日本人の20歳以下の、若い人の10人に1人がかかっているという、アトピー性皮膚炎。
そのかゆみの原因の1つを、佐賀大学の出原教授らが突き止めたと発表した。
佐賀大学医学部・出原賢治教授「さまざまなかゆみを引き起こす物質が産生されるわけですが、その1つとして、ペリオスチンという分子が存在するということです」
このペリオスチンという、たんぱく質の一種は、骨の発育に関係する誰もが持っているもの。
しかし、アトピー性皮膚炎の人の体内では作られすぎるため、かゆみの原因となっているという。
出原教授は、10年前にアトピー性皮膚炎に重要な役割があることを発見。
その時は、かゆみとの関係はわかっていなかった。
今回、かゆみを阻害する薬も発見したというが、なぜ、ここまで時間がかかったのだろうか。
教授ご本人に話を聞いた。
佐賀大学医学部・出原教授「阻害する物質を見つけるというのは、言ってみれば、砂浜の砂の中から砂金を見つけるような作業ということで」
研究を進めるモチベーションとなったのは、アトピーの症状で苦しむ自分の子どもの姿だった。
佐賀大学医学部・出原教授「お薬として、承認していただけるように持っていく。それが、われわれのこれからの最大の務めではないかと思っています」
アトピーの原因はさまざまで、万能ではないとしながらも、今後、ベンチャー企業と協力し、治療薬の開発を進めていきたいとしている。