公設秘書が報酬を受け取って選挙運動に従事した公選法違反(運動員買収)の疑いなど政治資金を巡る問題が明らかになっている秋葉賢也復興相(60)が26日、辞任する意向を固めた。
複数の政府・与党関係者が明らかにした。岸田文雄首相による事実上の更迭とみられる。内閣支持率の下落が続く中、来年1月下旬召集予定の通常国会に向け、政権の立て直しを図る狙いがある。
8月の第2次岸田内閣発足後、閣僚の辞任は4人目。10月以降、問題を抱える閣僚を相次いで更迭する非常事態で、首相の政権運営は一層厳しさを増す。
「政治とカネ」の問題では、政治資金収支報告書の不適切な記載などが発覚した寺田稔前総務相を更迭したほか、政治資金パーティー収入を過少記載したとして自民党の薗浦健太郎衆院議員が今月、議員辞職し、東京地検特捜部に略式起訴された。
秋葉氏をめぐっては、公設秘書が昨年10月の衆院選で報酬を受け取って選挙運動に従事していた疑惑が指摘された。一方、自身の政治団体が秋葉氏の妻と母親に対し、宮城県内の地元事務所の賃料として平成23~令和2年に計約1400万円を支払っていたことも判明した。立憲民主党など野党は先の臨時国会で秋葉氏への追及を強めていた。
与党内でも「来年の通常国会はもたない」などと秋葉氏の交代論が浮上していた。首相は26日午前、東京都内で記者団に対し、秋葉氏の交代について「今言えることは来年の通常国会に向けてしっかり準備を進めていかなければならない」と述べていた。
秋葉氏は衆院比例東北ブロック選出の現在7期目で、自民党茂木派(平成研究会)に所属する。厚生労働副大臣などを歴任し、8月の内閣改造で初入閣した。