福岡県北九州市で開かれた新成人を祝う記念式典で、ハレの日に影を落とす悪質な犯行が相次いでいたことが分かりました。被害者の1人が、無念の思いを語りました。
■試着重ねて選び…30万円でレンタル 着物に“黒い汚れ”
派手な衣装の参加者が目立った、北九州市の「二十歳の記念式典」。
新成人:「二十歳の目標は、仕事を一生懸命、頑張って立派な職人になることですね」
人生に一度しかない、特別な日です。しかし、このハレの日に、悪質極まりない事態が起きていました。
被害女性:「自宅に帰る際に、モノレールのところで切符を買っていたんですけど。その際に、振り袖の裾のほうに、黒い染みみたいな汚れが付いていて。え?っと思って気付いたら、足にも付いていた」
実際の写真を見てみると、花をあしらった鮮やかな振り袖に、墨汁をかけられたような黒い汚れが付いています。さらに、液体は裾を流れ落ち、足袋(たび)にまで…。
この着物は、おととしの秋から試着を重ねて選び、およそ30万円でレンタルしたものでした。
被害女性:「借りてたお着物だったので、染み抜き代とか、どうしようという気持ちと、頭真っ白になった。すぐお母さんに連絡したんですけど。どうしたらいいって」
■同様の被害9件確認…被害女性「何でこんなことしたの」
女性は式典後、祖母に振り袖姿を見せに行く予定でしたが、それもかないませんでした。
被害女性:「おばあちゃんに(振り袖姿を)見せに行くついでに、いつもありがとうをどうしても伝えたかったが、伝えられず終わってしまってショックです。顔が落ち込んでいるような写真しか撮れなくて。犯人に対して、何でこんなことしたのと思いますし、むかつきます」
警察によりますと、同様の被害は9件確認されています。被害に遭ったのは全員女性で、警察は器物損壊の疑いで捜査を進めています。