、主に“捨てアカウント”と呼ばれるアカウントから送られてきます。捨てアカウントとは、Twitterを交流目的で使用している人とは違い、通報されたり放棄したりすることをあらかじめ念頭に置いたアカウントであり、簡易的なプロフィール、アイコンになっていることがほとんど。
迷惑DMの内容としては、まず文法的に支離滅裂でめちゃくちゃな日本語になっているという印象です。そして、たいていは悪質なサイトに繋がるリンクが貼られており、アダルト系の有料サイトや、金額に見合わない情報商材やサービスを売りつけるアフィリエイト系のサイトにつながることが多いです。大半が詐欺目的と考えていいでしょう」
要するにかつてはPCメールやケータイメールに送られてきていた類の詐欺メールが、TwitterのDMにも浸食してきているということのようだ。
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こうした迷惑DMについて、ユーザーレベルでできる対処法はあるのだろうか。「迷惑DMが来たら『ブロックまたは報告する』を押しましょう。これで次回からは表示されなくなります。もっと根本的に解決したいのであれば、やはりDMを不特定多数の人から受信できないように設定することに尽きますね。具体的にはTwitterの『もっと見る』から『設定とサポート』、『設定とプライバシー』と入っていき、『プライバシーと安全』から『ダイレクトメール』をクリックします。そしてそこにある『すべてのアカウントからのメッセージリクエストを許可する』のチェックマークを外します。フォロー、フォロワー外のユーザーとも交流をしたい人にとっては少々つらいと思いますが、受信トレイが迷惑DMだらけになってしまうよりかはマシでしょう」自動化ソフトの発達が原因か?そもそも、なぜ迷惑DMがこれほど急増しているのか。「迷惑DMの発信者は、簡易な操作で何千、何万通のメッセージを一斉自動送信できる自動化ソフトを使っているのでしょう。そのため、おそらく昨今アンダーグラウンドな業界で、高性能で利便性の高い自動化ソフトが出回ってしまっていると考えられます。複数のソフトが出回っているというよりは、特定の自動化ソフトが流行してしまっている可能性が高いですが、残念ながら詳細は謎に包まれているのが現状です」こうした詐欺目的のDMを送ってくるアカウントは本当に迷惑極まりないが、アカウントの中身はどのような人間なのか、気になるところである。「BOT系迷惑DMのほとんどは文法的におかしな日本語で書かれており、自動翻訳で文章を作っていることが推察できますので、発信者が外国語話者である可能性は高いでしょうね。ただそのユーザーの中身が組織なのか個人なのかについてまで判別するのは難しいです。というのも、BOT系迷惑DMは自動化ソフトを使用すれば労力をほとんどかけずに数万通規模で送れるため、個人、組織どちらでもできてしまうからです」photo by gettyimages とはいえ怪しい日本語での怪しい勧誘……このような雑な手口では、実際に引っかかって詐欺に遭ってしまう人はほとんどいないように思われるが、どれほど“効果”があるのだろうか。「確かに詐欺の成功率を高めたいのであれば、もっと正しい日本語を使えばいいのにと思うかもしれませんが、こういった迷惑DMの発信者は“下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる”のスタンスで、一つひとつのメッセージの精度を高める気がないのでしょう。数年前には、大手検索サイトを装ってリンクを送りTwitter連携サービスを導入させてさらなる拡散につなげるといった、非常に手の込んだ悪質な迷惑DMが横行した時期もありました。しかし、ここ数ヶ月で増えているタイプの迷惑DMは、それらとは違ってもっと粗雑な印象を受けますね」仮に引っかかってしまうのが1000人中たった1人しかいなくても、数万人に迷惑DMを送っていれば数十人が引っかかることになる。99.9%の人がスルーしても0.1%の人が騙されれば詐欺ビジネスとして成立してしまうため、文章のクオリティを高めるよりも大量に送信することを重要視しているということなのかもしれない。迷惑DM根絶への期待さて、これからもTwitterを安心して利用していきたいところだが、運営元であるTwitter社に迷惑DM根絶を期待できないのだろうか。「今年TwitterのCEOに就任して波紋を呼んでいるイーロン・マスク氏ですが、彼の改革によって迷惑DM問題が解決するのでは? と期待されていました。マスク氏はTwitterを買収する際に“BOTがユーザー体験を悪化させ、ユーザーの増加を妨げている原因”として、BOTの撲滅を掲げていたからです。しかし現実に起きているのは逆でした。大幅な人員削減により、Twitterのトラブルや障害対策が不十分となり、トラブルが放置されている状態です。そのため、迷惑DMを送ってくる悪質なBOT対策も甘くなっている可能性があります」photo by gettyimages Twitterの迷惑DMや悪質なBOTが放置されれば、利用者もTwitterに嫌気が差してしまうかもしれない。イーロン・マスクには、Twitterを立て直すためにも、迷惑DMなども宣伝アカウント対策を今すぐ取り組んでもらいたいばかりだ。
こうした迷惑DMについて、ユーザーレベルでできる対処法はあるのだろうか。
「迷惑DMが来たら『ブロックまたは報告する』を押しましょう。これで次回からは表示されなくなります。もっと根本的に解決したいのであれば、やはりDMを不特定多数の人から受信できないように設定することに尽きますね。
具体的にはTwitterの『もっと見る』から『設定とサポート』、『設定とプライバシー』と入っていき、『プライバシーと安全』から『ダイレクトメール』をクリックします。そしてそこにある『すべてのアカウントからのメッセージリクエストを許可する』のチェックマークを外します。
フォロー、フォロワー外のユーザーとも交流をしたい人にとっては少々つらいと思いますが、受信トレイが迷惑DMだらけになってしまうよりかはマシでしょう」
そもそも、なぜ迷惑DMがこれほど急増しているのか。
