埼玉県飯能市で3人が殺害された事件で、ハンマーのような鈍器を持って逃走していた男が、25日午後10時すぎに逮捕されました。男は被害者の家から50メートル先に住んでいて、事件については「言いたくない」と供述を拒んでいます。
■近隣住民「事件前に路上で言い争うような声」
25日夜、事件は急展開を迎えました。
殺人未遂の疑いで逮捕されたのは、無職の斎藤淳容疑者(40)です。うつむいたまま、時折外を気にするような様子も見られます。
事件が起きたのは、25日午前7時すぎ、警察によると「口論をしている」「庭先で男性が殴られて、倒れている」など、複数の通報が寄せられました。
警察が駆け付けると、住宅の庭でこの家に住む60代の夫婦と、娘とみられる3人の遺体が見つかりました。
3人とも顔を中心とした上半身に、ハンマーのような鈍器で殴られたような傷があったということです。
近隣住民:「事件前、路上で言い争ってるような声がしたということで、(隣の家の)旦那さんが様子を見に出たところ、庭先で言い争ってるような感じに見えたというふうな話をしていた」「ご主人が外国人で、日本人の奥さん。(男性は)アメリカの方かなと思った。白人の方です」
■1・2階で火災も発生「普通の火災じゃないと」
25日、現場となった住宅では、1階と2階が焼ける火災も発生しています。
近隣住民:「消防車両とか警察のサイレンの音で気が付いて。あまりにも多く消防車両が来ていたので、ちょっとこれは違う、普通の火災じゃないとは思った」
現場は、西武池袋線の飯能駅から南西に1.5キロほど離れた場所で、近くには公園や中学校、小学校もあります。
■数年前から“トラブル”…容疑者逮捕も不起訴
クリスマスの朝、3人に何があったのでしょうか。
実は、この家族は、数年前から“あるトラブル”に見舞われてました。
近隣住民:「3、4年前、通り掛かった時にパトカーが止まっていた、家の前に。車のボディーに傷が付けられていて、現場検証をしていた。まさに1周、全面に傷が付けられて。とても悪意を持った、そういう傷だった」
去年8月にも同様の事件が起き、その時に町内会で回された文書には、次のようなことが書かれていました。
町内会で回された文書:「車両傷付けられ事件発生」「自宅駐車場で、車の右側フェンダーから、前・後ドアを通過して、トランクルームまで傷付けられた」「修理代は100万円」
捜査関係者によりますと、斎藤容疑者はおよそ1年前、今回事件のあった住宅で車を傷付けた器物損壊の疑いで逮捕され、その後、不起訴になっていました。
ガレージには、カバーが掛けられた車が確認できます。
近隣住民:「全く交流がないから、何も分からない」「(Q.過去にゴミ出しで会った時に会話は?)ないです、あいさつ程度」「(Q.なんて、あいさつされた?)『おはようございます』それだけです」
■“防カメ”から容疑者浮上 自宅で発見し逮捕
斎藤容疑者は自宅で1人暮らしで、事件のあった家からは直線で50メートルほどの場所に住んでいました。
現場周辺の防犯カメラの映像などから斎藤容疑者が浮上し、警察は、自宅にいるのを発見して逮捕したということです。
警察は26日、3人を司法解剖するとともに、殺人容疑も視野に動機などを調べる方針です。