「迷惑DMの発信者は、簡易な操作で何千、何万通のメッセージを一斉自動送信できる自動化ソフトを使っているのでしょう。そのため、おそらく昨今アンダーグラウンドな業界で、高性能で利便性の高い自動化ソフトが出回ってしまっていると考えられます。
複数のソフトが出回っているというよりは、特定の自動化ソフトが流行してしまっている可能性が高いですが、残念ながら詳細は謎に包まれているのが現状です」
こうした詐欺目的のDMを送ってくるアカウントは本当に迷惑極まりないが、アカウントの中身はどのような人間なのか、気になるところである。
「BOT系迷惑DMのほとんどは文法的におかしな日本語で書かれており、自動翻訳で文章を作っていることが推察できますので、発信者が外国語話者である可能性は高いでしょうね。
ただそのユーザーの中身が組織なのか個人なのかについてまで判別するのは難しいです。というのも、BOT系迷惑DMは自動化ソフトを使用すれば労力をほとんどかけずに数万通規模で送れるため、個人、組織どちらでもできてしまうからです」
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とはいえ怪しい日本語での怪しい勧誘……このような雑な手口では、実際に引っかかって詐欺に遭ってしまう人はほとんどいないように思われるが、どれほど“効果”があるのだろうか。「確かに詐欺の成功率を高めたいのであれば、もっと正しい日本語を使えばいいのにと思うかもしれませんが、こういった迷惑DMの発信者は“下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる”のスタンスで、一つひとつのメッセージの精度を高める気がないのでしょう。数年前には、大手検索サイトを装ってリンクを送りTwitter連携サービスを導入させてさらなる拡散につなげるといった、非常に手の込んだ悪質な迷惑DMが横行した時期もありました。しかし、ここ数ヶ月で増えているタイプの迷惑DMは、それらとは違ってもっと粗雑な印象を受けますね」仮に引っかかってしまうのが1000人中たった1人しかいなくても、数万人に迷惑DMを送っていれば数十人が引っかかることになる。99.9%の人がスルーしても0.1%の人が騙されれば詐欺ビジネスとして成立してしまうため、文章のクオリティを高めるよりも大量に送信することを重要視しているということなのかもしれない。迷惑DM根絶への期待さて、これからもTwitterを安心して利用していきたいところだが、運営元であるTwitter社に迷惑DM根絶を期待できないのだろうか。「今年TwitterのCEOに就任して波紋を呼んでいるイーロン・マスク氏ですが、彼の改革によって迷惑DM問題が解決するのでは? と期待されていました。マスク氏はTwitterを買収する際に“BOTがユーザー体験を悪化させ、ユーザーの増加を妨げている原因”として、BOTの撲滅を掲げていたからです。しかし現実に起きているのは逆でした。大幅な人員削減により、Twitterのトラブルや障害対策が不十分となり、トラブルが放置されている状態です。そのため、迷惑DMを送ってくる悪質なBOT対策も甘くなっている可能性があります」photo by gettyimages Twitterの迷惑DMや悪質なBOTが放置されれば、利用者もTwitterに嫌気が差してしまうかもしれない。イーロン・マスクには、Twitterを立て直すためにも、迷惑DMなども宣伝アカウント対策を今すぐ取り組んでもらいたいばかりだ。
とはいえ怪しい日本語での怪しい勧誘……このような雑な手口では、実際に引っかかって詐欺に遭ってしまう人はほとんどいないように思われるが、どれほど“効果”があるのだろうか。
「確かに詐欺の成功率を高めたいのであれば、もっと正しい日本語を使えばいいのにと思うかもしれませんが、こういった迷惑DMの発信者は“下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる”のスタンスで、一つひとつのメッセージの精度を高める気がないのでしょう。
数年前には、大手検索サイトを装ってリンクを送りTwitter連携サービスを導入させてさらなる拡散につなげるといった、非常に手の込んだ悪質な迷惑DMが横行した時期もありました。しかし、ここ数ヶ月で増えているタイプの迷惑DMは、それらとは違ってもっと粗雑な印象を受けますね」
仮に引っかかってしまうのが1000人中たった1人しかいなくても、数万人に迷惑DMを送っていれば数十人が引っかかることになる。99.9%の人がスルーしても0.1%の人が騙されれば詐欺ビジネスとして成立してしまうため、文章のクオリティを高めるよりも大量に送信することを重要視しているということなのかもしれない。
さて、これからもTwitterを安心して利用していきたいところだが、運営元であるTwitter社に迷惑DM根絶を期待できないのだろうか。
「今年TwitterのCEOに就任して波紋を呼んでいるイーロン・マスク氏ですが、彼の改革によって迷惑DM問題が解決するのでは? と期待されていました。マスク氏はTwitterを買収する際に“BOTがユーザー体験を悪化させ、ユーザーの増加を妨げている原因”として、BOTの撲滅を掲げていたからです。
しかし現実に起きているのは逆でした。大幅な人員削減により、Twitterのトラブルや障害対策が不十分となり、トラブルが放置されている状態です。そのため、迷惑DMを送ってくる悪質なBOT対策も甘くなっている可能性があります」
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Twitterの迷惑DMや悪質なBOTが放置されれば、利用者もTwitterに嫌気が差してしまうかもしれない。イーロン・マスクには、Twitterを立て直すためにも、迷惑DMなども宣伝アカウント対策を今すぐ取り組んでもらいたいばかりだ。
Twitterの迷惑DMや悪質なBOTが放置されれば、利用者もTwitterに嫌気が差してしまうかもしれない。イーロン・マスクには、Twitterを立て直すためにも、迷惑DMなども宣伝アカウント対策を今すぐ取り組んでもらいたいばかりだ。